飯士山、御岳山

飯士山
御岳山


【日時】 2010年9月25日(土)〜26日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 25日:曇り 26日:晴

【山域】 谷川連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 飯士山・いいじさん・1111.8m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/越後湯沢/越後湯沢
【コース】 セントレジャー舞子スノーリゾートより
【ガイド】 新・新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)

【山域】 魚沼丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
御嶽山・おんたけさん・306.0m・四等三角点・新潟県
【コース】 三国街道入口より
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小出
【ガイド】 新潟の日帰りファミリーハイキング(新潟日報社)

【時間記録】
9月25日(土) 6:30 新潟=(関越自動車道、塩沢石打IC 経由)=9:00 セントレジャー舞子スノーリゾート登山口〜9:09 発―9:41 リフト上―10:07 三角点―11:36 飯士山―11:57 リフト上―12:24 ゴンドラ山頂駅〜12:40 発―13:53 セントレジャー舞子スノーリゾート登山口=15:30 茂倉新道登山口  (車中泊)
9月26日(日) 5:30 茂倉新道登山口=(R.17、堀之内、月岡公園入口 経由)=6:30 三国街道入口〜7:12 発―7:50 栃原峠―8:26 テレビ塔〜8:40 発―8:53 大平分岐―9:05 御嶽山―9:13 大平分岐―9:34 三国街道入口=(堀之内IC、関越自動車道 経由)=11:00 新潟
 飯士山は、不幸な山である。古くは上田富士とも呼ばれ、1000mを越える標高を持った、大きく裾野を広げた独立峰である。この山の麓は、古くからレジャー開発が進められていたが、特にバブルの時代には東京都湯沢村とも揶揄された湯沢町の背後にあるため、四方からスキー場やゴルフ場の浸食が進んだ。この山には7つもの登山道が設けられているが、スキー場に侵食された山というイメージが強いためか、登山者は多くない。しかし、鋭く尖った山頂からの眺めは、鳥瞰という言葉に相応しいものであり、谷川連峰の展望台として、もっと登られても良い山である。

 御嶽山は、魚野川左岸の堀之内の背後に広がる魚沼丘陵にある山である。御嶽講の修験者によって開かれた山のようであるが、地元の山の会の手によって、登山道や山小屋が整備されている。栃原峠への縦走路や、堀之内城跡への周回コースなど変化に富んだハイキングを楽しむことができ、もっと取り上げられても良い山である。

 先週は東北方面に足を向けたので、今週は谷川連峰方面に出かけることにして、土曜日には飯士山を登ることにした。飯士山には各方面からの登山道が開かれているが、これまでの三回とも岩原スキー場から登っている。今回は、まだ歩いていない舞子スキー場から登ることにした。歩くコースが違えば、山の印象も変わってくる。
 スキー人気の低迷によって、スキー場の経営も変わっている所が多い。以前は舞子高原後楽園スキー場といっていたものが、現在は、セントレジャー舞子スノーリゾートという名前に変わっている。
 最初、ゴンドラ乗り場に向かってしまったが、これは間違いで引き返すことになった。高速の入口を出たら、そのまま直進してセントレジャー舞子スノーリゾートを目指すのが正解であった。民宿の並ぶ坂道を上っていき、道が右のホテルに曲がる先のゲレンデ内に通じる道は関係者進入禁止とあった。様子を見ると、左手のすぐ先にあるレストハウスの下に登山者用駐車場と看板が置かれていた。
 飯士山へのコースは、ゲレンデの中に続く管理道の登りで始まった。初心者用の緩やかなゲレンデの登りであるが、実際に歩いてみると、息が上がって汗が噴き出てきた。背後を振り返ると、石打方面のスキー場や魚沼平野の眺めが広がっていた。
 最初の目標は、尾根の末端部まで上がっているリフトの終点であった。見上げると、かなりの高さに見えた。実際の標高差は、250mなので、それなりに頑張る必要がある。尾根の末端部は急斜面であったが、初心者用のコースとして整備されており、トラバース気味に登ることができ、少し楽ができた。
 リフトの終点から、登山道の開始となるが、入口には「軽装の方の入山はご遠慮下さい。」と書かれていた。スキー場から登るコースということで、甘く見ていたことを後で後悔することになった。
 幅3m程の幅広の道が整備されていた。ただ、歩く者が少ないためか、クモの巣だらけで、ストックを振り回してクモの巣を払わないと先に進めない状態であった。コースタイム的には、かなりロスをすることになった。翌日は、背筋の筋肉の疲労が出ていたのも、ストックを振り回し続けていたためのようである。
 歩きやすい尾根道で、三角点のある見晴らしに出た。その先は緩やかな尾根道に変わった。小さなアップダウンを繰り返し、到着した828mピークは大窪山と呼ばれるようである。
 その先は痩せ尾根となり、岩壁を抱いた飯士山がそそり立つのを眺めることができた。壁状の急登の覚悟が必要そうであった。
 痩せ尾根は、登山道脇の崩壊が進んでいる場所もあって足元の踏み抜きに注意が必要な所もあったが、難所というほどのこともなく通過した。その先は、ロープと鎖が掛る急登になった。かなりの長さがあり、登りの途中で息が切れた。
 小ピークに出て安心したのもつかのま、山頂手前で、再び鎖場が現れた。木の根を掴んで体を持ち上げるような個所も出てきた。下りには、使いたくない急斜面であった。
 飯士山の山頂では、まずは石仏の置かれた広場に出るが、その先の三角点広場の方が眺めが良い。湯沢の街を見下すことのできる眺めの良い山であるが、谷川連峰は雲に隠されていた。北海道沖を台風が通過しているので、その影響が出ているようであった。
 登ってきた岩場の下りは、かなりの緊張を強いられるので、奥添地経由で気楽に下山することにした。ゲレンデ内のコースの詳細は判らないが、スキーで滑ったことがあり、今年の4月10日に姥見ノ頭を登るために歩いたコースとかなり重なっているので問題はないはずであった。
 岩原スキー場方面への尾根を少し下ると、奥添地方面への登山道が分かれる。ひと下りで、岩原スキー場のリフト山頂駅に出る。その先は、かつてはスキー場の管理道であったような、ススキの中に通じる踏み跡を辿ることになった。
 舞子方面からのゴンドラ山頂駅に出ると、その先はゲレンデの下りになる。スキーゲレンデの案内を見ると、ランランコースを下れば良いようであった。
 ひと休みしたあと、ゲレンデの下りを始めて。管理道が麓まで通じているが、ゲレンデの草は短く刈りはらっているので、ショートカットをしながら下ることができた。
 車の置いた登山者用駐車場と下っていくゲレンデの間は見越沢川が入り込んでいるため、これを越える必要がある。ゴンドラ乗り場下の駐車場まで下ると、橋があり、その先の未舗装の道を緩やかに登っていくと、車に戻ることができた。
 舞子方面からの飯士山への登山道は意外に手ごわいので、下りはゲレンデを歩いた方が、気楽で良いであろう。
 翌日は、谷川連峰を歩くつもりで、茂倉新道の登山口で夜を過ごした。早立ちのつもりで目を覚ますと、小雨が降っていた。展望がないのならと登る気もなくなって、軽い山に登るつもりで、車を動かした。どの山を登るか決まらないまましばらく運転を続けた後、堀之内の御嶽山を登ることにした。、
 湯沢から離れると晴れ間も広がってきた。御嶽山へは、旧三国街道口から歩くことにした。大平からの林道を使えば周遊でき、変化の富んだコースを設定できる。
 旧三国街道入口から、左右に田圃の広がる未舗装の車道を歩いていくと、左手に農作業のための小屋があり、その先で砂防ダムの堰堤に行き当たる。堰堤手前から急に夏草が茂るようになった。
 地図にも記載されている林道は、北方向に戻るようにカーブしているが、登山道はカーブ地点から堰堤を越すように続いている。丸太の段々で整備されてはいるが、完全に夏草に覆われて、足元に注意が必要である。堰堤を越してから少し斜面のトラバースを続けると、上流部の池の脇に下り立つ。草をかき分けながら進んだ後、右上を走る林道跡へと登る。歩いた経験がないと、廃道かと諦めるような道になっていた。2006年10月に初めて歩いた時は、同じような藪道だったのに対し、2007年6月に歩いた時は、きれいに刈り払いが行われていた。この旧三国街道は、時期によって夏草の状態が違っているので注意が必要である。栃原峠まで車道が整備されたことによって、この道を歩く者も少なくなって廃道になる可能性もあり、それを確かめることも今回の目的の一つであった。
 その先は、夏草が茂っているといっても幅広の道で、迷う心配はなくなった。ただ、クモの巣がものすごく、前日に続いてストックを振り回しながらの歩きになった。沢沿いに登っていき、右手に車道脇のコンクリート壁を見るようになると、やがて栃原峠に到着した。
 峠には、首なし地蔵や茶屋跡などがあり、昔を偲ぶことができる。杉林に囲まれた赤坂稲荷から登山道が始まっている。急坂をひと登りで尾根上に出る。登山道の周囲は、豪雪地ならではの灌木帯で、魚沼平野の眺めが広がっている。展望を楽しみながらの稜線歩きが続く。小さなアップダウンもあり、足慣らしには良い道である。
 稜線に上がってからの最初の目標はアンテナピークである。御嶽山は早い時間に下山できそうなため、その後の予定を考えることになった。アンテナピークに到着したところで、家に電話をかけて、角田浜のカーブドッチに出かける家族に合流することにした。
 この後は、少し早足になって御嶽山をめざした。アンテナピークへは林道が上がってきているが、少し下ったところから登山道に進む。再び小さなアップダウンの道が続いた。 左に林道が下っている大平の分岐に出ると、そのすぐ先にあずまやとベンチが置かれている。ここからは、越後駒ヶ岳をはじめとする、コース随一の眺めが広がっている。急いで、御嶽山を往復することにした。
 左右が崩壊地になって土の斜面が露出した馬ノ背を過ぎると、一旦大きく下った後に、御嶽山への登り返しになる。御嶽山の手前で夫婦連れとすれ違い、また御嶽山の山頂には三名のグループが休んでいた。御嶽山を歩く者も多くなっているようであった。
 大平に戻り、林道を下った。途中、路肩の崩壊を起こして車の通行はできなくなっていたが、歩くぶんには支障はなかった。
 一旦家に戻り、車を変えてカーブドッチをめざした。カーブドッチは、以前学会の懇親会で訪れたことがあったが、予想以上の人が訪れており、すっかり観光地化していた。カーブドッチは猫でも有名で、カメラを持って猫の写真を撮っている者もめだった。車の下の日陰で寝ている猫や、アイスクリーム売り場の脇で融けたミルクをもらう猫を見ることができたが、あまりの客のおおさに猫もいさかか面倒がっているようであった。
 
山行目次に戻る
表紙に戻る