会津駒ヶ岳

会津駒ヶ岳


【日時】 2010年7月23日(金)〜24日(月) 前夜発日帰り
【メンバー】 単独行 
【天候】 晴

【山域】 南会津 【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 会津駒ヶ岳・あいづこまがたけ・2132.4m・一等三角点本点・福島県
 中門岳・ちゅうもんだけ・2060m・なし・福島県
【コース】 滝沢口
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/檜枝岐/檜枝岐、会津駒ヶ岳
【ガイド】 アルペンガイド「尾瀬、南会津の山」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)、南会津、鬼怒の山50(随想舎)

【時間記録】
7月23日(金) 16:00 新潟=(R.49、安田IC、磐越道、会津坂下IC、R.49、会津坂下、会津本郷、芦ノ牧温泉、R.118、湯野上、R.121、会津田島、R.289、南郷、内川、R.352 経由 経由)=21:30 林道終点登山口 7月24日(土) 4:30 林道終点登山口―5:31 水場―6:22 見晴らしベンチ―6:35 駒ノ小屋〜6:40 発―6:58 会津駒ヶ岳―7:48 中門岳〜8:05 発―8:51 駒ノ小屋―9:05 見晴らしベンチ―9:39 水場―10:25 林道終点登山口=(往路を戻る)=14:10 新潟
 会津駒ヶ岳は、山頂に広がる湿原とそこに咲く花のために、全国に数ある駒ヶ岳の中でもトップクラスの人気のある山になって、日本百名山にも選ばれている。山名は、黒馬として現れる雪形に由来しているという。中門岳は、会津駒ヶ岳から北に延びる稜線の先に位置する山である。山頂標識にも、「この一帯を中門岳という」と書かれているように、明瞭な山頂を持つピークではない。会津駒ヶ岳から中門岳に至る稜線は、湿原が広がり、池塘が空を映し、高山植物に彩られて、会津駒ヶ岳の最大の見所になっている。

 連休が終わるなり梅雨明けになったが、猛暑が襲ってきた。各地で35度を超す猛暑が記録されている。冷房を入れた部屋に閉じこもっていたいが、週末には山に行かなければならない。うかつな山を選べば、熱中症に陥ってしまう。朝の涼しい内に登ってしまい、昼前に下山できるような山が良い。結局思いついたのが、会津駒ヶ岳であった。花も期待できる時期である。先回登ったのは、2002年7月6日なので、そろそろ登っても良い時期である。
 早朝から登り始めるため、前日のうちに登山口に入っておくことにした。通いなれた桧枝岐への道であるが、今回は、会津田島でお祭りがあり、迂回を強いられた。
 桧枝岐で、登山口への林道に進んだ。何回か通ったことのある林道ではあるが、夜間の走行は気を使う。木の階段が設けられている登山口の手前のカーブ付近に登山者用駐車場が設けられていたが、一旦車を停めたものの傾斜地で寝づらい状態であった。少し戻ったところに平坦な空き地があったので、ここで寝た。夜間も車が上がってきていた。日本百名山クラスの人気の山では、到着した登山者の人声やテント設営の物音で、登山口で寝るのは避けた方が良い。
 4時の薄ら明るくなったところで、登山口近くに車を移動させた。スペースは八割程度がすでに埋まっていた。下山後は、路肩駐車の列が、かなり下まで続いていたので、会津駒ヶ岳で登山口近くに駐車するには、5時前に到着する必要があるようである。
 静かな登山道を歩きだした。少し先で団体を追い抜いたが、歩きだした者は、まだ少なかった。
 登山口から駒ノ小屋までは、標高差950mの一本尾根の登りが続く。コースタイムも3時間となっているが、トラバースとカーブを交えた歩きやすい道で、快調に登り続けることができた。標高を上げるにつれて、周囲の木立もブナからオオシラビソの針葉樹帯に変わっていった。中間部には水場があるが、喉もまだ乾いていなかったのでそのまま通過した。
 ようやく傾斜が緩むと、右手に沿う源六郎沢の突き上げ部にある駒ヶ岳から大戸沢岳にかけての稜線が目に入ってきた。その先で、木道脇にベンチの置かれた見晴らしに到着した。駒ヶ岳の山頂も近付いて見えていたが、駒ノ小屋も視界に入ってきた。あともうひと頑張りである。
 草原の中に敷かれた木道を登っていくと、駒ノ小屋に到着した。小屋脇の池は、ハクサンコザクラに彩られ、青空と駒ヶ岳の姿を映していた。ハクサンコザクラの写真を取りながら、山頂を目指した。振り返ると、駒ノ小屋の向こうに燧ヶ岳と至仏山が並ぶのを眺めることができた。
 樹林帯に入ると、中門岳への巻き道との分岐に出た。まずは駒ヶ岳の山頂への道に進んだ。ひと登りで、立派な山頂標識の置かれた駒ヶ岳山頂に到着する。木立に囲まれて、僅かに燧ヶ岳が見えるだけの山頂である。
 中門岳への道に進むと、視界が広がり、草原に覆われた中門岳への幅広尾根を眺めることができた。巻き道との分岐のベンチではグループが休んでいたが、下っていくうちに駒ノ小屋へと戻っていき、周辺からは人影が無くなった。小屋泊りの登山者も朝の散策を終えて、中門岳付近は静寂が戻っていた。
 中門岳へは、草原の中に小さな池塘が点在し、右には大戸沢岳から三岩岳に至る稜線。左手には、燧ヶ岳から至仏山、景鶴山、平ヶ岳、さらに越後駒ヶ岳と中ノ岳が並ぶ姿を楽しむことができた。ハクサンコザクラも咲き、まさに天上の楽園といった言葉が似合う稜線であった。
 小さな起伏を越えていくと、中門大池に到着した。池は青空を映し、ベンチも置かれて休むのに良い場所である。標識には、「この一帯を中門岳という」と書かれているが、その先に小高い所があるので、先に進む。
 ピークの上は台地状で草原が広がっている。木道が一周しているので、これを回って、中門岳の登頂ということになる。
 池まで戻って休むことにした。休んでいると登山者も到着するようになったので、歩きだした。短い時間であったが、誰もいない中門岳を独り占めで楽しむことができた。
 小屋まで戻る途中、大勢の登山者とすれ違うようになった。小屋から少し下ったところの見晴らしベンチでカメラもしまいこみ、下りに専念することにした。
 気温も上がって、日向にいるのが辛い状態になってきた。その中で尾根の登りに苦しんでいる多くの登山者とすれ違った。
 予定通りに午前中の早い時間に登山を終えることができたが、駐車場について着替えをしている間にも、登り始める登山者がいるのには、ご苦労なことでと声をかけたくなった。山頂で泊る予定なら、時間的には問題ないが、暑いさなかの登りは苦労する。
 この週末の山はこれで終わりにして、家に戻った。

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