寒風山、戸神山、葉山

寒風山、戸神山
葉山


【日時】 2010年7月2日(金)〜4日(日) 前夜発1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行 
【天候】 3日:曇り 4日:曇り後雨

【山域】 船形連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 寒風山・かんぷうざん・1117.3m・三等三角点・宮城県、山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台/関山峠/関山峠
【ガイド】 新・分県登山ガイド「宮城県の山」(山と渓谷社)
【コース】 関山トンネルより

【山域】 二口山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 戸神山・とがみやま・504.4m・三等三角点・宮城県
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台/川崎/熊ヶ根
【ガイド】 新・分県登山ガイド「宮城県の山」(山と渓谷社)
【コース】 国道457線沿いの登山より
【温泉】 作並温泉 都の湯 700円

【山域】 朝日連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 葉山・はやま・1237m・なし・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上、仙台/手ノ子、朝日岳、赤湯/羽前上郷、羽前葉山、長井
【ガイド】 新・分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「朝日連峰」(昭文社)
【コース】 草岡登山口より勧進代登山口へ

【時間記録】
7月2日(金) 16:00 新潟=(日本海東北自動車道、荒川胎内IC、R.113、赤湯、R.13、山形上山IC、東北中央自動車道、東根IC 経由)=19:30 東根  (車中泊)
7月3日(土)6:05 東根=(R.48 経由)=6:40 寒風山トンネル登山口〜7:00 発―7:24 稜線上―8:00 コブノセ―8:53 寒風山―9:29 コブノセ―9:51 稜線上―10:08 寒風山トンネル登山口=(R.48、R.459 経由)=10:40 林道入口〜10:44 発―11:02 表・裏登山道分岐―11:27 鞍部分岐―11:32 女戸神山―11:36 鞍部分岐―11:46 戸神山〜12:03 発―12:08 鞍部分岐―林道跡分岐―12:33 表・裏登山道分岐―12:19 林道入口=(R.459、R.48、東根IC、東北中央自動車道、山形上山IC、R.13、赤湯、R.113、R.287、長井 経由)=16:30 大石大明神入口  (車中泊)
7月4日(日) 6:23 大石大明神入口―6:34 大石大明神―7:34 おけさ堀―8:14 嘉永堀―8:19 勧進代分岐―8:28 昭和堰分岐―8:43 昭和堰―9:50 葉山〜10:03 発―9:45 昭和堰分岐―10:32 勧進代分岐―11:18 林道終点登山口―11:32 ゲート―11:41 林道入口―12:21 大石大明神入口=(手ノ子、R.113、荒川胎内IC、日本海東北自動車道 経由)=14:40 新潟
 寒風山は、宮城と山形の県境上のピークで、船形山塊と二口山塊の中間に位置している。船形山塊の白髪山から縦走路が開かれているが、一般には関山トンネルの宮城県側にある登山口から往復する。

 戸神山は、二口山塊が仙台の平野部に落ち込むところにあるピークである。溶岩が浸食によって残った尖った山頂を持っている。

 葉山は、朝日連峰の東端にあり、端山として信仰の対象になってきた山である。他にもある葉山と区別するため、長井葉山と呼ばれている。昔からの信仰の名残りか、白兎、勧進代、草岡のそう遠くない各集落から登山道が開かれている。

 梅雨も本格的になり、この週末の天気も雨模様のようである。最終決定は金曜日の昼の天気予報になった。結局、先週登山口で夜を過ごしたものの、断念した葉山を日曜日に登ることにして、土曜日には船形山塊の寒風山を登ることにした。
 今回は、高速道一部無料化の恩恵を利用しようということで、新潟から荒川胎内の間と上山から東根の間の高速を利用した。いつもは細切れのために高速には乗らない区間であるが、一般道よりはやはり速い。
 赤湯付近から雷雨となり、東根で高速を下りた後は、近くの道の駅で夜を過ごした。
 翌朝は、雨は止んで、どんよりとした曇り空が広がっていた。国道48号線は、仙台と内陸部を結ぶ幹線道路で、交通量も多い。県境の関山トンネルを抜けた左手に駐車スペースがあり、その防火用施設の脇から登山道が始まっている。
 堰堤二つの脇を抜けて、左から入る沢を巻くまで、登山道は少し荒れた感じであったが、その後は、しっかりした登山道が続くようになった。つづら折りの道を登っていくと、稜線上に辿りついた。ひと安心したものの、その先の登りもきつく感じられた。雨こそ降っていないが、じっとりとした天気で、汗が噴き出てきた。
 稜線の一段下を、一定の傾斜の登りが続いた。995mピークに登りつくと、コブノセと書かれた標識が置かれていた。後で歩いたコースを確認すると、その手前の470mピークは西側を巻いて少し楽ができたことが判った。
 登山道は、笹原の中の刈り払い道で、展望は利かないようであった。刈り払いは、最近行われたようであった。ヨツバヒヨドリの花が刈らずに残されているのは、作業した人の花を愛する気持ちが伝わってきたが、登山道の真ん中に何本も生えているため、掻き分けるのに、夜露をかぶることになった。
 緩やかに下って、再び登ったピークは、1065mピークで、寒風山の山頂は次のピークであった。緩やかに起伏する稜線のため、歩いている感覚では、現在位置が判りにくかった。
 寒風山の山頂は、台地状で、草原が広がっていた。以前あったらしいマイクロウェーブの反射板は撤去されていた。奥の一段高い所に三角点があり、そこに山頂標識が置かれていた。
 白髪山に続く登山道を見ると、しっかり整備されているようであった。寒風山に続く登山道は、白髪山まで足を延ばしてこそ充実感を味わえるのかもしれない。
 雲が厚く、展望も無いため、すぐに引き返すことになった。下りは、登山道が良く整備されているため、小走りに歩くことができた。
 寒風山を下山した時間はまだ早かったので、そう遠くない戸神山を登ることにした。
 国道48号線を仙台方面に向かい、作並温泉を過ぎた先で、国道459号線に進む。山間に進んでいき、峠部に出ると、右手にゲートで進入禁止になった林道が始まっていた。脇には、仙台市の水道施設の看板が置かれていた。入口の前は広くなっており、車を置くことができた。
 ゲートの脇をすり抜けて先に進むと、すぐに水道施設の前に出た。フェンスに沿って右に回り込むと、登山道が始まっていた。道路地図にも二重線で描かれている林道であるが、草に覆われて、中央に踏み跡の幅だけが続くだけになっていた。登山者も少ないのか、クモの巣が顔について煩わしかった。300mほど先で林道が横切るように地図では読み取れるのだが、判らないままに通過した。
 赤土が露出した広場に出ると、表登山道と裏登山道の分岐に出た。まずは、右手の表登山道に進んだ。雑木林の広がる尾根沿いに進むと、杉林の広がる戸神山の東山麓に出た。方向が直登りに変わってからひと登りすると、パイプから水が流れ出る水場に出た。水を飲んでひと息入れた。
 さらに直登を続けると、鞍部の十字路に出た。まずは、右に曲がって女戸神山に向かった。ひと登りで女戸神山の山頂に到着したが、展望は木立によって閉ざされていた。女戸神山の山頂から西山麓を通り抜ける林道跡に直接下りることができるようであった。
 鞍部に戻って、男戸神山の山頂を目指した。標高差は70mほどなのだが、スリップ防止のためのロープも付けらる急登が続いた。汗がしたたる状態で山頂に到着した。
 男戸神山の山頂は広場になっており、傍らにはベンチも設けられていた。仙台方面の展望が開けていたが、雲が垂れこめて遠望は利かなかった。
 ベンチに腰かけて昼食をとっていると、単独行が息を切らして登ってきた。誰も合わない山かと思っていたので、意外であった。
 帰りは、鞍部から西の林道跡に下った。すぐに林道跡に出て、後は林道跡の歩きになった。はっきりと林道跡と見分けられる所もあったが、夏草が茂って掻き分けるようなところもあった。先にこの裏登山道に進むと、廃道と勘違いして引き返してしまうかもしれない。登山道は刈り払いする者がいても、林道跡の刈り払いを行う者はあまりいないようである。
 汗まみれになったので、引き返す途中の作並温泉で入浴した。日帰り温泉でも700円したが、大都市仙台周辺の温泉とあっては、それくらいはするであろう。
 二日目の葉山のために、長井に向かって引き返した。長井の町で食料を買い込み、草岡登山口に向かった。葉山の山麓を通過する広域農道への入り方が少し難しい。
 先週に引き続いて、葉山の登山口で夜を過ごした。日暮れ時に雷雨になったが、すぐに止んで、二日目の朝は曇り空になった。
 大石大明神への林道は、未舗装で、道幅も狭かったので、入口から歩くことにした。林道は、普通乗用車でも、少し頑張れば進める状態であったが、道幅は狭いので歩いた方が気持ちが良い。10分の歩きで、沢を渡ると大石大明神に出た。林道脇に草で表面が覆われた岩が転がっており、これが大石大明神のようであった。岩の前は広場になっており、その先にも林道は続いているが、車はここまでになる。
 両脇から草が倒れ込む荒れた林道の歩きが続いた。二番目の堰堤手前で、仮橋で沢の左岸に渡った。この先しばらくは、林道上の夏草が茂っており、昨晩の雨粒を乗せた葉をかき分けてすすむのに、冷たい思いをしなければならなかった。
 沢から分かれると、ブナ林に囲まれた幅広の山道に変わった。大きなカーブを交えながらの登りが続いた。この道は、直江兼続が開いた朝日軍道の一部だといわれている。カーブは大きく、所々でショートカット道が付けられていたが、登りは遠回りでも傾斜のゆるい正規の道を辿った。
 800m標高で、尾根の乗り越しになった。左手に沢が落ち込んでいたが、左から引いてきた用水堀を尾根を開削して落とし込んでいた。ここはオケサ堀と呼ばれるようであった。右手の高見に向かっても道が開かれており、オケサ堀展望台があるようであったが、雲のために展望は閉ざされていたため、そのまま先に進んだ。
 その先は、緩やかな登りが続くようになった。幅広の台地を行く道で、残雪期にこの道を辿るのは難しそうであった。再び人工的な堀が現れ、これは水は流れていなかったが、嘉永掘と呼ばれるようである。
 その先で、勧進代との分岐に出た。しっかりした登山道が合わさってきていた。地図を見ると、勧進代コースを下ってから車道歩きで大石大明神入口に戻るのも可能なようであった。コース変更を考えながら先に進んだ。
 今回の目的の一つに、昭和堰を巡る山道を歩いてみることがあった。分岐に到着してみると、昭和堰方面の登山道もしっかりと整備されていた。
 ほぼ水平に続くトラバース道を進むと、水が流れる導水路が現れた。昭和7年から昭和9年にかけて、大桶沢最源流から勧進代へ水を引くために作られたものだという。用水路に沿って進むと、少し先の沢から先は、用水掘りに水は無くなった。堀は、コンクリートで固められた所もあった。堀は、1140m標高付近をほぼ水平に、枝沢を集めて大きく回り込んでいった。延々と続くように感じる道であった。山頂だけを目指すなら、このコースには入り込まない方が良い。
 終点の沢の手前から、ロープも下げられた急な登りになった。登山道に飛び出して。右手に進んだ。この分岐は、奥の院のすぐ手前であったようである。うっかりして、奥の院を訪れずに、そのまま山頂に向かってしまった。奥の院に出ても、雲が厚く、展望は閉ざされていたはずではあるが、失敗であった。
 緩やかに登っていくと、大朝日岳への縦走路に出て、湿原の脇を通り過ぎると葉山神社のある山頂に到着した。
 昨年の秋の御影森山からの周回以来の再訪である。朝日軍道を少しつなげることができた。
 下山は、草岡コースを下った後に、勧進代コースに向かった。尾根沿いの下りで、道も良く整備されており、小走りに歩くことができた。下りの途中で、豪雨が始まった。幸い、道も良いので、傘をさして歩くことができた。途中、登りの途中の単独行が、立ち止まって様子見をしているのに出会った。勧進代コースを歩く者もいるようである。
 地図では、尾根の末端近くで南側に下るのだが、実際には北側に方向を変えて、最後は林道に下り立った。登山地図でも、勧進代コースは実際と違っているので注意が必要である。
 川のように水の流れる林道の歩きがしばらく続いた。ゲートがあり、昭和堰を守る会の看板が置かれていた。その先で広域農道に飛び出すと、入口には葉山登山口の標識が置かれていた。場所が違っているものの、勧進代コースを登るには、この標識を目印にすれば良い。
 車道歩きには40分かかったが、もう一本新しいコースを歩けたことを思えば、無駄な労力とは思わなかった。

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