祝瓶山から北大玉山

祝瓶山から北大玉山


【日時】 2010年6月26日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行 
【天候】 晴のち曇り

【山域】 朝日連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 祝瓶山・いわいがめやま・1417.0m・二等三角点・山形県
 大玉山・おおたまやま・1438.2m・三等三角点・山形県
 北大玉山・きたおおたまやま・1469m・なし。山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/朝日岳/徳網、羽前葉山
【ガイド】 山と高原地図「朝日連峰」(昭文社)
【コース】 大石橋より周回
【温泉】 白い森交流センターりふれ 500円

【時間記録】
6月25日(金) 17:00 新潟=(R.7、新発田、R.290、大島、R.113、小国、五味沢、針生平 経由)=20:00 大石橋  (車中泊
6月26日(土) 3:55 大石橋―4:13 祝瓶山分岐―4:34 鈴出の水―6:08 一の塔―6:34 大玉山分岐―6:47 祝瓶山〜6:52 発―7:04 大玉山分岐―8:25 桑住平分岐―8:40 角楢沢源頭の水場〜9:10 発―10:21 大玉山―11:30 分岐―11:49 北大玉山〜12:10 発―12:19 分岐―13:06 蛇引清水〜13:28 発―14:18 大玉沢出合―15:06 角楢小屋―15:44 祝瓶山分岐―16:04 大石橋=(針生平、五味沢、小国、R.113、手ノ子 経由)=19:00 梨ノ木平
6月27日(日) 6:30 梨ノ木平=(手ノ子、R.113、大島、R.290、新発田、R.7 経由)=9:00 新潟
 朝日連峰の一般登山道のある縦走路の南は、祝瓶山で終わる。しかしながら、北大玉山から大玉山を経て祝瓶山に至る稜線は、アップダウンが激しいため、大朝日岳を目的とする登山者は、北大玉山下の分岐からは、稜線に別れを告げて、荒川沿いの登山道に下ってしまう。

 土曜日は、梅雨の合間の晴天が巡ってくるようであった。飯豊・朝日連峰で、まだ歩いていないコースを考えていき、祝瓶山から北大玉山の間を思いついた。2002年6月8日に大石橋から大朝日岳に登り、翌日は、祝瓶山経由で下山しようと思っていたが、強風によってあわや大朝日小屋に停滞かという状態になって、寄り道をせずに下山することになってしまった。
 大石橋には、前夜の内に入った。終点の駐車場は狭く、夜中にも到着する車がいて落ち着いて眠ることがでいない。100m程手前に砂利を敷いた広い空き地が設けられているので、ここに車を停めて寝た。
 未明に、身支度をする物音で目が覚めた。3時半に単独行が出発していった。こちらも準備を始め、明るくなってランプが必要なくなった4時少し前に歩きだした。
 林道終点の駐車場は、満杯になっていた。登山者ばかりではなく、釣り人も混じっているようである。
 登山道に進むと、すぐに荒沢にかかるつり橋に出る。板が四枚ほど並ぶ広さのところを一枚だけがかかっているだけである。片手だけしかワイヤーを掴めないため、恐怖感も大きい。
 荒川左岸の段丘を進んでいくと、小さな沢を越したところで、祝瓶山との分岐に出る。以前は、この分岐は判りにくかったが、はっきりした標識も取り付けられていた。
 鈴振尾根と呼ばれる急な尾根の登りが始まった。祝瓶山までは、標高差950mの登りが続く。幸い、朝の涼しい時間のため、足は快調に前にでた。618m点を過ぎた先で、鈴出の水と呼ばれる水場に出た。水の音も聞こえており、水量は豊富なようであったが、喉も渇いてはいなかったので、そのまま通過した。
 細尾根からは、荒川源頭部を囲む朝日連峰の主稜線を望むことができた。祝瓶山の山頂は、まだまだ高い所にあった。
 途中で、単独行を追い抜いた。未明の出発からすると、同じく祝瓶山から北大玉山までの環状縦走かもしれないが、かなり疲れた足取りのため、無理そうであった。下山時には、この単独行が乗ってきていた車は消えていた。
 1239m点は、小さいながら岩場になっており、一ノ塔という標識が置かれていた。遮るもののない展望が広がっていた。祝瓶山の山頂へは、展望の良さそうな細尾根が続いていた。この先は標高差180mほどであるが、足も草臥れてきており、もうひと頑張りする必要があった。飯豊連峰が、豊富な残雪を抱いた姿を空に浮かべていた。
 一ノ塔という名前から、二ノ塔、三ノ塔という名前が推測できるように、小さなこぶを越えていくことになる。傾斜が緩んだ肩部で、大玉山に続く登山道が分かれた。ヒメサユリの花も現れたが、花の撮影は後回しにして、まずは祝瓶山の山頂を目指した。
 最後の急坂を越すと祝瓶山の山頂に到着した。遠くからみる鋭い山頂の姿にかかわらず、広場になった山頂である。祝瓶山は、1994年10月以来二度目である。新潟からも訪れやすい山であるのにかかわらず、間隔が開いてしまった。
 これから歩く、大玉山を経て北大玉山に至る稜線も、目で追うことができた。アップダウンも大きく、気を引き締める必要があった。祝瓶山までの登りは、コースタイムよりも大幅に短く、体調にも問題は無いようである。
 ヒメサユリの写真を取りながら分岐に戻り、大玉山への道に進んだ。地図では、岩場マークに挟まれた細尾根で、登山地図にも岩場ありと書かれていたが、主に草地の尾根で、ところどころで岩が露出していたが、人の高さほどのもので、通過に問題はなかった。むしろ、足元が草に覆われているために歩きにくかった。
 ヒメサユリの花が、登山道の脇に並んでいるようなところもあり、写真撮影のためにしばしば足を停めることになった。
 大玉山との鞍部は960mなので、祝瓶山の山頂からでは、560m下ることになる。大玉山は、祝瓶山よりも20mほど標高が高い。稜線歩きというよりは、別な山を新たに登る覚悟が必要である。
 鞍部は近づいてきたが、暑さが堪えるようになってきた。長時間の歩きになるので、水1.5Lにスポーツドリンク1本を持ってきていたが、暑さのために水の消費も、これから先増えそうであった。標高が下がって、周囲に木立が広がって、日陰ができるようになったのがありがたかった。
 鞍部から少し登ったところが、桑住平への道が分かれる赤鼻である。分岐から登りを続け、1097m点を過ぎた先で、水場に出た。登山地図では2分と書かれていたが、掘りこまれた赤土の窪地を標高差60mほど下って、ようやく水に出合うことができた。地図を見ると、角楢沢の源頭部にあたるようであった。水を飲んで再び戻るまでの往復には、30分かかっていた。時間はかかったが、冷たい水をおもいっきり飲んで、元気を少しは取り戻すことができた。
 大玉山への登りは、長いものの一定の傾斜で、比較的歩きやすかった。大玉山が近付くと、ヒメサユリやハクサンチドリ、シラネアオイの花も現れて華やかになった。
 大玉山の山頂は、細長く、トラバース気味に進んでいくと、左手に刈り払いの広場があり、三角点が置かれていた。ここが大玉山の山頂ということになるが、藪に囲まれて見晴らしはなく、山頂標識も無かった。
 北大玉山の先の平岩山や大朝日岳もずいぶんと近づいてきていた。登山地図では、北大玉山まではあと1時間とあるので、この後は楽勝と思ったのは誤算であった。大玉山からは、急坂を140m下ることになった。北大玉山は、大玉山よりも30m高いので、登り返しもさらに大きくなる。
 日差しがきつく感じられて、帽子を取り出してかぶった。足の疲れというよりは、熱中症に陥らないようにするため、登りのペースもダウンした。今回の歩きで、一番辛い区間になった。
 再び高さを取り戻すと、ドーム型をした大玉山の右脇から鋭い山頂を持った祝瓶山が姿を見せるようになった。
 下りに使う大玉沢出合に続く尾根の分岐に出て、ひと息ついてから北大玉山に向かった。ヒメサユリを見ながら緩やかな尾根を辿ると、北大玉山の山頂に到着した。大朝日岳もすぐ近くに見えるようになっていた。細かいアップダウンの総計を出してはいないが、今回の周回よりは、大朝日岳の日帰りの方が楽なのではないだろうか。
 ようやくありついたビールは美味かったが、そのおかげで、立ちくらみがするほど一気に酔いが回った。
 ひと休みしてから下りにうつった。暑さがさらに厳しく、早く標高を落として、木陰の続くブナ林帯に戻りたくなっていた。
 ビールのおかげで、下りの速度も、しばらくは上がらなかった。冷たい水を腹いっぱい飲みたく、1059m点の手前の蛇引清水によっていくことにした。水を充分飲んだおかげで、元気を取り戻し、足取りも順調になった。一気の下りで急な所もあるが、ほぼ歩きやすい道が続いている。
 大玉沢出合に戻り、ひと安心になった。この後は、一本吊橋が難所になるが、前回にも歩いているので、不安はない。この後は、ブナの原生林の中の歩きが長く続く。角楢小屋を過ぎて、大石橋が近付いてきた頃には、雨粒がおちてきた。天気が早くも悪くなってきた。
 祝瓶山との分岐を過ぎれば、登山口は近い。最後のつり橋を渡って、歩きは終わった。全行動時間が12時間になって、予想以上に時間がかかっていた。
 急いで車を動かし、白い森交流センターりふれで入浴し、一日の汗を流した。
 日曜日は、長井葉山を登る予定で登山口で夜を過ごしたが、朝になてみると、本降りになっていたため、山は諦めて家に戻った。

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