西山、三ヶ峰

西山
三ヶ峰


【日時】 2010年4月24日(土)〜18日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行 
【天候】 24日:雪 25日:晴

【山域】 武尊岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 西山・にしやま・1898.2m・二等三角点・群馬県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/追貝、藤原/鎌田、至仏山
【コース】 ホワイトワールド尾瀬岩鞍スキー場より
【ガイド】 なし
【温泉】 寄居山温泉 500円

【山域】 奥日光周辺周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 沼上山・ぬまがみやま・1541m(1534.4m・三等三角点)・なし・群馬県
 三ヶ峰・みつがみね・1898.2m・二等三角点・群馬県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/男体山/丸沼
【コース】 サエラスキーリゾート尾瀬より
【ガイド】 なし
【温泉】 寄居山温泉 500円

【時間記録】
4月23日(金) 18:30 新潟=(関越自動車道、沼田IC、R.120、鎌田、R.401 経由)
4月24日(土) =0:50 片品  (車中泊)
6:30 ホワイトワールド尾瀬岩鞍スキー場―8:01 ゲレンデ最上部―9:10 西山―9:58 ゲレンデ最上部―10:54 ホワイトワールド尾瀬岩鞍スキー場=(片品、R.401、鎌田 経由)=14:20 サエラスキーリゾート尾瀬  (車中泊)
4月25日(日) 6:08 サエラスキーリゾート尾瀬―7:28 沼上山―9:18 三ヶ峰〜9:40 発―11:09 沼上山―11:55 サエラスキーリゾート尾瀬=(鎌田、R.120、沼田IC、関越自動車道 経由)=16:00 新潟
 西山は、大きな山裾を広げる武尊山の北東部に位置する山で、坤六峠を挟んで至仏山と向かい合っている。登山道は開かれていないが、ホワイトワールド尾瀬岩鞍スキー場のゲレンデ上部からは比較的容易に登ることができる。

 沼上山と三ヶ峰は、日光白根山の南に位置する錫ヶ岳から西に派生する尾根上のピークである。サエラスキーリゾート尾瀬のゲレンデは、沼上山まで延びており、そこから先は登山道はないが、残雪を利用して尾根伝いに三ヶ峰を目指すことになる。

 先週は、北陸道を使って上越方面に出かけた。近づいてきた5月連休は東北方面に出かける予定である。方面が重ならないように、この週末は、関越道を使って谷川連峰方面か群馬県の山を考えた。先週末、宇都宮グループが県道水上戸倉線側から西山を登ったことを聞いた。以前から、狙っていた山なので、まずは西山が決定。取り付きはヤブコギであったというので、高度を楽に稼いだ後に残雪歩きを始められるように、ホワイトワールド尾瀬岩鞍から登ることにした。もう一つの山としては、同じスキー場からの山として、サエラスキーリゾート尾瀬から三ヶ峰を目指すことにした。
 高速を土曜日に入ったところで下り、鎌田の道路脇の広場で夜を明かした。片品でスキー場への道に入るが、その入口には、スキー場は営業を終了したという看板が置かれていた。
 ホワイトワールド尾瀬岩鞍には、広い駐車場が設けられているが、けっこう車が停められており、スキーやボードの準備をしている者がいた。ホテル前の車に乗り込んでいるので、標高の高いところの丸沼あたりのスキー場への送迎でも行っているのかと思った。
 登山の準備をして、ホテルの脇からゲレンデに進んだ。ゲレンデの下部は雪が消えていたが、上部はまだスキーの滑降が可能なほど雪が残っていた。今年の低温による雪消えの遅さを期待していたのだが、残雪歩きはひとまず大丈夫なようであった。
 スキーゲレンデの歩きは、地図を見ていても判らず、現地で判断するしかない。まずは、まっすぐに登って、尾根上に出たところで右にコースを変えて最高点をめざせば良いようである。
 ゲレンデを歩きだしたが、胸が痛くなるほど息が切れた。傾斜がゆるく見えて、歩くペースがつかめないようである。
 第3クワッドリフトを登りきるところで、右手の管理道からバスが上がってきて、スキーヤーが下りてきた。第8クワッドリフトが動き出して、スキーヤーの一団を上に運んで行った。スキー場は営業を終えているはずなのだがと、不思議に思った。西山は、ゴンドラが運行していることから、冬のシーズンのスノーシュー歩きにどうかなと思っていたのだが、今回は頑張って歩くしかない。
 きれいな雪が広がっているリーゼントコースを登りきると尾根上に出て、まずはひと息ついた。ここからは、西山第5ロマンスリフト沿いに登って、ゴンドラ山頂駅をめざす。山頂駅からは、その奥の西山第3ロマンスリフトに進み、ここがゲレンデ歩きの終点になる。
 山頂駅の脇からブナ林の広がる尾根に進んだ。雪も締っており、快適に歩くことができた。歩きにつれて、ブナ林からオオシラビソの針葉樹林帯に変わっていった。
 気温が低く、時折り雪が舞う状態であった。標高も2000m近くまで登るので、気温も低くなるのも判るが、雪が降るのは、4月最後の週末とは思えない。
 雪庇が右に張り出しているところもあったが、角も丸まっており、危険性は感じられなかった。谷を巻いた先に見えているピークが西山のようであった。
 淡々とした歩きが続いたが、山頂手前で傾斜が少し増し、オオシラビソの林の根元の雪が氷に変わっていて滑りやすいので、アイゼンをつけた。先週もアイゼンを使っていたが、ねじが緩んで調整している間にも、手が痛いほどにかじかんだ。
 西山の山頂は、東は開けているものの、木立に囲まれていた。ガスが流れて、展望は閉ざされていた。傍らの木に山頂プレートが取り付けられていた。北の下り口に進んで、先をうかがうと、雪の稜線を眺めることはできたが、その先の至仏山は残念ながら見ることはできなかった。周囲の木立には、霧氷が発達していた。風が冷たく長いはできず、すぐに引き返した。
 ゲレンデに戻ると、登ってきた西山第5ロマンスリフト沿いのゲレンデには旗門が立てられており、滑降の練習が行われていた。邪魔にならないようにゲレンデの端を歩くことになった。
 ゲレンデの下りからは、翌日の三ヶ峰の登り口になるサエラスキーリゾート尾瀬の眺めが広がった。驚いたことに、ゲレンデからは雪が完全に無くなっており、山も黒木に覆われていた。僅かな距離しかないスキー場で、これほど雪の量が違うとは予想もしていなかった。三ヶ峰の残雪の具合が心配になった。
 西山の山行は短時間で終わったが、体が冷えてしまい、いつもの鎌田の温泉に向かうことになった。食料を買い込み、サエラスキーリゾート尾瀬に向かった。
 サエラスキーリゾート尾瀬に到着してみると、ゲレンデをはじめ、見える範囲の山肌から雪は完全になくなっていた。スキーゲレンデの脇に広がるゴルフ場も営業を開始しているのか、車が何台も停められていた。
 雪が無くて三ヶ峰は無理であっても、ゲレンデ上部の沼上山でとりあえずのピークハントは達成できるということで、予定通りに三ヶ峰を目指すことにした。
 翌朝、まったく雪の無いゲレンデを歩きだした。初心者用の傾斜の緩いゲレンデではあるが、歩きだしは息切れがした。  ゲレンデの前方に動くものがおり、目をこらずと鹿であった。この後も何回か見ることになった。
 地図にはリフトとゲレンデの敷地境界は描かれているが、滑降コースは判らない。谷に沿って延びるゲレンデを登っていくと、前方に沼上山の肩に立つ山頂リフト駅を見上げるようになった。ここで、右手の尾根に向かってヘアピン状に方向を変え、南西尾根に登りついた。さすがに、ゲレンデの日陰部分では雪も現れるようになってきた。
 ゲレンデ最上部では、武尊山や西山、至仏山の眺めが広がった。真っ白に残雪に覆われた山を見て、こちらは雪がほとんど無いのは不思議に思えた。山選びを間違ったかなと後悔の気持も出てきた。
 ゲレンデ最上部のリフト山頂駅の背後の高まりが沼上山であった。伐採された後の枯れ草で覆われた斜面をひと登りすると、沼上山の山頂であった。三角点を探すことになったが、北に向かう尾根を少し下った所で見つけることができた。地図でも、最高点と三角点標高の二つが書かれていることからも、三角点の位置がずれていることは判る。
 ここからが、登山の本番になる。沼上山の山頂から南東に方向を変える尾根をうかがうと、雪は消えて笹原が広がっていた。幸い、谷からは残雪が延びてきており、標高をさらに上げていけば、尾根が残雪に覆われる可能性があった。
 沼上山から先は、背丈の低い笹原が広がっていた。かすかな踏み跡も続いていた。周囲には唐松林が広がっているので、植林関係者が歩いているのであろうか。
 幅広尾根に変わると、残雪が一面に広がるようになり、気持ち良い歩きになった。1622m点を過ぎた先で尾根が痩せると、残雪が消えて、本格的な笹のヤブコギになった。幸い、ヤブコギもそれほど長くはなく、残雪を辿りながらの登りに変わった。
 谷を挟んで平行に走っている尾根との合流点は、疎林の雪原となり、コース取りが難しい地形になったが、赤布が連続的に付けられていた。木に取り付けられた位置からすると、もっと雪のある時期、山スキヤーが付けたもののように思えた。
 この先は、針葉樹で覆われた細尾根になった。氷化しており、登りはともかく、下りはアイゼンがいる状態なので、アイゼンを履いて登ることになった。この日は、ヤブコギが予想されたため、ピッケルは持ってきていなかったが、ダブルストックで充分であった。 三ヶ峰の山頂は、沢型が入り込んで、地図では読み取れない地形になっていた。北東に延びる尾根に乗ってから、山頂に達した。
 三ヶ峰の山頂は、オオシラビソの林に覆われて見晴らしは無かった。木立の間から白根山と白檜岳の眺めが広がっていた。
 今回三ヶ峰に登るにあたって、笠ヶ岳を経て錫ヶ岳に至る稜線の様子を偵察することも目的の一つであった。時間的には早かったが、笠ヶ岳まで足を延ばすのは、時間的に難しい。笠ヶ岳を登れば、錫ヶ岳まではそう遠くはない。三ヶ峰の先の2077m点あたりでテント泊すれば、1泊2日で錫ヶ岳まで足を延ばせそうに思う。スキー場は、3月29日で営業が終了しているので、このコースを狙うなら4月初めが良いであろうか。
 今回は無理をしないことにして、ひと休みした後に山を下った。

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