岨巒堂山、高ズコウ山

岨巒堂山
高ズコウ山


【日時】 2010年4月13日(火)〜14日(水) 1泊2日
【メンバー】 佐渡汽船親睦登山 
【天候】 13日:曇り後雨 14日:曇り時々雪

【山域】 大佐渡
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 岨巒堂山・しょらんどうやま・751.0m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 相川/相川/両津北部、金北山
【コース】 梅津古峰登山口より
【ガイド】 なし

【山域】 大佐渡
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 高ズコウ山・たかずこうやま・746.8m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 相川/鷲崎、相川/北田野浦、金北山
【コース】 入川登山口より
【ガイド】 なし

【時間記録】
4月13日(火) 9:46 梅津古峰登山口発―12:45 引き返し―14:35 梅津古峰登山口
4月14日(水) 9:20 林道口―9:48 林道終点―11:05 高ズコウ山―11:53 林道終点―12:23 林道口
 岨巒堂山は、佐渡島の大佐渡山脈の金北山とどんでん山の中間点から東に分かれる支脈上にある山である。山頂からは、大佐渡山地の眺めがパノラマ状に広がっている。地元での古くからの信仰の山であったという。登山の対象として名前が出ることはほとんど無いが、難読山名として取り上げられるのを目にすることがある。

 高ズコウ山は、大佐渡山脈のマトネ付近から外海府側に落ち込む尾根上にある松倉山の北隣にある山です。地図にも破線は記載されていないが、牛の放牧などの山仕事のための山道が山頂に通じている。

 今年の佐渡汽船親睦登山の山行リストを見ると、いままで登ったことのない高ズコウ山があったので、これに参加することにした。岨巒堂山と組み合わせての1泊2日で、これで岨巒堂山は三回目になるが、花が目当てなのでこの山も楽しみである。  今年の春は天候が目まぐるしく変わり、夏日の暖かさが訪れたものの、火曜日から水曜日にかけて、冬型が強まって寒気が入り込むという。お花見が目的の山行であるが、残雪山行の準備をして出かけることになった。
 佐渡汽船のターミナルに集合すると、今回は30名の参加者で、平日としてはかなりの人数であった。
 ぱっとしない天気予報にもかかわらず、曇り空のもとで遠望が利き、ジェットフォイルの窓から、新潟市街地の向こうに守門岳や越後駒ヶ岳方面を眺めることができた。両津に到着する際に見る大佐渡山脈は、まだ豊富な残雪に覆われていた。この時期に佐渡の訪問を重ねてきているが、これほどの雪ははじめてであった。
 両津港からは、二台のマイクロバスに乗車して登山口に向かうことになった。当初の計画では、第一日目に高ズコウ山を登る予定であったが、昼から天気が悪くなるようなので、登山口が近い岨巒堂山に変更することになった。
 梅津から海津川に沿ったドンデン山へ通じる道路に進み、さらに、金北山の山麓を巻くように走る国仲北林道に入る。林道の入り口でバスを下りて歩き出すことになった。
 林道入口から福寿草やキkザキイチゲの花が咲くのを見ることができた。登山を開始したといっても、登山道脇の花を眺めながらの遅いペースになった。
 途中、切り倒した木を利用した橋を二回渡るのだが、山歩きに慣れていない人も多く、全員が渡るのに時間がかかっていた。
 谷沿いの雪割草やカタクリは、咲いてはいるものの、そう多くは無かった。残雪のために花の時期が半月は遅くなっているので、花もこの程度かと思ったが、つづら折りで沢から一段上がると、雪割草やカタクリの群落状態で現れるようになってきた。花の写真を撮りながらの歩きになった。
 枝沢を数回繰り返すと、山頂下の台地への登りが始まる。一面の雪原が広がって、お花見ハイキングというよりは、雪山登山に変わった。その中でも、福寿草が雪の中から蕾を見せていた。
 山頂下の台地に到着したが、ガスがかかって、その先の地形が判りにくくなってしまった。グループのうち、ここまでで引き返すという者も多く出たので、引き返すグループと山頂を目指すグループの二つに分かれた。
 当然、山頂を目指すグループに入ったが、一段登ったものの、その先の岨巒堂山へ通じる尾根の末端が目では確認できない状態であった。GPSでは、一旦下る方向を示していたが、視界の無い中を進むことは、初心者を含めた寄せ集めグループでは難しい。岨巒堂山はこれまで二回登っているので、あっさりと諦めて引き返すことになった。
 台地で短い時間で昼食を終え、下りを急いだ。沢沿いの途中で、先行グループに追いつくことができた。
 登山口に戻って、一旦離れたマイクロバスが戻ってくる間に、本降りの雨が始まった。昼から雨という天気予報は当たったようである。岨巒堂山の山頂を目指していたならば、登山の途中で本降りの雨にあったようなので、早めに下山して良かったということになる。
 いつものように、大佐渡の突端にある二つ亀のフィッシャーズホテルに泊まることになった。マイクロバスを下りると、雨混じりの強風が、吹き過ぎていた。時間は早かったが、ホテルの外に出ることはかなわず、風呂に入った後は、部屋の中で夕食の宴会を待つことになった。海の幸の御馳走を食べ、お酒に酔って、心地良い眠りについた。日ごろでは味わえない贅沢な山行である。
 朝、目を覚ますと、あいかわらず強風が吹き抜けていたが、雨は止んで道路は乾いていた。海を眺めようと外に出たが、足もよろめき、カメラを構えて静止するのが難しかった。二ツ亀や大野亀の下の磯辺には、波が打ち寄せて、真っ白に泡立っていた。短い時間で体が冷えて、暖かい部屋に戻ることになった。
 テレビで天気予報を確認すると、北海道の北を低気圧が通過し、強い寒気が入り込み、冬並みに気温が下がるということであった。用意してあった冬用の下着や帽子。手袋が役に立つようであった。もう一つ気になるのは、佐渡汽船の運行状態であった。ジェットフォイルは、無理そうであった。
 朝食もしっかりとって、マイクロバスで外海府を南に下った。途中の海岸部で見る大波には、目がひきつかれた。
 高ズコウ山は、松倉山の北隣にドーム状の頭を持ち上げている。この佐渡汽船親睦会でも、松倉山から高ズコウ山をめざしたことがあったが、鞍部からの登り返しがあり、時間切れで引き返したという。今回は、牛の放牧のために地元が使っていた山道を歩くという。入川からドンデン山越えの県道、続いて林道・大佐渡北線を進み、北尾根に向かう林道から取り付くという。
 林道・大佐渡北線は、平城畑の登山口にもなっているが、高ズコウ山山麓との間は、途切れている。利用者の少ない林道ではあるが、舗装されており、マイクロバスの走行にはさしつかえない状態であった。
 外海府の波打ち際を走ってきたが、標高380m地点まで一気に高度を上げた。地形の関係か、風は止んではいないものの、登山には差し支えないほどに和らいでいた。時折りパラついていた雨も、雪に変わっていた。
 高ズコウ山へは、未舗装の林道歩きで始まった。林道脇には、フキノトウが頭を出しており、山よりも帰りの採取の方に興味が向いてしまった者が多いようであった。周囲の林の中には、福寿草が群落状態で咲いていた。雪割草は、閉じており、積もったアラレと混じって目立たなくなっていた。
 大きくカーブを描いて進んだ480m標高で林道は終わった。杉林の中をつづら折りで登る山道が続いていた。尾根が広がると、雪原歩きが続くようになった。霧も流れて白い世界に、福寿草の黄色い花がひと際鮮やかであった。雪をかぶった福寿草の眺めは、この山行の大きな収穫であった。
 前方に見える高まりが高ズコウ山の山頂かと思ったが、山頂はその奥であった。急登を終えてさらに尾根を辿ると高ズコウ山に到着した。台地状の山頂で、最高点の西側が芝地になっている。展望が広がっているというが、ガスに閉ざされていた。グループはそれでも山頂での記念写真を撮っていたが、三角点を探すことにした。イバラの藪をかき分けていくと、最高点の少し手前で標石を見つけることができた。
 天気が不安定のため、すぐに山頂を下ることになった。林道に戻ってからは、一同フキノトウ採りしながらの歩きになった。マイクロバスの中でお弁当を食べていると、雨も落ちてきた。
 佐渡汽船に連絡すると、予定のジェットフォイルは欠航になったということで、夕方のフェリーに乗ることになった。国仲平野に戻ってから、京都の清水寺と同じような舞台を持つ新保の清水寺を訪れてから両津港に戻った。
 フェリーは、それほど揺れもせずに、車座になって山の話をしながら新潟に戻ることができた。
 悪天候にもかかわらず、リーダーの的確な計画変更によって、最大限に山を楽しむことができた。

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