袴腰山

袴腰山


【日時】 2010年4月4日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 会越国境周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 袴腰山・はかまこしやま・602m・無し・新潟県
【コース】 津川カントリークラブゴルフ場入口より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/徳沢
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:00 新潟=(磐越自動車道、津川IC、R.49、田沢 経由)=8:20 津川カントリークラブゴルフ場入口鎖〜8:40 発―9:11 取り付き―9:24 尾根上―10:30 袴腰山〜10:50 発―11:36 尾根上―11:42 取り付き―12:22 津川カントリークラブゴルフ場入口鎖=(田沢、R.49 経由)=14:40 新潟
 袴腰山は、会越国境上にある土埋山の南に位置するピークで、県境線より新潟側に少し外れている。山裾にはゴルフ場があるが、登山道は開かれておらず、一般登山の対象から外れている。

 登らなければと思っていても、そのままになって忘れていた山というのも結構ある。袴腰山も、そういった山である。以前、初冬の時期に林道の除雪状態を偵察したことがあったが、田沢の集落を過ぎて送電線が頭上を通過する先までであった。所属していた山の会の記録を見ると、最近では春の早い時期にゴルフ場まで除雪されるようであったが、普通車でどこまで入れるかは判らない。車道歩きを覚悟して出かけることにした。
 行きは、時間に余裕を持たせるため、高速を使い、津川から国道49号線を走る。以前は、会津に出かけるため、良くこの道を走ったが、最近では高速ばかりを利用している。峠手前にあった何軒ものドライブインも、廃屋と化している。
 福取トンネル手前で、津川カントリークラブゴルフ場への道に進む。最終人家は田沢の集落であるが、そこまででも峠越えが必要になる山の奥地である。青空が広がっていたが、夜は冷え込んだのか、日陰では路面が凍っているところもあり、運転には注意が必要であった。
 田沢の集落を過ぎると、その先はゴルフ場まで、人家のようなものはない。除雪されて、両脇に雪の壁が続いていた。行けるところまでということで、車を進めた。山奥へと導かれる心細い道である。登山ならともかく、このような辺鄙な所までゴルフをしに来るのだろうかと、ここを訪れるたびに疑問が湧いてくる。
 土埋山の登り口を過ぎると下り坂になり、その先で、道路に鎖が掛けられていた。391m点で西に林道が分かれる地点の50mほど先であった。少し戻った路肩スペースに車を停めた。
 ピッケルにアイゼン、残雪は豊富であったのでわかんも持った。結果的には、いずれも使わず、つぼ足で充分だった。ザックは重くなったが、装備が足りなくて断念するよりは良い。
 車で短縮されたといっても、袴腰山の取り付きまでは、まだ長い車道歩きが必要になる。少し先で、青空を背景にした川内山塊の眺めが広がった。山頂からの眺めが楽しみになった。ゴルフ場のレストハウスも見えていたが、かなり遠かった。
 下りにかかると、目の前に袴腰山を望むことができた。地図を見て事前に想像していたよりも急峻な山であった。残雪は雪崩落ちて茶色の山肌が広がっていた。山頂から北西に延びる尾根に取り付く予定であったが、尾根上の雪は無くなっているようであった。尾根上へと登りやすい場所を探すと、予定していた425m点の東の380m標高の鞍部に向かって雪原が広がっていた。事前のルート設定と同じで、予想は当たっていたことになる。
 車道は大きなカーブを描きながら、下っていく。滝沢川を横断するが、標高差にして100m下ることになる。帰りは、ここの登り返しでもうひと頑張りする必要がある。
 橋を渡り、大きなヘアピンカーブを過ぎると、枝尾根が張り出してくる。その手前の窪地から取り付き、枝尾根の上に出るというコースをとった。雪は締っていたが、時折り、ずぼりと膝上まで潜る所もあった。
 尾根上に出ると、雪は消えて藪尾根になっていた。はっきりした踏み跡があり、簡単なヤブコギで歩くことができることが判った。すぐに急坂の登りになったので、残雪登りよりは藪掴みでの登りの方が楽であったことになる。
 一旦傾斜が緩やかになると、露岩帯が現れた。両脇は切り落ちていたが、1m程の幅があり、問題なく通過できる状態であった。雪が残っていたならば、雪庇の踏み抜きが問題になって通過が難しくなりそうな場所であった。
 前方に袴腰山の山頂も迫ってきていたが、眺めると最後は急斜面であった。前半は雪原が広がっているが、後半は藪になっているようである。この踏み跡が山頂まで続いていることを祈って先に進んだ。
 山頂への最後の急坂の前半は、遠目の通りに疎林の雪原登りになった。雪もほどほどに軟らかく、キックステップで快調に登ることができた。山頂が近付くと、雪も大きく割れていたので、藪の出た尾根通しで登ることになった。踏み跡はかすかになったが、藪を抜けていくのは難しくはなかった。
 到着した袴腰山の山頂は、雪の小山になっていた。雪庇の踏み抜きが怖いので、脇に回って確認したが、ピラミッド状の高まりで、上に立つことができた。一段下の藪の境にザックを下して大休止にした。
 山頂からは、大展望が広がっていた。目の前には土埋山が大きく、その左肩からは、飯豊の大日岳が姿を見せていた。その左には、棒掛山や蒜場山が聳えていた。会越国境方面は、小さな山が重なり合って、それぞれを見分けることは難しかった。御神楽岳も見えていたが、木立が邪魔をしていた。御神楽岳や川内山塊の眺めは、下山途中の露岩帯で改めて楽しむことになった。
 久しぶりの晴天で、新潟方面では、雪割草見物の角田山、雪庇見物の守門岳で大賑わいになっているはずであるが、この袴腰山では、これだけの展望が広がっているにもかかわらず、独り占めの山頂であった。
 下山は、特に問題なく、車道まで下ることができた。最後の車道歩きがいささか長く感じられたが、この時期はフキノトウを採ることができる。家へのお土産を確保することができた。

山行目次に戻る
表紙に戻る