猿ヶ城

猿ヶ城


【日時】 2010年2月28日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雪

【山域】 守門岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 猿ヶ城・さるがじょう・650.9m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/栃掘
【コース】 遅場より
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:50 新潟=(北陸自動車道、三条燕IC、R.289 経由)=8:00 遅場〜8:54 発―10:42 猿ヶ城〜11:03 発―12:22 遅場=(往路を戻る)=14:00 新潟
 猿ヶ城は、越後と会津を結ぶ八十里街道入口の吉ヶ平の北側、守門川右岸にある山である。夏道は無いことから藪コギか、積雪期に登ることになる。

 吉ヶ平へは、番屋山や守門・大岳、八十里越、烏帽子山のために度々訪れているが、すぐ北側に聳える猿ヶ城へは登っておらず、気になっていた。冬季ルートとしては、遅場の集落から、守門川に沿った長尾根が続いている。途中に急坂や細尾根といった難所もないようで、スノーシュー歩き向きのコースに思えた。
 天気予報は、土曜の午後は青空が広がり、日曜日は朝のうちに雨か雪が残るような天気予報が出ていたので、山に出かけたのだが、下田が近づくと本降りの雨になった。幸い、車を走らせると雪に変わった。雨よりはまだ良いとしても、歩きだせるか微妙な状態であった。
 吉ヶ平への県道は、遅場入口のすぐ先で除雪されずに、冬季閉鎖になっていた。橋を渡った先の集落手前で、どこから取り付くか、目で確かめることになった。川沿いに道が分かれる所から山を眺めると、沢の左側の枝尾根が登りやすそうで、一段登ったところに植林のための道が走っているのが見えた。車道の分岐のすぐ先にバス停があり、バスの転回の邪魔になっても困るなと思って時刻表を見ると、朝・夕の二本で、しかも土日。祝日は休みということであった。バスに乗るのは、老人の病院通いくらいのものであろうが、生活も大変そうである。
 視界も悪い吹雪のため、しばらく車の中で待機すると、ようやく雪も止んで歩きだすことができた。
 雪原を横切り、沢よりに登って作業道に出た。作業道を少し辿ってみたが、緩やかに沢の上部を巻いて、左岸尾根の杉林に向かっているようであった。枝尾根に乗ることにして、作業道から分かれた。枝尾根を登ると、じきに守門川の右岸尾根に乗ることができた。
 雪原の中に黄色い物を見て近づくと、マンサクの花であった。今年最初のマンサクになった。雪の中で見るマンサクの花は、雪国の春の訪れを感じさせてくれる。
 沢の左岸の突き上げ部のピークには杉林が広がっていた。ここまでの雪原は、良く締っていたが、杉林の中は、雪が緩んでいて足が取られる状態になった。先頃からの暖かい陽気のため、陽が当たる所では雪が締ってきているのに対し、杉林のような日影では雪の締りが遅れている。
 杉林の中で、トレースが現れた。ワカンとスノーシューによるもののようで、かなり潜った状態で歩いていた。先週の日曜日のものなのだろうか。普通トレースがあれば歩きやすくなるのだが、深く凹んだ穴になり、そのまま冷え込みで硬くなっているため、その上はスノーシューが傾いて、歩きにくかった。その脇の雪原を歩くことになった。
 思っていたよりも幅広の尾根が続き、木立の間も開いているため、のんびりと歩くことができた。右手の谷向こうには、芝倉山が鋭い山頂を見せていた。斜面の雪が雪崩落ちて灌木藪が現れている所も多くなっていた。小さなピークが続く先に、一段高い峰が見えていたが、猿ヶ岳の山頂はその背後に隠されているようであった。山頂が近付く頃には、再び雪が降り出して、展望は閉ざされてしまった。
 山頂手前で尾根は細くなって雪庇が発達していたが、雪も硬くなっており、問題なく通過できた。山頂への最後の登りは、このコース一番の急登になって、右に少しトラバースした後に、ブナの木が並ぶ幅広斜面を登ることになった。
 猿ヶ城の山頂は、東側に雪原が広がっていた。到着した時は展望が閉ざされていたが、腰を下して休んでいる間に、番屋山が姿を現した。網張山付近の稜線が、ガスの中にぼんやりと見えていた。大岳付近の大雪庇も見えるはずなので、晴れた日を選んでまた来る必要がある。
 下りは、数センチ積もった新雪がスノーシューの底に付いてダンゴになって、落としながらの歩きになった。
 遅場から猿ヶ城へは、特に難所もなく、スノーシュー歩きに向いているコースである。スノーシュー歩きの定番コースに含めることにしよう。

山行目次に戻る
表紙に戻る