黒山

黒山


【日時】 2010年2月24日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 五頭山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 黒山・くろやま・527.6m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/津川、馬下
【コース】 岡沢より
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:00 新潟発=(R.49、岩谷、岩津、岡沢、新道道線 経由)=8:00 岡沢・林道入口〜8:27 発―8:45 巡視路入口―11:05 黒山〜11:56 発―13:29 巡視路入口―13:45 岡沢・林道入口=(往路を戻る)=15:10 新潟
 R.49あるいは磐越自動車道を津川に向かう際、五頭山塊と菅名山塊によって挟まれた阿賀野川の谷の奥の正面にドーム型をした山が目に入ってくる。この良く目立つ山を地図で調べると、527.6mピークであることが判るが、地図には名前は記載されていない。「新潟の低山薮山」にもこの山の記録はのっているが、527.6mピークとして記載されている。インターネットの国土地理院の基準点成果閲覧サービスでこの山の三角点の点名を調べると、黒山と記載されているので、その名前で呼ぶのが適当であろう。

 平日であるが、仕事が休みのため山に出かけることになった。晴天の予報が出たが、平日とあっては、高速代の割引が利かずに高いものにつく。近場の山で展望の良い山を考えていき、黒山を思いついた。1999年12月に登っているが、この時は降雪前で、山頂は藪山で展望も閉ざされていた。その後に登った者から、雪山の状態では大展望を楽しめると聞いて、雪のある時に登ってみなければと思ったものの、そのままになっていた。
 ドライブの途中、濃霧で車のライトを点灯することになった。道の駅「みかわ」で国道を離れ、岩谷の将軍杉入口を通り過ぎて岡谷を目指す。「理研ダイヤモンド工業」入口を過ぎた岡谷集落手前で、西に延びる農道があり、この道から入ることになる。除雪されていたが、入口に進入禁止の柵が置かれていた。近くの路肩スペースに車を止めた。
 予期せぬ林道の除雪のおかげで、スノーシューをザックにくくりつけての歩き始めになった。きれいに除雪されていたが、凍って滑りやすいところがあり、足元に注意が必要であった。田圃を抜けて、左にカーブする所からは、林道「新道道線」が始まるが、その先も除雪は続いていた。
 峠部に到着すると、頭上を送電線が通過しており、「鹿新線」の巡視路が始まっている。送電線巡視路の標識も、雪の中から頭を出していた。ここまで除雪してあったので、かなり楽をすることができた。
 雪原に上がって、スノーシューを履いた。雪の表面は夜の冷え込みで硬いが、中は柔らかい最中状態のため、スノーシューにイクステンションを取り付けた。
 スギ林を抜けると、急な尾根を上がった先に送電線の鉄塔が立つのが見えた。尾根をそのまま登るのは急なため、左手の沢状の窪地を登った。登る途中、息を整えながら振り返ると、荒倉山が聳えているのを眺めることができた。
 最初の急坂を突破し、緩やかに登っていくと、再び急な尾根に突き当たった。左に方向を変えて杉林を抜け、南側から尾根に取り付いた。この330m〜390m付近の急坂が一番の難所になった。細かくジグザグを切りながらの登りが続いた。
 ようやく台地に出てひと息ついた。距離的には半ばといった所であるが、標高差は120mほどしか残されていない。
 台地には植林された杉林が広がっているが、中には、根元から何本もの幹を伸ばした太い天然杉も見られる。麓には、幹回り19.31mで日本一の将軍杉があることから、この一帯は杉の生育環境に適していたのであろう。
 再び尾根の登りに汗を流すと、ようやく山頂のいっかくに到着する。山頂一帯には、三つのこぶが並んでいるので、こぶを巻いて、三角点峰への最後の登りにとりかかった。
 黒山の山頂は、台地状で、まばらな林の間に雪原が広がっていた。ザックを下して、展望を楽しむことにした。台地状のため、一点で全周の眺めが得られないが、場所を変えると眺めが広がる。
 北東には、笠菅山や棚橋山、馬ノ髪山が近くに並び、その奥に二王子岳、北股岳、蒜場岳、大日岳、棒掛山といった飯豊連峰の眺めが広がっていた。北には、大日山と菱ヶ岳を中心として五頭山塊の眺め。西には菅名岳と新潟平野。南は、木立が少し邪魔していたが、マンダロク山の眺めが広がっていた。
 黒山は、新潟からも近く、眺めを楽しめて、宴会向きの雪原もある山頂であるが、登る登山者はほとんどいないのはおしいことである。
 気温が春を思わせるほどに高くなってきて、下りの雪質は大きく違ってきた。330m〜390m付近の急坂では、足を下した周辺の雪が雪崩状に滑り落ちるので、足場を固めながら下りるのに苦労した。幸い、灌木が並んでいるので、滑落の危険性は少なかった。
 下山後、将軍杉を見物してから家に戻った。

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