下山、八森山

下山
八森山


【日時】 2010年2月13日(土)〜14日(日)1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 13日:曇り 14日:曇り

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 下山・しもやま・685.4m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/熱塩/加納
【コース】 一ノ戸より
【ガイド】 なし
【温泉】 いいでの湯 500円

【山域】 裏磐梯
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 八森山・はちもりやま・1149.5m・二等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/吾妻山/桧原湖
【コース】 細野峠入口より
【ガイド】 なし
【温泉】 ラビスパ裏磐梯 500円

【時間記録】
2月13日(土) 6:30 新潟=(磐越自動車道、会津坂下IC、山都、R.459、藤沢 経由)=9:10 一ノ木〜9:20 発―11:37 下山〜11:56 発―13:07 一ノ木=(藤沢、R.459、山都、会津坂下、喜多方、R.459 経由)=16:00 道の駅「裏磐梯」  (車中泊)
2月14日(日) 7:47 細野峠入口―10:00 八森山〜10:12 発―11:28 細野峠入口=(R.459、R.121、会津若松IC、磐越自動車道 経由)=15:20 新潟
 下山は、福島県側の飯豊の登山口である川入手前にあり、飯豊本山の山頂にある飯豊神社の里宮が置かれている一ノ木の背後にある山である。

 八森山は、裏磐梯の西岸にあり、登山道の無い山である。山頂一帯には、ブナ林が広がっている。

 ここのところ、飯豊の登山口である山都周辺に興味を持って登っている。地図を見ていると、一ノ木の西に下山があり、山頂へ通じる破線が記されている。登山口は、宝昌寺であり、その前には集会所も設けられた広い駐車場があることが、以前の偵察によって確かめていた。この時に、お寺の奥に進んだ先の杉林からは、草が茂っていた。山道が維持されているか確かめられず、登るなら雪のある時期にと考えていた。
 週末の会津には、曇りの天気予報が出た。路面の雪も無く、車の運転にも苦労は無く一ノ木に到着した。
 橋爪橋を渡って集落内を通る旧道に進むと、飯豊神社が現れる。飯豊本山の山頂にある飯豊神社の里宮ということで、一ノ鳥居が鎮座されている。ひと昔は、バスはこの一ノ木までで、飯豊登山はこの神社から始まったという。現在、飯豊連峰は登山者の人気の山になっているものの、この一ノ木の飯豊神社のことは忘れられているのは残念である。このような飯豊と関係の深い集落の脇にある下山は、飯豊の里山という意味もあるのであろうかと興味がわいてくる。
 集落内の道は狭いが、一ノ木会館前の駐車場は、広く、除雪もしっかり行われていた。 宝昌寺への石段には雪が積もっており、雪に足が取られる状態であった。境内に入った所でスノーシューを履いた。お墓の脇を抜けて、お堂の背後に進むと、スギ林が広がっている。
 スギ林の中を進んでいくと、左から沢が近づいてきた。雪の中でも道型が見判られることから、これを辿ることになった。左岸から右岸への徒渉点では、沢岸近くまで道型が下りて、渡りやすくなっていた。水量も少なく、スノーシューを履いたままで沢を渡ることができた。道型は、そのすぐ先で、再び左岸に移った。
 下山への破線は、沢の二又部から始まる尾根沿いに通じている。GPSで尾根の末端部に到着していることが判ったので、進行方向右手の尾根に取り付いた。ひと登りして尾根の方向をみると、488m点に通じる尾根であることが判った。沢を挟んだ向かいの尾根が正解であった。
 尾根の北側の少し上流部で沢を渡ると、道型が尾根に向かって上がっているのが見えた。尾根の南側の沢は細くて雪に覆われて、二又とは見えず、取り付き部が判りにくくなっていた。正しい登り方としては、次のようになる。左岸から右岸へ沢を徒渉した後は、沢沿いに進んで尾根の末端部の北側に回り込むと、山道が始まっている。
 尾根の取り付きは急であったが、つづら折りの道が切られており、登りやすくなっていた。溝のように道が掘りこまれており、昔はかなり歩かれたような気配があった。
 ひと登りすると緩やかな尾根の登りが続くようになった。道型は、尾根の一段下を通過しており、小さなアップダウンを省略して歩くことができた。雑木林に覆われた尾根で、木の枝には白く雪がついていた。雪も締ってきており、スノーシューでの歩きでの体力の消耗も少なくて済んだ。
 下山の山頂部には杉林が広がっていた。山頂の北側には、植林のためか、林道が回り込んできている。南に方向を変えて回り込んだところが山頂であるが、雑木林が広がる中に、三角点周囲の切り開きなのか、小雪原になっていた。喜多方方面の眺めが木立の中から眺めることができたが、期待していた飯豊連峰方面の眺めは閉ざされていた。飯豊の遥拝所になっていたのかとも思っていたのだが、予想は外れた。
 帰りは、特に難所も無く下山することができた。
 翌日の山としては、ここのところ懸案であった裏磐梯の八森山を登ることにした。1月30日の夕方に裏磐梯に向かったものの、猛吹雪のために、その夜を過ごす予定の道の駅「裏磐梯」までたどり着けずに引き返している。
 夕方に道の駅に入り、夜を過ごした。寒さが厳しく、使い捨てカイロのおかげで寒さを乗り越えることになった。
 八森山の登山コースは、北側の蘭峠(あららぎとうげ)からか、南の細野峠方面からの二通りが考えられる。桧原湖西岸の道は、冬季は閉鎖個所があるため、蘭峠の取り付きの桧原までは、桧原湖東岸を大きく回り込む必要がある。朝は、路面が凍結していて、車の運転も危険なため、登山口が近くなる細野峠方面から登ることにした。
 圧雪状態の道を注意しながら車を進めていくと、熱塩温泉に通じる旧道の入口に駐車スペースがあった。桧原湖の湖畔もすぐ脇に迫っており、ワカサギ釣りの車が止められていた。細野から谷間を進んだ先の枝尾根を登るコースも考えていたが、車の駐車場所があることから、この旧道口から歩きだすことにした。
 桧原湖は凍結して、ワカサギ釣りのテントが並んでいた。冷え込みは厳しく、歩きだす準備をする間にも、帽子と手袋を身につける必要があった。
 雪原に上がると、スノーシューの踏み跡が続いていた。旧道に沿って一列の足跡が続いていた。八森山の登山者とは思えず、他の目的地というと細野峠あたりしか考えられない。雪もそれほど潜らない状態なので、まっさらな雪の上を歩いた方が気持ちが良いはずなのだが、踏み跡から外れる者はおらずに、一列のトレースが続いていた。どうもペンションあたりが開催しているスノーシュー歩きの一団のような感じであった。
 旧道は、大きくヘアピンカーブを描いて高度を少しかせいだところで、南に再びコースを変える。ここから谷間を登って尾根上に出るつもりであった。道路脇の沢が意外に深く掘りこまれており、トラバース気味に登り始めたが、結局、900m小ピークの肩まで追い上げられてしまった。
 少し下って900m小ピークの北の鞍部に出て、後は尾根沿いの登りになった。登るにつれてブナ林も太い木が並ぶようになっていった。霧氷に彩られた白い森を抜けていく歩きが続いた。霧氷の風景を撮影するため、しばしば足を止めることになった。桧原湖方面の眺めは、木立に邪魔されて、うかがえる程度にとどまった。
 コースは次第に左に方向を変えていき、山頂手前で斜面も急になった。雪が柔らかければ、スノーシューを蹴り込んで登れる傾斜であったが、うっすらと積もった雪の下に、凍った層が隠れていた。ストックの支えと、スノーシューの爪で、微妙なバランスを取りながら登る必要があった。幸い、ブナの木が並んでいるので、木々を結んで小さなジグザグを切りながら登ることになった。
 八森山の山頂から南に延びる尾根をうかがうと、雪庇が張り出しているのが見えた。ようやく傾斜が緩むと雪庇の下に出て、登れる場所を探すことになった。幸い、灌木の影響か、雪庇が斜めになっている所があり、雪を少し崩した上で、雪庇を乗り越えることができた。
 台地を北に向かうと、ブナ林の途切れた先に雪原があり、ここが八森山の山頂であった。東の桧原湖方面の眺めが広がっているようであったが、ガスが流れて、展望は閉ざされていた。霧氷に彩られたブナ林の中で、ひと休みとした。
 下りは、山頂直下の急斜面も難なく下り、後は、ブナの森のスノーシュー歩きを楽しんだ。
 下山後、ザックを車に放り込んで、カメラだけを持って、凍結した桧原湖の上に出てみた。あまり遠くには行かなかったが、凍結した湖上のスノーシュー歩きも面白そうである。昼になって、青空が広がってきて、下山を少し急ぎすぎたかなと後悔することになった。

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