小瀬ヶ沢山、城山

小瀬ヶ沢山、城山


【日時】 2009年12月30日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴れ

【山域】 川内山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 小瀬ヶ沢山・こせがさわやま・444.0m・三等三角点・新潟県
 城山・じょうやま・295.8m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/御神楽岳/越後豊川
【コース】 栃堀より
【ガイド】 新潟の低山藪山(白山書房)

【時間記録】 7:00 新潟=(R.49、津川、上川 経由)=8:30 栃堀〜8:52 発―9:25 湿原―11:12 小瀬ヶ沢山〜11:30 発―12:50 湿原―13:21 城山―13:38 湿原―14:03 栃堀=(往路を戻る)=15:30 新潟
 小瀬ヶ沢山は、川内山塊東部の鍋倉山の隣の大峰から南東に派生する尾根上にある山である。この山の麓には、小瀬ヶ沢洞穴遺跡がある。

 城山は、県道室谷津川線で、御番沢川を渡った先の栃堀の集落の背後にたたずむ里山である。山城があったようであるが、詳細は不明であるが、山頂には杉の大木がある。この山の南の台地には湿原が広がっている。

 2009年最後の山行になった。今年はまずまず頑張ったということで、新年の山行のほうに頭がいっている。軽い山ということで、久しぶりに津川の奥の栃堀の城山を登ることにした。
 先頃のまとまった雪もかなり消えて、安塚を過ぎてみる五頭山塊や菅名山塊の山肌も茶色の地肌が目立っていた。それでも津川から常浪川沿いの県道に進むと、急に雪が多くなった。
 2000年1月に登った時は、御番沢川を渡った先の箕輪林道入口の駐車スペースから歩き出し、東からアプローチした。同じように歩こうと山を見ると、雪解けが進んで、雪原が途切れ途切れになっていた。コース変更して、道路を先に進んだ先の大山祇神社から歩き出すことにした。
 大山祇神社の前には、駐車場もある。神社は、道路脇と一段上に社殿が置かれている。一段上に社殿へは、パイプの手すりが設けら、石段が続いているようであるが、雪に埋もれていた。
 社殿の脇でスノーシューを履いた。雪は良く締まっており、ラッセルで体力を消耗する心配は無かった。社殿の背後は急であったため、少し左手に移動してから登りを開始した。
 ひと登りすると台地に出て、これを突っ切る。地形は意外に複雑であるが、今回は大山祇神社からのコースをGPSに入力してこなかったので、山勘とGPSに入っている地形データーが頼りである。尾根に乗ってしまい、先で少しで下るというロスもした。
 二段目の急斜面に取り掛かった200m標高線付近で、水平に走る山道跡に出た。左手に進めば、城山の南に広がる湿原に出そうなので、この山道を辿ることにした。沢の縁に出ると、その先で湿原の入口に出た。滝の落ち口に細い橋がかかっていた。一歩足を乗せれば済む幅であったが、雪が乗っていた。慎重に足を置いて乗り越した。
 湿原は一面の雪原になっており、所々に雪解けが進んで水面が見えていた。葦原のようで、雪の無い時でも水深は浅いようであった。湿原の奥には、城山の丸い山頂も姿を現していた。
 今回のもう一つの目的は、小瀬ヶ沢山へのルートを偵察することであった。小瀬ヶ沢山は、2002年2月にアタックしたものの、386mピークを越した先の鞍部から先で雪庇が発達し、しかも大きく割れていたため、登頂を断念している。400mピークの南の尾根には崖マークが食い込んでおり、積雪期の通過は難しそうである。別なルートとして城山方面から尾根を辿るコースを考えていた。
 天気予報に反して青空が広がっていた。雪も程良い硬さであった。この良いコンディションを逃す手は無いということで、小瀬ヶ沢山に向かうことにした。湿原の縁から小瀬ヶ沢山に続く尾根に乗るには、杉林の中を抜ける必要があり、目では判りにくくなっていた。幸い、小瀬ヶ沢山へのコースはGPSに入れてきていた。
 谷を詰めて尾根に乗った。はじめは歩くのに支障のない雑木林の尾根であった。尾根が南西に方向を変えると、木の枝もうるさくなってきた。小さなピークの乗り越しが続き、急斜面の下りでは、木の枝を掴み、スノーシューを履いた足元の置き場所に注意する必要もあり、時間もかかるようになった。谷向こうには、386mピークが鋭い山頂を見せていた。
 400mピークが近付くと、白く染まった急斜面を落とし込む小瀬ヶ沢山の山頂が姿を現した。スラブのはずであるが、雪が滑り落ちていないため、真っ白な姿を見せていた。400mピークは北の肩を越してその先の尾根に乗った。ここから小瀬ヶ沢山の山頂へは細尾根を辿り、途中、二ヶ所程の急斜面を木の枝も掴みながら登ることになった。雪が多ければ、雪庇の張り出しが怖くなるため、藪こぎの要素も高くなっていたものの、今回は丁度良い時期に当たったといえる。
 最後の急坂を越すと、小瀬ヶ沢山の狭い山頂に到着した。山頂からは、遮るものの無い展望が広がっていた。目の前には大峰が、その名前の通りに大きな姿を見せていた。その右手には、二倉山やかたがり山を眺めることができ、北東の空には、飯豊連峰が真っ白姿を見せていた。南には、御神楽岳と笠倉山が並んでいた。素晴らしい展望ピークであるが、そう簡単に訪れることができない山であるのは残念である。眺めを楽しみながらひと休みした。
 登りは、地図で読み取れない難所が現れるかと心配しながらの歩きであったが、帰りは、小ピークの乗り越しで体力は消耗するものの、気は楽であった。
 湿原に戻ったが、久しぶりの青空に誘われてもう少し山歩きを続けたい気持ちになっており、城山にも登っていくことにした。湿原を北に向かって横断し、南の小ピークとの鞍部に向かって杉林の中を登った。鞍部からは尾根の登りになったが、疲れてきた足には辛くなってきた。
 城山の山頂は、杉の木が立ち、木立に囲まれて展望は良くない。南の山麓にある湿原と合わせて訪問するのが、この山の楽しみ方であろう。もう一度湿原に戻って風景を楽しんでから下山に移った。
 天候にも恵まれて、気持ち良く一年の締めくくりの山を終えることができた。

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