南蛮山

南蛮山


【日時】 2009年12月26日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 長岡東山連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 南蛮山・なんばんやま・548m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/長岡/半蔵金
【コース】 竹之高地より
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:10 新潟発=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.8、横枕 経由)=8:20 竹之高地〜8:48 発―9:42 尾根上分岐―10:35 南蛮山〜10:45 発―11:50 竹之高地=(往路を戻る)=14:00 新潟
 南蛮山は、長岡市背後に広がる東山連峰の南西部に位置する前衛峰である。このピークの東には、蓬平と長岡を結ぶ南蛮峠がある。現在、林道が山頂直下を越しており、麓の「石彫の道パーク」から南蛮山を経て竹之高地に至る道は、中部北陸自然歩道として整備されている。しかし、南蛮山の山頂への道は整備されておらず、僅かな距離とはいえ、かすかな踏み跡を辿る必要がある。

 12月としては記録的な雪にみまわれ、19、20、23日の三日が、山に行けずに自宅待機になり、駐車場の雪かきで汗を流すことになってしまった。道路の雪もようやく消えて、山に出かけられることになったが、この週末は1000円の休日割引が利かない。近場の山を考えることになった。山の雪も積もり始めで、藪はまだ押さえつけられていない。完全な藪山は難しいため、林道歩きが主なコースを考えていき、南蛮山を思いついた。南蛮山には、2000年5月に訪れているが、この時は、車で直下の展望地まで上がっており、登山の趣には欠けている。今回は、竹之高地から歩き出すことにしたが、これは大峰山からの周回の偵察も目的の一つになっている。
 長岡バイパスから蓬平への道に進むと、山肌の雪も多くなったが、一気に降り積もったせいか、地滑りの跡も目立っていた。蓬平温泉の奥の高龍神社入り口を過ぎると登り坂が続くが、道路に沢水が流されており、真冬でも路面の雪は完全に無くなっている。
 竹之高地入口の不動尊前の広場に車を停めた。雪山で問題になるのは、アプローチと駐車場であるが、竹之高地から大峰山あるいは南蛮山に登る際には、この二点に関しては心配する必要がないのは良い。
 今シーズン最初のスノーシュー歩きになった。不動尊前からしばらくは、除雪された車道の歩きが続いた。竹之高地には、かなりの家が並んでいるが、人が住んでいない家も多いようである。いつもは、集落内から大峰山に向かって車道を離れるため、どこまで除雪されているかは知らなかった。
 集落を通り抜けてから200mほど進んだ所で、除雪の終点になった。車が一台停められていたが、人は見当たらなかった。スノーシューを履いて雪の上に立つと、その先の雪の上にはキャタピラの跡が付けられていた。キャタピラ跡の上は締まっているが、脇の雪原の上に立とうとすると潜るので、幸運であったことになる。
 林道は、大きく蛇行するが、その分傾斜は緩くなっている。途中、法面の雪が滑り落ちて林道を埋めた雪崩の跡も、数か所現れた。このコースは、雪の状態によっては、雪崩に注意しなければならないようである。
 南蛮山の東の肩から落ち込む谷を覗き込むトラバース道に変わると、下山時のショートカットをどのようにするかを考えながらの歩きになった。所々で、杉林になった枝尾根が落ち込んでおり、下りに使えそうであった。
 南蛮峠から南蛮山に続く稜線の少し手前でキャタピラの跡は無くなった。一方通行の跡のようだったので、予期せぬ雪のために工事を終了して、工事車両を下山させたようである。山頂部にアンテナ施設がある場合には、保守のために雪上車が入ることもあるが、南蛮山にはそのような施設はないので、キャタピラ跡は、今回だけの幸運であったようである。
 バージンスノーに足を踏み入れると、やはり潜る状態で、スピードはがた落ちになった。南蛮峠に続く道との分岐の先から、南蛮山の山頂に続く尾根が始まっているが、藪が目立っていたので、そのまま林道歩きを続けた。もう一つの目的の大峰山方面の偵察を行うためにも、林道をもう少し進む必要がある。
 林道がヘアピンカーブ状態で折り返す所を、大峰山へはそのまま直進する。大峰山方面に林道が続いているのが目にとまった。林道は雪に覆われて、谷に向かっての斜面になっている所もあった。尾根通しに歩く方が安全のようであったが、667mピークへの取り付きが急なようであった。大峰山への周回の時には、雪の状態にもよると思うが、ここをどのように通過するのかが問題になりそうであった。
 折り返すと、正面に南蛮山の山頂が迫り、右手にあずまやが現れた。雪に覆われた長岡の市街地の眺めも広がった。突然に、スノーシューの跡に出会った。横枕方面から登ってきたようであるが、南蛮山の山頂には寄らずに、あずまやから引き返していた。この方面の除雪終点は、グリーンヒル長岡ゴルフ倶楽部との分岐付近であろうから、竹之高地からと比べると、距離も標高差もかなりある。
 林道を離れると雑木林の登りになるが、雪も柔らかく、木の枝を避ける必要もあり、苦労の多い歩きになった。
 林道から見えていたのは、手前の高まりで、山頂は少し奥にある。藪に囲まれた山頂であったが、鋸山から萱峠、猿倉岳にかけての稜線の眺めが広がっていた。キャタピラ跡に助けられて、体力の消耗もさほど無く登頂できた。腰を下ろして、ビールで乾杯。といっても下山にはそれほど時間はかからないので、ノンアルコールビールを用意してあった。一気に飲むと、喉越しはビールに似た感じはするが、酔いは来ないので、なにかだまされた気もする。
 下山は、登りの際に目にとまった、ヘアピンカーブから200mほど進んだ所の杉林の広がる尾根を下ることにした。雪もほどほどに柔らかく、下りやすい状態であった。途中で、左手に分かれる枝尾根を下って、谷間の雪原に下り立った。谷間にはコンクリートで固められた導水路が続いているようで、割れ目が見えていたため、谷の上部で横断して左岸に移った。谷間を下ると、すぐに林道のカーブ地点に出ることができた。スノーシュー歩きは、地図と現地の地形を判断してコース変更するのも楽しい。
 南蛮山は、スノーシュー歩きの定番コースになりそうである。

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