茶臼山、縞枯山、天狗岳、ニュウ

茶臼山、縞枯山
天狗岳、ニュウ


【日時】 2009年9月12日(土)〜13日(日) 前夜発1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 5日:雨 6日:曇り後晴

【山域】 南八ヶ岳
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 茶臼山・ちゃうすやま・2385m・なし・長野県
 縞枯山・しまがれやま・2403m・なし・長野県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長野/蓼科山/蓼科、蓼科山
【コース】 麦草峠より
【ガイド】 山と高原地図「八ヶ岳・蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰」(昭文社)
【温泉】 石遊の湯 600円(ボディーシャンプーのみ)

【山域】 南八ヶ岳
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 丸山・まるやま・2329.6m・三等三角点・長野県
 中山・なかやま・2496m・なし・長野県
 東天狗岳・ひがしてんぐだけ・2640m・長野県
 西天狗岳・にしてんぐだけ・2645.8m・長野県
 ニュウ・にゅう・2351.9m・三等三角点・長野県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長野/蓼科山/蓼科
【コース】 麦草峠より
【ガイド】 山と高原地図「八ヶ岳・蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰」(昭文社)

【時間記録】
9月11日(金) 18:00 新潟=(北陸自動車道、上信越自動車道 経由)=23:30 東部湯の丸SA  (車中泊)
9月12日(土) 5:30 東部湯の丸SA=(上信越自動車道、佐久IC、R.141、R.299 経由)=7:00 麦草峠駐車場〜7:35 発―7:50 大石峠―8:03 大小場―8:28 茶臼山―9:10 縞枯山―9:31 雨池峠―9:51 大石川林道―11:05 麦草峠駐車場  (車中泊)
9月13日(日) 6:05 麦草峠駐車場―6:48 丸山―7:02 高見石小屋―8:08 中山―8:18 ニュウ分岐―8:28 中山峠―9:04 黒百合平分岐―9:18 東天狗岳―9:38 西天狗岳〜9:54 発―10:05 東天狗岳―10:15 黒百合平分岐―11:03 黒百合平―11:10 中山峠―11:24 ニュウ分岐―12:10 ニュウ―13:02 白駒池―13:50 麦草峠駐車場=(R.299、R.152、諏訪IC、中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道、北陸自動車道 経由)=18:50 新潟
 八ヶ岳は、北部と南部では山容が異なるため、北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けて扱われることが多い。南八ヶ岳が険しい岩峰を連ねた登攀的な山なのに対し、北八ヶ岳は針葉樹の原生林に池塘や草原、岩峰を点在させた逍遙的な山である。
 北八ヶ岳は、中央を国道299号線が横断しており、その最高点の麦草峠から南北に登山道が延び、北には茶臼山を経て縞枯山、北横岳へと続いている。南には、丸山、中山、天狗岳と連なり、南八ヶ岳に続いている。
 天狗岳は、原生林に覆われた北八ヶ岳にありながら、南八ヶ岳のようなアルペン的風景を楽しむことのできる山である。山頂は、縦走路上にある東天狗岳と、最高点で三角点の置かれた西天狗岳の東西二峰に分れている。東天狗岳に天狗岩と呼ばれる岩塔があり、これが名前の由来となっている。
 先週、薬師岳でようやくテント泊を行うことができたが、この週末は、またしても悪天候の予報がでた。かろうじて、長野県で天気が早めに回復しそうであった。考えた末、北八ヶ岳を歩くことにした。北八ヶ岳は、ピラタスロープウェイから北横岳と縞枯山、稲子温泉から天狗岳、ニュウを歩いているが、麦草峠からは歩いていない。歩いた主稜線を南北に延ばすためにも麦草峠から歩く必要がある。
 東部湯の丸SAで夜を明かし、起きだした土曜日の朝は曇り空ながら周囲の山の稜線は見えていた。これならなんとかなるかと思って、麦草峠をめざした。麦草峠は、国道が通っている高さ第二位の峠である。なお、第一位は渋峠である。佐久と諏訪を結んでおり、麦草峠へは諏訪から入った方が距離的には近いようであるが、佐久方面で悪天候の際の予備の山を考えていたため、佐久方面からのアプローチになった。二車線のドライブには問題の無い道が続いた。
 麦草峠には、佐久よりに無料の駐車場が設けられている。天気予報があまり良くないため、数代の車が停まっているだけであった。ガスが垂れこめて、山の眺めは閉ざされていた。
 麦草ヒュッテの前まで車道を歩くと、縞枯山への登山道が始まっている。登山道に進むと、茶水池があり、分岐となった。縞枯山へは左の道に進む。右の道は帰りに使う雨池に通じる道である。
 シラビソなどの針葉樹に囲まれた道が続いた。ひと歩きで、大石峠に到着した。緩やかな登りを続けると、小ピークの中小場に到着した。冷たいガスが流れて、展望は閉ざされていた。
 急な登りを続けていくと台地状の山頂を持つ茶臼山に到着した。雨が降り出したが、小振りであったので、雨具の上着だけを着た。一旦下ってから縞枯山への登りになる。
 ひと登りで分岐に出た。右手の道に進んでみると露岩の高まりに出た。展望地のようであったが、眺めは閉ざされていた。  その先は、ほぼ平坦な稜線歩きが続いた。登山道周囲は、シラビソやオオシラビソの針葉樹帯になっていたが、立ち枯れしているものも多かった。縞枯現象は、様々な原因が組み合わさっているようだが、森林の更新様式の一つのようである。
 縞枯山の山頂も、木立に囲まれて、ぱっとしない場所である。山頂標識の写真を撮って、雨池峠への下山に移った。登山道には岩が露出しており、歩きにくい道であった。
 雨池峠からは、雨池に向かった。ピラタスロープウェイ山頂駅経由でも、麦草峠に戻れるのだが、雨池を見ようかと思ってのコース選択であった。
 雨池峠からの下りも、大石が露出した歩きにくい道である。雨も激しくなって、石の間には水溜りができてしまった。雨具のズボンを履くタイミングを失って、下半身はあっという間にずぶぬれになってしまった。
 大石山林道に下り立って、ようやく傘をさしながら歩くことができるようになった。激しい雨のため、濡れた体が冷たくなってきた。雨池によるのは諦めて、麦草峠へ急ぐことにした。この林道は、先回の北横岳訪問の際に歩いているが、雨池から引き返してしまっている。結構長い歩きが続いた。
 林道から分かれればすぐかと思っていたが、登り返しもあり、針葉樹帯の歩きをもう少し頑張る必要があった。ピラタスロープウェイ山頂駅経由の方が楽だったかもしれない。 ずぶぬれになって麦草峠の駐車場に戻った。温泉で暖まりたく、諏訪側に下りて、石遊の湯に入った。コンビニで食料を買い込み、再び麦草峠に戻った。麦草峠の駐車場は、車の出入りが激しそうなので、少し離れたところの駐車場で夜を過ごした。眠りにつくまで、激しい雨が続いていた。
 朝になって、麦草峠の駐車場に移動した。早朝にもかかわらず、10台以上の車が停まっていた。雨は上がっていたものの、風が強く、前日の雨の影響も考えて雨具の上下を着こんだ。
 駐車場からは、麦草ヒュッテ前まで遊歩道が設けられている。ヒュッテ脇の草地をひと登りすると、丸山と白駒池方面の分岐になる。白駒池を回ってから帰る予定で、まずは丸山を目指した。朝一番の急坂とあって、息も切れてきた。
 小ピークを越えると、丸山への本格的な登りが続いた。地形図では大きなカーブを描きながら上がっていくが、実際にはほぼ直線的な登りが続いた。丸山の三角点は、針葉樹林に囲まれた台地の中央に置かれていたが、山頂標識は少し進んだ高見石小屋への下り口にあった。眺めが開けているようであったが、暑い雲が垂れこめていた。
 丸山から高見石小屋へは、僅かな下りであったが、雨上がりとあって登山道を覆う大石が滑って歩きにくかった。
 高見石小屋の手前と小屋前からの二本の登山道が白駒池に通じており、白駒池は人気スポットになっているようである。
 白駒池へは、来た道を戻ってくるかニュウ経由で入るかは決めていなかったが、まずは先へと進んだ。中山へはだらだらの登りが続いた。針葉樹に囲まれているのは北八ヶ岳の特徴であるのでしかたがないとしても、登山道上の土が雨で流されたためか、石が露出して歩きにくい道が続いた。
 傾斜が緩んで山頂到着かと思ったが、手前の偽ピークで、もうひと頑張りして中山に到着した。丸山や中山は、2000mを遥かに越えた高さを持っているが、高山といった趣はない。
 中山から下っていくと、ニュウとの分岐に出て、その先で中山峠に到着した。ここには、稲子湯と黒百合ヒュッテからの道が登ってきており、十字路になっている。
 この先は、本格的な登りが始まった。崖の縁を辿っていくと、高く聳える天狗岳が目の前に迫ってきた。岩を乗り越えるような急な登りになった。下山してくる登山者ともすれ違うようになったが、軽装で足もそう早くはなさそうな中高年であったので、時間的にみて、黒百合ヒュッテ泊りの登山者であろうか。前日の雨の中、小屋まで歩いたのは、頑張っている。急坂の途中振り返ると、ガスが切れて、黒百合平や中山の眺めが開けてきた。天気は回復してきているようであった。
 黒百合ヒュッテからの登山道が合さると、岩峰の下を巻いていく登りになり、最後のひと頑張りで東天狗岳の山頂に到着した。山頂は、雲に覆われて展望は閉ざされており、風も強かったため、山頂標識の写真を撮っただけで、西天狗岳へと進んだ。
 西天狗岳へはガレ場を下るため、ガスで視界が閉ざされていると、方向を良く見定める必要があった。東天狗岳から下ったぶんを登り返すと、西天狗岳の山頂に到着した。西天狗岳の山頂は、土が露出した広場になっており、休むのに良い地形になっていた。数名の登山者が、風の当たらない灌木の陰に腰をおろして休んでいた。
 ガスが切れないかと期待してしばらく山頂で休んだが、展望は開けなかった。2500m近くの標高が天候の回復を遅らせているようである。
 東天狗岳に戻り、天狗の庭経由で下山した。先回天狗岳に登ったのは1994年であるのでかなりの時間が経ってしまっているが、それでも天狗の奥庭付近は、大岩を伝い歩くことになって、歩きにくかったことを覚えている。小ピークの上に出て振り返ると、山頂を覆うガスもかなり薄らいできていた。
 最後に急坂を下ると、黒百合ヒュッテ前に出た。ヒュッテ前の広場では、登山者が昼食をとっていたが、夏山も終わり、秋山には少し早い時期とあって、静かな雰囲気が漂っていた。
 木道を歩いていくと中山峠に戻ることができた。来た道を引き返していくと、崖の縁で展望が開ける所があり、天狗岳の山頂が姿を現していた。天気が回復してきたことから、展望ピークのニュウ経由で下山することにした。
 しばらくは、右手が崖になった稜線の緩やかな下りが続いた。ニュウは、針葉樹林帯の中から頭を持ち上げた小岩峰である。白駒池への道から分かれて、団体と入れ違うように山頂を目指した。
 ニュウの山頂は岩が積み重なり、遮るもののない展望が広がっている。緑の森の中に水面をきらめかす白駒池がまず目を引いた。その向こうには、前日登った茶臼岳や縞枯山を望むことができた。天狗岳もはっきりと姿を現し、その奥には硫黄岳があらあらしい姿を見せていた。その左手には、富士山が大きく姿を現していた。東には奥秩父の山々が連なっていた。展望を楽しむことのできる山頂ではあるが、人気のピークのようで、団体が登ってくるのを見て下山にうつった。
 白駒池への下りは、比較的歩きやすい道が続いた。白駒湿原を過ぎると、白駒池の南岸に出た。時計回りに歩いて白駒荘に出ると、池の眺めも広がった。その後は、砂利も敷かれた遊歩道となり、有料駐車場手前から麦草峠への遊歩道に進んだ。
 駐車場に戻ると、車で満杯状態になっており、麦草峠付近は登山者に大人気であることが判った。
 高速に乗るのに近い諏訪に向かって山を下りたが、茅野付近で渋滞に巻き込まれた。上田に出ても渋滞はあったかもしれないが、最近では高速に乗る前の渋滞の可能性を考える必要がある。

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