黒姫山

黒姫山


【日時】 2009年7月25日(土) 前夜発2泊1日 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 戸隠周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 黒姫山・くろひめやま・2052m・二等三角点・長野県
【コース】 大橋登山口
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/戸隠/若槻
【ガイド】 長野県北信・東信日帰りの山(章文社)、分県登山ガイド「長野県の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「妙高・戸隠」(昭文社)

【時間記録】
7月24日(金) 19:00 新潟=(北陸自動車道、上信越自動車道 経由)=22:00 妙高SA  (車中泊)
7月25日(土) 5:30 妙高SA=(上信越自動車道、信濃町IC、柏原 経由)=6:10 大橋登山口〜6:25 発―7:30 新道分岐―8:03 大ダルミ―8:26 西登山道入口―8:52 天狗岩―9:46 峰の大池―9:55 七ツ池入口〜10:15 発―10:40 稜線上分岐―10:52 黒姫山〜11:05 発―11:14 稜線上分岐―11:32 しらたま平―12:02 しなの木―12:24 新道分岐―13:08 古池―13:48 古池登山口―13:54 大橋登山口=(往路を戻る)=16:40 新潟
 黒姫山は、コニーデ型火山で信濃富士と呼ばれる美しい形をしている。北信五岳のひとつで、飯縄山と向かい合っている。

 梅雨が明けず、各地に雨の予報が出ている中で、長野県は曇りのようである。日帰りで黒姫山を登ることにした。以前に登ってからかなりの時間が経っていることに加えて、隣の佐渡山の残雪登山の偵察を行っておきたかった。
 新潟を早朝出発しても間に合うのだが、前夜発とした。柏原から戸隠に向かう県道に進むと、最初に古池の登山口に出て、その先で大橋登山口に到着した。広場になっていたが、水溜りができており、駐車場所は限られていた。下山後の古池登山口の狭い駐車スペースは一杯になっていたので、周回するならば、大橋登山口に車を置いた方が良さそうである。
 入口にゲートが置かれた大橋林道を歩きだす。しばらくは幅広の林道歩きが続いた後に、登山道が分かれた。車の中で朝食をとっている間に先行していった子供グループが休んでいた。黒姫山登山を目指していたのかどうかは判らないが、その後このグループに出会うことはなかった。
 カラ松の植林地の中の登りになったが、ひと登りで再び林道に飛び出した。林道を歩いていくと、新道分岐に出た。ここは、古池からの登山道も合わさって十字路になっている。
 今回は、林道をそのまま進んで西登山口を目指した。巻き道を進んでいくと、沢を渡って、佐渡山の東によりそう1738mピークの下に出た。林道の幅も広いので、残雪期に辿ってここまで進むこともできそうだし、沢の谷間も深くはないので、適当な所で沢を横断することも可能なようであった。
 1738mピークの下を進むと、黒姫山との鞍部になる大ダルミに出た。湿原が広がり、キンコウカやコバギボウシの花が咲いていた。かなりの広さを持つ湿原だが、笹藪を切り開いた展望地は一か所で、覗き込むだけであったのは残念であった。湿原の奥には、黒姫山が広がっていたが、山頂部は雲に覆われていた。
 大ダルミの湿原の脇を通り過ぎた後は、しばらく山腹を巻いていく道が続く。三叉路に出るが、ここが笹が峰へ続く林道跡から分かれる西登山口である。その先もしばらくは巻き道が続くが、突然といった感じで、急な登りが始まった。前日の雨で登山道は泥だらけになっており、最近刈り払われた笹が登山道を覆って、水たまりに足をつっこむことも多くなった。
 大岩を乗り越えたり、その間をすり抜けたりする難所が現れた。天狗岩という看板が、木にかけられていた。西登山口までは緩やかな登りが続いたのだが、一転して大汗をかきながらの登りになった。
 鞍部を越すと、ようやく緩やかな登りになって、黒姫山の外輪山と中央丘陵の御巣鷹山の間に広がる窪地に入った。コメツガの針葉樹林の下には、花の時期は終わっていたが、オサバグサの群落が広がっていた。最近では、南会津の帝釈山のオサバグサが有名になっっているが、この黒姫山のオサバグサは、訪れるのもなかなか難しい場所なので、花を目当てに訪れる者は少ないであろう。
 見晴らしの利かない樹林の中を進むと、峰の大池の畔に出た。連日の雨のせいか、満々と水をたてていた。霧が垂れこめ、湖面の広がりだけが見えていた。
 この池には、昔、中野の城主の娘に美しい黒姫という娘がおり、実はこの山の主の大蛇である若武者がこの姫に懸想した。その正体が見破られた時、姫は山頂の大池に身を投げたという伝説が伝えられている。
 山頂への道が別れた先で、七ツ池に出た。笹原の広がる窪地で、小さな池塘が点在していた。周囲の展望が開けていれば、気持ちの良いところのようであるが、周囲の眺めは閉ざされていた。
 分岐に戻ってから山頂への道に進んだ。足場の悪い急登が続いた。夫婦連れとすれ違ったが、西登山口に下ろうとすると、苦労をしそうな足取りであった。
 地形図の破線とは違って、山頂に直接登り詰めるのではなく、南西部の小ピークとの鞍部に登りついた。
 外輪山の稜線伝いに歩いていくと、黒姫山の山頂に到着した。入れ違いのように、単独行が下山していき、独りだけの山頂になった。山頂には石積みの小山があり、その上に石の祠が置かれていた。山頂の二等三角点は亡失とのことだが、盤石らしい平たい石が土の上に姿を現していた。
 風が強かったものの、気温はさほど低くはなかったので、北側に回り込んで腰をおろして昼食をとった。小さな羽虫が地面や木にびっしり群がっており、ザックやズボンにも取り付いてきた。刺すような悪さをするわけでもないが、気持ちは良いものではなかった。 下山に移ると、登山者にも出会うようになった。ガレ場になっており、展望が広がるらしいしらたま平もガスの中であった。木立に囲まれて展望の無い道をたんたんと下ることになった。下りの途中には、しなの木と標識が置かれた小広場があった。
 新道分岐に出て、古池への道に進んだ。少し巻き道を進んだ後に、地図よりも手前で下降を開始した。
 古池の北の湖畔に出て、南の水門へと反時計回りに進んだ。池は青空をうつしていたが、山の山頂部は雲に覆われたままであった。
 雨乞いに使われた種池にも寄り道をし、もうひと歩きすると、古池登山口に出た。後は、車道歩き僅かで大橋登山口に戻ることができた。
 ぬかるみでズボンは泥だらけになっており、明日の天気も良くはなさそうなので、家に戻ることにした。

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