尾瀬ヶ原、白笹山、南月山、茶臼岳

尾瀬ヶ原
白笹山、南月山、茶臼岳


【日時】 2009年6月6日(土)〜7日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 6日:曇り後雨 7日:曇り

【山域】 尾瀬
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 尾瀬ヶ原・おぜがはら・1400m・無し・群馬県、福島県、新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/燧ヶ岳、藤原/会津駒ヶ岳、燧ヶ岳、尾瀬ヶ原
【コース】 小沢平より
【ガイド】 山と高原地図「尾瀬」(昭文社)
【温泉】 駒の湯 500円

【山域】 那須連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 白笹山・しらざさやま・1719m・無し・栃木県
 南月山・みなみがっさん・1775.8m・二等三角点・栃木県
 茶臼岳・ちゃうすだけ・1915m・なし・栃木県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/那須岳/那須岳
【コース】 沼原より
【ガイド】 分県登山ガイド「栃木県の山」(山と渓谷社)、栃木の山140(随想社)、山と高原地図「那須・塩原」(昭文社)

【時間記録】
6月5日(金) 19:30 新潟=(関越自動車道、小出IC、奥只見シルバーライン、R.352 経由)=22:50 小沢平  (車中泊)
6月6日(土) 5:25 小沢平―6:44 渋沢温泉小屋―7:43 うさぎ田代分岐―9:10 温泉小屋―9:50 下田代十字路―10:20 竜宮十字路〜10:52 発―11:29 中田代三叉路―12:19 東電小屋―13:02 温泉小屋―13:43 うさぎ田代分岐―14:36 渋沢温泉小屋―15:50 小沢平=(R.352、貝鳴、R.121、上三依、R.400、関谷、戸田、板室 経由)=20:40 沼原駐車場
6月7日(日) 7:00 沼原駐車場―8:32 白笹山―9:15 南月山―9:38 日の出平―9:53 牛ヶ首―10:42 茶臼岳―11:12 峰の茶屋分岐―11:28 牛ヶ首分岐―11:46 姥ヶ平〜12:02 発―12:25 三斗小屋分岐―14:01 沼原駐車場=(板室、一軒茶屋、那須IC、東北自動車道、磐越自動車道 経由)=19:10 新潟
 尾瀬ヶ原は、群馬県、福島県、新潟県の三県にまたがり、約1400mの標高に、東西約6km、南北約1kmにわたって広がる本州最大の湿原である。尾瀬ヶ原は、季節を変えて、ミズバショウやニッコウキスゲを代表とする高山植物や紅葉に彩られ、訪れる登山者が絶えない。

 那須連峰は、現在でも噴煙を上げる活火山の茶臼岳、那須穂高とも呼ばれる朝日岳、最高峰の三本槍岳が有名であるが、その南端に南月山と白笹山がある。南月山は、なだらかな姿をしているが、かって月山と呼ばれた茶臼岳の南にあることから南月山と呼ばれている。沼原から茶臼岳へのコースは、沼原湿原や姥ヶ原などの見所が多く、ロープウェイを利用した登山者で賑わう茶臼岳山頂とは対照的な、静かな山歩きを楽しむことができる。

 梅雨の時期も近付き、ここのところ週末ごとに雨模様に天気が続いている。雨の中でも歩ける山として尾瀬に出かけることにした。ミズバショウの季節とあって、登山者も多い時期であるが、それでも静かなコースとして、小沢平から渋沢温泉小屋経由で歩くことにした。
 翌日は、南会津か那須方面の山を登ることにして、幾つかの候補を考えて出発した。
 小出から銀山平を経て小沢平に向かった。奥只見湖沿いのR.252は、カーブの連続する難コースであるが、以前よりは道路も整備されており、夜間は対向車が判りやすいのでむしろ走りやすい。もっとも、この日は、対向車には一台もすれ違わなかった。
 小沢平からのコースは、昨年の10月11日に歩いており、記憶もまだ新しい。昨年はブナ林の紅葉が美しかったが、初夏の今頃はどのようなものか興味がある。
 登山口の広場には、三台の車が置かれていたが、登山者には出会わなかったので、釣り客のものかもしれない。
 僅かに下ると、只見川沿いの道になり、周囲にはブナの原生林が広がる。新緑の時期も過ぎて、緑も濃くなっていた。地図とは異なり、斜面の中腹まで登って、再び緩やかに下っていく。そのため、帰りも登りが現れて、最後の力を振り絞ることになる。不動滝の標識を通過し、河原に向かって下っていくと、シボ沢に出る。上の橋は傾いているとのことで、下にもう一本の橋が掛けられているので、こちらを渡る。見下ろす沢は、温泉の影響か、白く濁っている。
 沢を渡ってからの登りの途中で、谷奥に渋沢温泉小屋が目に飛び込んでくる。ひと登りするとT字路に出て、左に進めばすぐ先が渋沢温泉小屋であるが、尾瀬ヶ原には右に進む。ここまでが、第一目標地点であるが、アップダウンもあり、意外に疲れる。
 ここからは本格的な登りが始まる。登山者がほとんどいない割には、良く整備されている。落ち葉を踏む道は、木道歩きよりは足に優しい。
 この区間もブナ林は見事である。花は思ったよりも少ないので、このコースの一番のお勧めは紅葉の季節のようである。
 標高差150mほどのつづら折りの登りを終えると、台地の緩やかな登りになる。その後、トラバース道になってから、急坂をひと登りするとうさぎ田代手前の分岐に到着する。尾瀬ヶ原のいっかくということで、この先は登山者にも出会うようになった。うさぎ田代をのぞいてみたが、ショウジョウバカマが見られるほどで、花は少なかった。
 三条の滝は省略し、段吉新道に進んだ。ブナ林の中に続く道であるが、花も多くなった。今回の目的のトガクシショウマも盛りの花に出会うことができた。
 温泉小屋に出ると、リュウキンカで黄色に染め上げられた原の眺めが飛び込んできた。ミズバショウは終わりに近く、タテヤマリンドウが多く咲いて、季節は夏に近づいていた。
 下田代十字路に到着すると、登山者は多くなったが、まだ大混雑というほどではなかった。尾瀬ヶ原を見物するため、竜宮小屋に向かった。燧ヶ岳や至仏山の山頂は雲に隠されていたが、中腹から下は見えており、山の眺めという点では許容範囲ということになる。 竜宮十字路のベンチに腰を下ろして、昼食にした。ここまで4時間歩いてきており、喉も乾いていた。
 団体も到着して、うるさくなってきたので、歩き始めた。団体は、鳩待峠から入って、竜宮十字路で引き返しというものが多いようである。ミズバショウの季節とあって、団体が多く入っていたが、時間的な関係もあり、逆方向のため、渋滞に巻き込まれなく歩くことができた。
 六兵衛堀で定番といえる風景を楽しんだ後に、中田代三叉路で折り返して、東電小屋に向かった。この区間は、小さな池塘が点在し、面白い風景を楽しむことができる。
 雲が垂れこめてきたと思ったら、雨が降り出してきた。写真撮影の条件も悪くなったため、足を速めることになった。
 木道歩きが長くなったためか、足が草臥れてきた。下田代十字路から中田代三叉路までは直線で2.5kmあり、竜宮側は曲がっているので3kmほどある。尾瀬ヶ原を一周する木道歩きは、足が意外に疲れる。
 雨も本降りになり、温泉小屋の手前で雨具を着込むことになった。帰りにもトガクシショウマの撮影と思っていたが、カメラも仕舞いこんで、歩きに専念することになった。
 渋沢温泉小屋までは、足任せに下れるが、その後は、登り返しもあり、最後の頑張りが必要になった。日の長い時期なので問題は無いにせよ、夕暮れ近くの遅い下山になった。
 桧枝岐で温泉に入り、とりあえず食堂に入って夕飯を済ませた。元気を取り戻し、ドライブをもうひと頑張りして那須に向かうことにした。那須・塩原方面はツツジが盛りのようである。
 同じ登山口といっても、桧枝岐とは違い、那須は都会といった感じがする。コンビニで買い物をして、沼原への林道に進んだ。二車線幅で、カーブを連続して一気に高度を上げる道である。
 沼原には、広い駐車場が設けられ、昼間には満杯になるが、夜は一台の車が他にあるだけであった。トイレも設けられて、夜を過ごすには都合が良い。
 このコースは、1998年7月5日に歩いており、二度目になるが、記憶は薄れている。目の前にある山が白笹山で、南月山は奥になって見えないようである。
 林道の終点から登山道が始まっていた。しばらくは平坦な道が続いていたが、枯れ沢をパイプと木の板で作られた橋で渡ると、急な登りが始まった。登山道沿いにシロヤシオの花が現れたが、昨晩の強風で花は落ちて、地面を白く覆っていた。花の時期は終わったかと思い、散り残りの花の写真を取りあえず撮って先に進んだ。
 高度をさらに上げていくと、シロヤシオの花も盛りになってきた。白笹山のシロヤシオは麓から山頂まで分布しているため、どこかで満開の花を楽しめるようである。急坂のつづら折りがはじまる頃には、カメラを首から下げて、撮影モードでの歩きになってしまった。山頂が近付くと、シャクナゲの花も現れてきた。
 花を楽しんでいるうちに白笹山の山頂に到着した。山頂は、ツツジの灌木で囲まれて展望はないが、時期によっては、花や紅葉は楽しめそうである。
 白笹山からは一旦下りになり、南月山に続く尾根歩きになる。雲がかかっていたものの、南月山に続く尾根は眺めることができ、気持ちの良い歩きになった。南月山への登りでも、シロヤシオの花は続いていた。
 南月山の山頂は、南月山神社の祠が置かれていた。山頂標識のある広場の先は、火山性のガレ場が広がっていた。ここまでは緑の樹林帯の中を歩いてきたので、急に樹林相が変わるのに驚かされた。風が強くなり、雨具の上着を着込むことになった。  幅広の尾根を日の出平に向かうと、団体にも多くすれ違うようになった。この先で、ミネザクラがちょっとだけど咲き残っていると、わざわざ教えてくれた人もいた。時期の終わったミネザクラよりも、この先でシロヤシオの花を満喫できると教えてあげたかった。 緩やかに下っていくと、茶臼岳の山頂も、雲の切れ間から眺めることができるようになった。山腹から勢いよく噴出する蒸気にも、目を引き付けられた。
 牛ヶ首分岐では多くの登山者が行きかっていた。茶臼岳に登るため、右回りに登山道を進んだ。緩やかな登りのトラバース道を進むと、ロープウェイ駅からの登山道と合流した。駅からの登山道に人はおらず、強風のため、ロープウェイは運休のようであった。
 山頂に向かっては、ガレ場の急な登りになった。観光も含めて、茶臼岳は三回目になる。強風で足がもつれるような場面もあり、辛い登りになった。このような悪天候でも、登っている者は多かった。峰の茶屋からの登山道を合わせ、もう少し歩いた先が山頂であった。鳥居や祠もあり、信仰の山であることが判る。強風の中、岩陰で休んでいる登山者も結構いた。
 視界も閉ざされているため、お鉢巡りは諦めて、峰の茶屋に向かって下ることにした。その途中でも、泣き叫ぶ子供を連れた家族連れや、赤ん坊を背負ってお鉢巡りコースに向かって歩いていく若夫婦など、危なそうな者を見かけた。那須というと、強風で有名というイメージがあるが、一般にはロープウェイを利用して簡単に登れる山と考えられているのかもしれない。
 峰の茶屋手前の分岐からは、トラバース道で、牛ヶ首に戻ることになった。途中で、火山の噴気孔を眺めることができる面白いコースである。
 牛ヶ首からは、眼下に見える姥ヶ原に下り、そこのベンチで昼食にした。休んでいると、青空が一瞬であるが広がり、茶臼岳の山頂を良く眺めることができた。姥ヶ原一帯はミツバツツジが広がり、紅葉の季節も楽しめそうであった。
 茶臼岳のトラバース道から姥ヶ原を見下ろすと、脇に小さな池があるのに気が付く。姥ヶ原から下りを開始すると、すぐに道が右に分かれる。標識にはひょうたん池と書かれており、池の名前を知ることができた。池までは木道が敷かれていた。池の周囲は木立が広がって、広々とした姿は楽しめなかったが、池越しに茶臼岳の山頂をのぞむことができた。
 分岐に戻り、下りを開始した。三斗小屋への分岐に出て、ここは左の道に進む。しばらくは、小さなアップダウンのあるトラバース道が続き、長く感じられた。ようやく下りが続くようになって、ゴールも近いと、気分的に楽になった。
 駐車場近道の分岐に出るが、ここは直進して沼原湿原に進んだ。人声が近付くと、沼原湿原に到着した。木道が敷かれた湿原に進むと、ズミやタテヤマリンドウが花盛りになっていた。レンゲツツジは、蕾みで、時期が早かった。湿原の向こうには白笹山から南月山にかけてのスカイラインを望むことができたが、山頂部は雲に覆われていた。
 沼原湿原は、駐車場から多くの観光客がやってきていた。湿原から駐車場へはひと汗かくだけの登りがあり、観光客にとっては、きつそうであった。駐車場に戻ると、広い駐車場はほぼ満杯になっていた。
 荷物を片付けていると、湿原はなにも咲いていないので、行っても無駄だと、これから歩きだそうとする者に説明している話が聞こえてきた。ズミやタテヤマリンドウは目に入っていなかったらしい。駐車場脇の園地では、植えられたレンゲツツジが花盛りになっていた。

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