大仏山

大仏山


【日時】 2009年3月16日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雪後曇り

【山域】 南会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大仏山・だいぶつやま・994.4m・三等三角点・福島
【コース】 喰丸峠より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟、日光/宮下、針生、/博士山、大芦
【ガイド】 会津百名山ガイダンス(歴史春秋社)
【温泉】 せいざん荘 300円

【時間記録】 3月14日(土) 20:10 新潟=(磐越自動車道、会津坂下IC、R.252、会津川口、R.400 経由)=23:00 玉梨  (車中泊)
3月15日(日) 6:00 玉梨=(R.400、喰丸、R.401、喰丸トンネル 経由)=7:00 喰丸峠遊歩道入口〜7:50 発―8:42 喰丸峠―10:31 大丸山〜10:45 発―11:58 喰丸峠―12:30 喰丸峠遊歩道入口=(西山、柳津、R.252、会津坂下IC、磐越自動車道 経由)=17:00 新潟
 大仏山は、南会津の中心に位置する昭和村の喰丸集落の背後に聳える山である。会津百名山に選ばれているが、登山道は無い山である。

 日曜日には天気が回復することを期待して雪山に出かけることにした。めざすは会津百名山の大仏山。登山道の無い山なので、雪山として登ることにした。
 暖冬のため、時期を逃すと雪が無くなると思って出かけたのだが、会津坂下で高速道を下りると、道路を雪が覆う吹雪になった。柳津の道の駅で夜を明かすことも考えたが、早朝の路面の凍結が怖く、気温はまだ高いことから、もうひと頑張りすることにした。
 昭和村の喰丸へは、西山を経由するコースが距離的には近いものの、途中で道路が狭いところがある。会津川口からR.400を通ることにした。結果的には、これは正解であった。
 会津川口を通り過ぎて玉梨を過ぎる頃には、道路上の積雪も20センチほどになった。これ以上は危険と判断して、スノーシェッドの脇に屋根付き広場があったので、ここで夜を明かすことにした。
 朝になってみると、雪は昨晩以上には積もっていなかった。轍を切りながら慎重に車を走らせていくと、除雪車に出会い、その後の走りは楽になった。
 大丸山は、喰丸の集落の山である。車を止めてみると、前ピークの後ろに丸い山頂を見せているのが、大丸山のようであった。喰丸から直接登るには急斜面なため、今回は喰丸峠から稜線伝いに登ることにした。
 R.401に入り、坂を登っていくと、喰丸峠の入口が現れる。駐車スペースは雪に埋もれていたため、喰丸トンネルを抜けて、北側から登り始めることにした。
 地図にも破線が記されている遊歩道入口に到着してみると、除雪された広場になっていた。この遊歩道入口にも、古びて消えかかった看板が置かれていた。登山口には到着したものの、吹雪が続いていたため、しばらく様子見をしたから歩きだすことになった。
 スノーシューを履いて歩きだすと、新雪のために、一歩ずつ体力を消耗する状態であった。予期しなかった前夜の雪が、登山にも影響を及ぼしていた。
 遊歩道といっても、一面の雪原で、どのように続いているのか、見当がつかなかった。道路は見分けられたので、これを歩き始めたが、方向が違っていた。送電線が続いていたので、電柱を追ったが、これも逸れていった。アンテナ施設の鉄塔下に戻ると、杉林の中に続く林道が見つかり、これが遊歩道の始まりであった。車道からは、この鉄塔をまず目指せば良いことになる。
 しばらくは山裾を回り込む歩きが続いた。谷奥に方向を変えるが、杉の植林地の中を進むようになって、道を見分けるのも細心の注意が必要になった。
 急斜面に変わると、左右の沢の間をジグザグに登っていく道になった。直登は大変なので、道を外さないようにしながら、遊歩道を辿った。
 傾斜が緩んでから奥に進むと、切り通し状の峠に出た。道は反対側に続いているようで、標識らしき柱の頭だけが雪の上に出ていた。ここが喰丸峠のようであった。
 遊歩道から分かれて、ここから大仏山に向かう。ひと登りすると、稜線上に標柱が現れた。鍵金と博士という字が読み取れた。これは麓の集落名ではなく、鍵金山と博士山を示しているのだろうか。峠からこの付近まで遊歩道が延びているのかもしれないが、雪のために道があるのかは判らなかった。  稜線上の木立ちは、二次林のようで、細い木ばかりであった。幸い、邪魔になる藪はなく、木立の間隔も開いていた。雪の状態も、風上側は雪が飛んで固い雪面が出て歩きやすくなってきた。標高が上がるにつれて、霧氷の林に変わっていった。
 尾根の分岐に注意しながら小さなピーク越えていくと、962mの前ピークへの急斜面が現れた。木の枝が邪魔しているところもあったが、なんとかピークの上に出た。このピークは灌木が少しうるさく、下り口は、藪をかき分ける状態になった。もっとも、クラスト状態でスノーシューが滑りやすく、急斜面であったので、この藪はかえって役に立った。
 鞍部越しに眺めると、大丸山への最後の急斜面が待ち構えていた。大丸山の山頂付近は、太いブナ林が広がるようになった。クラストした硬い雪面になったので、スノーシューを脱いでキックステップと考えたが、数歩に一回は潜る状態で、再びスノーシューを履いた。スノーシューは装着が簡単なのは、このような時に助かる。
 急斜面を登り切り、左寄りに台地を進んで到着した高まりが大丸山の山頂であった。木立に囲まれて展望は無さそうな山頂であった。雪もちらつき、周囲の木立ちは霧氷に白く染まっていた。寒いため、少し戻ってから昼食にした。
 下山は、前ピークを越すまでは慎重に歩く必要もあったが、その後は、気楽なスノーシュー歩きになった。喰丸峠を過ぎてからのつづら折りは、下に見えるトレースを確認しては、急斜面を一気に下ってショートカットした。
 思わぬ新雪で苦労したが、会津百名山を一山終えることができた。残りもだいぶ少なくなってきた。
 体も冷えたため、西山温泉で暖まるのを楽しみに車を走らせた。
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