三ノ倉山、円ノ花山、黒岩山

三ノ倉山、円ノ花山
黒岩山


【日時】 2009年2月21日(土) 日帰り
【メンバー】 21日:単独行 22日:6名
【天候】 21日:雪時々曇り 22日:晴

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三ノ倉山・さんのくらやま・1008.3m・二等三角点・福島県
 円ノ花山・えんのはなやま・808m・なし・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/熱塩/加納、川入
【コース】 三ノ倉スキー場
【リフト代】 200円
【ガイド】 なし
【温泉】 蔵の湯 500円

【山域】 南会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
黒岩山・くろいわやま・1438m・なし・福島県
【地形図】 20万/5万/2.5万】 日光/針生、糸沢/会津山口、松戸原
【コース】 駒止トンネル入口
【ガイド】 なし
【温泉】 弥五島温泉郷の湯 300円(石鹸なし)

【時間記録】
2月21日(土) 6:20 新潟=(磐越自動車道、会津坂下IC、R.252、会津坂下、R.121、喜多方 経由)=8:30 三ノ倉スキー場下〜9:30 発―9:44 リフト上―11:50 峠―11:14 三ノ倉山―11:53 峠―12:12 あずまや―12:32 円ノ花山―12:47 あずまや―13:43 三ノ倉スキー場下=(喜多方、R.121、会津坂下、会津本郷、大戸町、R.118、湯野上、R.121、会津田島、R.289 経由)=17:00 会津高原台倉スキー場入口  (車中泊)
2月22日(日) 8:10 駒止トンネル入口―9:53 1311.7m三角点左の台地―10:42 1357m点―11:06 黒岩湿原―11:23 1403m点―12:16 黒岩山(1438m)〜12:37 発―13:08 1403m点―13:19 黒岩湿原―14:19 1311.7m三角点左の台地―14:49 駒止トンネル入口=(R.289、会津田島、R.121、湯野上、R.118、大戸町、会津本郷、新鶴PA、磐越自動車道 経由)=18:30 新潟
 三ノ倉山は、飯豊連峰の三国岳から東に赤崩山、大塚山を経て飯森山に続く県境尾根の大塚山の東から南に派生する尾根の末端部にある山である。円ノ花山は、三ノ倉山の南に位置するピークである。両山の中間部を林道が通過しているが、冬季は山麓に広がる三ノ倉スキー場上部から登ることができる。

 黒岩山は、国道289号線で会津田島から山口に行く途中にある台鞍山スキー場の南にあるピークである。山頂部一帯は、台地状になっており、地図における山名もいくつか連なるピークの間に書かれている。

 ようやく週末二日間の山行に復帰でき、宇都宮グループの黒岩山山行に参加することにした。黒岩山は、会津田島の西にあるピークのため、土曜日の山も会津方面で考えることになった。土曜日の天気は悪そうで、翌日のために体力を温存しておく必要もある。
 飯豊の端山で適当なピークを捜していくと、熱塩温泉の西にある三ノ倉山と円ノ花山という二つのピークに目がとまった。地図には名前が書かれていないが、リフトが二本かかっている。ネットで調べると、三ノ倉スキー場という名前で、「日本一好いてるスキー場」をキャッチフレーズにしているという。ファミリー向きのゲレンデで、リフトに乗れなかった場合でも、ゲレンデ歩きをとがめられることはなさそうであった。登山の報告はないようであるが、スノーシュー歩きに良さそうなので、この山に決めた。
 二つ玉低気圧が東に抜けて発達し、土曜日は荒れ模様の天気になりそうであった。磐越自動車道から会津坂下に出た時は、風は強いものの、道路は乾いていた。ところが、喜多方に向かうにつれて、本格的な吹雪になり、前が見えずに路肩スペースでしばらく様子見をする必要も出てきた。熱塩温泉先からのアクセス道路も、圧雪状態で、一旦止まると再び車を発進できなくなる恐れが出てきた。幸い、良い道路が設けられていたので、ゲレンデ上部の駐車場に入ることができた。
 吹雪の中でも、リフトは運転していた。駐車場で他の車を見ると、スノーシューをザックに付けた者が目に付いた。ザックをかついて歩きだしていく者が何人もいた。スノーシュー歩きを推奨しているスキー場なのかと不思議に思った。ゲレンデのコースを確かめるために、ロッジに入ると、二階のロビーで、わかん歩き体験ツアーの募集を行っていた。1500円の会費で、リフト終点から825.4m三角点ピークを回って下山してくるようであった。脇には、木のわかんが積み上げてあった。スノーシューは、自前の装備の参加者のようであった。スキー場のアナウンスでも、登山者が乗るためリフトのスピードを落とすので迷惑をおかけしますと放送していた。
 念のために、切符売り場で、スノーシューでも乗せてもらえるかと聞くと、いいはずだけどと自信なげな返事が返ってきた。スキーでないと乗せない理由が思いつかないようであった。200円で切符を一枚かった。駐車場は無料なので、アクセス道路の除雪を考えれば、これだけの出費では申し訳ない気もする。
 リフトを下りると、すぐ上を林道が走っていた。スノーシューを履いて、まずは三ノ倉山を目指すことにした。林道の上には新雪が積もって、20センチほどは潜る歩きになった。下には硬い雪があるので、体力を使うといっても、進めなくなるというほどではなかった。
 北に100mほど進むと峠になって、ここから三ノ倉山への尾根に取り付く。杉林を抜けると、雑木林に変わった。木の間隔も開いており、スノーシュー歩きには問題のないコースであった。風は強く、時折地吹雪状態になった。
 949m点手前の小ピークで方向が変わり、一旦下りになる。北西尾根に引きずり込まれないように注意が必要である。その先は緩やかな登りで、山頂台地の一画に到着する。一面の雪原が広がっていた。天気も目まぐるしく変わり、この時には日もさして、雪を纏った白い林の風景が広がった。
 台地を抜けて三ノ倉山の山頂を目指すのは、小さな起伏もあって方向決めが難しかった。このような地形では、やはりGPSが頼りになる。
 三ノ倉山の山頂は、木立に囲まれたなだらかな高まりであった。山頂を示すようなテープ類はなかった。
 新雪を蹴散らせながらの下りは楽しい。あっという間に峠に戻り、今度は尾根沿いに円ノ花を目指した。わかん体験ツアーのトレースが残されていたが、早くも雪に覆われ初めていた。尾根には雪庇も張り出して、本格的な雪山の様相を見せていた。
 ひと登りして到着した825.4m三角点ピーク(点名・梨木平)には、あずまやがあり、吹き流しが設けられていた。ガスの切れ目からは、スキー場や麓の町の風景が広がっていた。
 目指す円ノ花山もなだらかな山頂を見せていた。わかん隊は南に続く尾根を下っていったので、ここからは再びヴァージンスノーの歩きになった。標高差30mほどを一気に下り、僅かに登り返すと、円ノ花山の山頂に到着した。ナラの木々の間も開いており、開放感のある林が広がっていた。
 三角点ピークに戻り昼食にした。ガスが晴れてきたが、結局磐梯山方面までは見えなかった。おそらく磐梯山の展望ピークだろうと思われる。
 わかん隊のトレースに従って、南尾根を下ることにした。尾根が広がって、左の雪原にコースを変えると、スキーの林間コースになっている林道に飛び出した。夏にはバーベキュー広場になるのか、調理棟やトイレらしき建物が点在していた。
 林道をショートカットした先で、わかんのトレースは、牧場なのか広い雪原が広がる南東に下っていった。遠回りになりそうなため、林間コースをそのまま辿ってゲレンデに出て、後は、ゲレンデ脇を一気に下った。
 三ノ倉山と円ノ花山は、難所もなく、スノーシュー向きのコースであった。スノーシュー入門コースとして紹介されて良いと思う。
 これまでも何回か利用したことのある喜多方道の駅の日帰り温泉施設で入浴と食事をとった後、会津田島に向かった。夕暮れと共に冷え込みが厳しくなり、芦ノ牧温泉付近からは圧雪状態で、車のギヤを落としてののろのろ運転が続いた。湯野上温泉近くのトンネル内では、路面が凍って、二台の車が衝突していた。なぜか、会津田島に入ると、路面は乾いていた。場所によって雪の降り方が大きく違っているのに驚かされた。
 会津田島のコンビニで買い物をして、駒止トンネルをめざした。峠が近づくと、路面は圧雪状態になり、除雪車が出動していた。
 駐車スペースを見つけて夜を過ごしたが、車の中の水が凍る厳しい冷え込みになった。夜の間も除雪車が動いていたようだが、朝になっても、まだ作業が続いていた。作業の邪魔になると悪いので、トンネル手前の広場で、宇都宮からの一行を待った。
 一行は時間より早く到着したので、駒止トンネル入口の駐車スペースに移動した。除雪車がいたので、止めても良いかとたずねると、作業は終わったとのことであった。
 黒岩山の記録は、会津高原たかつえスキー場と台鞍山スキー場を結ぶ1泊2日のスキー山行が、ネット上で見られる。今回は、駒止トンネル入口からの日帰りで黒岩山を往復するという計画である。国道と山の斜面の間には、戸板川が流れているのだが、除雪によって雪が落とされており、スノーブリッジができていた。川には水もあったが、スムーズに流れており、もしかすると暗渠状態になっているのかもしれない。
 スノーブリッジを渡り、川岸の急斜面をひと登りすると、台地に出て、左右に尾根が始まっていた。左手が登りやすそうなので登ったが、途中で急になったので、右手の尾根の方がよかったようである。新雪のため、20センチほどはもぐるものの、まずまず歩きやすい状態であった。
 ひと登りして出た台地を進み、右奧の尾根に取り付いた。この先は、急な登りを頑張ることになった。標高1250m付近まで登ると、木立が密になり、吹き寄せられた雪が段になっており、コースを左右に変える必要がでてきた。
 左手の谷の様子をうかがうと、傾斜もゆるくなって、上に向かって一面の雪原が続いていた。藪から開放されて、雪原の登りになった。背後を振り返ると、飯豊や御神楽岳の眺めが広がっていた。1311.7m三角点ピークの西の台地に登り着いて、最初の難関であった急登から開放された。
 広大な雪原の歩きになり、方向を見定めて無駄の無い歩きをするのにGPSが役に立った。
 1340nピークに立って先を伺うと、その先しばらくは、雪庇が張り出した尾根が続いていた。西の樹林帯の中を辿り、下りから登りに転じて尾根が広がるようになったところで、雪原の歩きに戻った。東には、那須連峰や二股岳を一望することができた。ひさしぶりの青空のもと、展望を楽しみながら雪原を歩く気分は爽快であった。
 広大な台地を進むと、地図にある黒岩湿原に出る。どのようなところかと期待しながら歩いていったが、雪原の中に木立がなくなっている空間があり、ここが湿原だろうかと推測するだけであった。夏にはどのような姿を見せているのか興味を覚えるが、すぐ北の駒止湿原とは比べにもならないくらいに小さいので、藪に囲まれた空間にしかすぎないであろう。
 1403m小ピークに達すると、ようやく黒岩岳の山頂も迫ってきた。小ピークがいくつか並ぶ台地に山名が記載されており、どこが山頂か判然としないものの、1438m三角点ピークに登れば、登頂といってよいであろう。
 1420mピークを越すと、いよいよ最後の登りになった。雪庇の縁を辿ると、1438m三角点ピークに到着した。木立が少し邪魔していたが、会津高原たかつえスキー場を眺めることができた。
 ラッセル交代の人数もおり、雪の状態も良かったので達することができたが、黒岩山までは距離が長かった。
 下山では、1420mピークは東を巻いて通過した。ちょっとした登りでも辛くなってきた。平らな台地の歩きは、帰りも同じように体力を使った。1340nピークへの登り返しは、これが最後と自分に言い聞かせながらの我慢の登りになった。
 この先は、下る一方。登りのトレースを横目に見ながら、雪を蹴ちらせながら一気に下った。思ったよりも早い時間に下山することができた。

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