大力山

大力山


【日時】 2009年1月18日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 大力山・だいりきさん・504m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田、日光/小千谷、須原/小出、大湯
【コース】 南面コースより
【ガイド】 南面コースはなし

【時間記録】 6:30 新潟=(関越自動車道、小出IC 経由)=8:10 城山トンネル南出口〜8:55 発―10:45 黒禿の頭分岐―11:00 大力山〜11:40 発―11:52 黒禿の頭分岐―12:41 城山トンネル南出口=(往路を戻る)=14:20 新潟
 大力山は、関越道の小出IC近くの干溝の背後にたたずむ里山である。標高は500mで、登山口の標高を考えれば、角田山程度のアルバイトで登ることのできる山である。越後駒ヶ岳や八海山をのぞみ、小出の町並みや魚野川の流れを見下ろすことのできる、展望の良いピークである。中部北陸遊歩道として城山に至る登山道が整備されている。

 晴天の天気予報が出て、スノーシュー歩きに出かけることにした。今年の冬は、雪の訪れが遅れており、藪が雪によって押さえきられていないため、藪山を目指すのも難しそうである。林道を使って標高を稼げる山が良いのだがと考えていくと、大力山が思い浮かんだ。
 大力山は、一般には宝泉寺から登られており、冬の間もトレースがついて、それを期待して登山者が集まるという状態になっている。ただ、宝泉寺からは急登があり、スノーシュー向きとはいえない。また、他人のトレースに助けられて登るのもつまらない。
 地図にも記載されているが、大力山の南面には林道が稜線直下まで上がってきている。春に大力山から黒禿の頭へと歩いた時も、林道を使って入山したらしい山菜採りの声がしていた。地図で林道の走り具合を見ても、雪崩や滑落の心配もなさそうである。城山トンネルの南の出口には除雪スペースがあることも、判っている。まっさらなヴァージンスノーを期待して、大力山への南面コースを歩くことにした。
 小出の街は、朝霧に包まれていた。コンビニで買い物をしてから、城山トンネルを抜けると青空が広がった。トンネル出口の除雪スペースに車を停めて歩き出す準備をした。トンネル上部の稜線が手の届く高さに見えていたので、ダイレクトに稜線を目指そうかとも思ったが、計画通りに歩くことにした。
 林道の入口へと、車道を南に進んだ。用水堀があり、その脇に林道が走っているようである。一面の雪原が広がっており、林道は全く隠されていた。1mほどの路肩の雪壁を乗り越えて雪原に上がり、スノーシューを履いた。
 林道は、用水堀の右岸沿いに続いていた。雪は湿って重く、膝下まで潜る状態であった。体力は必要であるが、ペース配分に注意すれば、歩き続けられる状態であった。
 谷奥には、大力山の山頂部が見えていた。実際の最高点は奧で見えないが、視野に入っている杉林まで登れれば、山頂まではもうひと息となる。楽勝とは言えないが、歩けるだろうと見当を付けた。
 田圃脇を抜けていき谷が狭まると、砂防ダムが現れた。橋を渡って左岸にうつり、ひと登りすると、小さなダム湖の脇に出た。このダム湖は、地図にも池マークとして記されている。湖面は鏡のようにしずまり、青空と雪の斜面を映していた。
 稜線の右上に林道が走っているが、これは別な林道である。谷奥へと足を進めた。林道はカーブを繰り返すので、ショートカットも考えたが、楽そうな林道歩きを続けた。
 汗を拭くために足を停めて背後を振り返ると、雪に覆われた魚沼平野の眺めが広がっていた。順調に高度は上がっていた。
 結局、標高350m付近で林道は長いトラバースに入ったので、ここで林道と別れた。杉の植林地の登りになったが、林道よりも雪は締まっていた。梢に積もった雪が融けて落ちて、水を撒いたのと同じことになったようである。春先では、杉林の中の方が、ぐずぐず雪で歩きにくいこともあり、雪の状態は、その日によって違ってくる。
 弱い尾根沿いの登りになった。途中で林道を二度横断したが、注意しないと林道であることを見落としそうな状態になっていた。
 下からはピークに見えている大力山南の460mの肩直前では、木立がうるさく直登は難しくなった。植林用の切り開きを左に辿ると、城山に至る縦走路で出ることができた。ここからは、雪稜をひと登りで肩に出た。ここは、大力山から城山に至る中部北陸自然歩道と黒禿の頭に至る登山道の分岐で、登山標識の頭が雪の上に出ていた。
 大力山の山頂も、雪の小山として、目の前に迫っていた。背後には、八海山の岩峰がそそり立っていた。
 兎の足跡を辿りながら、大力山へ向かった。
 大力山に到着してみると、宝泉寺側からトレースが付けられていた。少し下ったところにあずまやが見え、数名の登山者がうごめいていた。
 写真を撮りながらあずまやまで足を延ばすことにした。あずまやの周囲のは雪壁が作られており、最近は登山者も多いようであった。山頂から見えていた登山者は、下っていってしまっており、一人占めの山頂になった。
 山頂に戻って大休止にした。大力山からの眺めは、夏の季節も素晴らしいが、雪の時期の方が灌木の邪魔が少なく、もっと楽しむことができる。八海山が一際大きいが、越後駒ヶ岳や中の岳も並んでいる。北の谷向こうには、鳴倉山とトヤの頭が並んでおり、その向こうには権現堂山から唐松山が連なっている。毛猛山塊も頭を覗かせている。雪の覆われた魚沼平野の広がりも素晴らしい。大展望を心おきなく楽しんだ。
 谷川連峰方面には雲がかかり始めており、天気は下り坂のようであった。
 スノーシューの下りは、飛ばしすぎて息が切れるほど快調である。下りの時は、へたにトレースができていると歩き辛い場合もある。
 今回の大力山への南面コースは、スノーシュー歩き向きであり、今後の遊び場になりそうである。

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