鍬柄岳、大桁山

鍬柄岳、大桁山


【日時】 11月30日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 西上州
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
鍬柄岳・くわがらだけ・598m・なし・群馬県
大桁山・おおげたやま・835.9m・三等三角点・群馬県
【コース】 千平駅より
【地形図 20万/5万/2.5万】 長野/富岡/下仁田
【ガイド】 新・分県登山ガイド「群馬県の山」(山と渓谷社)

【時間記録】 6:03 新潟=(上越新幹線)=7:11 高崎〜7:33 発=(上信電鉄)=8:30 千平〜8:40 発―9:02 鍬柄岳登山口―9:28 大桁山分岐―9:45 鍬柄岳〜9:50 発―10:09 大桁山分岐―11:10 大桁山〜11:30 発―12:31 鍬柄岳登山口―12:52 千平〜13:26 発=(上信電鉄)=14:17 高崎〜15:05 発=(上越新幹線)=16:18 新潟
 大桁山は、富岡市と下仁田町の境界にある山であり、鍬柄岳はその麓にある岩山である。大桁山は杉に囲まれて展望は限られているが、鎖場を突破して登った鍬柄岳の山頂からは360度の展望が広がっている。

 ここのところ週末ごとに「土日切符」を使って東京に出かけているが、切符が翌日も使えるため、鉄道を使った山行を考えることになる。駅から歩ける山を考えていくうちに、鍬柄岳と大桁山が思い浮かんだ。西上州の入口の山であるので、初冬の山としても相応しい。
 高崎からは、上信電鉄に乗り換える。駅の中で案内に従って0番線を目指すと、駅の外に出た道路脇にプラットホームがあった。登山口の千平駅は、終点の下仁田の一つ手前である。料金は片道1000円と、少し高く感じた。二両連結であったが、ワンマン運転のため、乗り降りは先頭部だけになっていた。朝の時間とあって学生も乗車しており、まずまずの乗車数であった。駅の間隔も短く、スピードのあがらない電車であった。
 無人駅の千平駅に下り立った。周囲に民家はあるが店は無く、下山後に飲み物の自動販売機を捜したが、それも見つからないようなローカル駅であった。
 高崎よりの踏切を渡って山をめざした。名物の下仁田ネギの畑の中を通っていくと、前方に岩山の鍬柄岳とその背後に広がる大桁山の眺めが目に飛び込んできた。
 しばらくは車道歩きが続いた。谷間の林道を進むと、鍬柄岳の登山口に到着した。ひと登りすると阿夫利神社のお堂が現れた。鍬柄岳の山頂には石の祠や幟などの奉納品が並んでおり、信仰の山のようであったが、これが里宮のようである。  杉林の中を登っていき、左手の尾根上に出て、後は尾根沿いの登りになった。鍬柄岳の岩峰の下に出たところに、「群山26」の境界見出し標があり、大桁山との分岐になる。鍬柄岳へは、右に進む。
 すぐに岩場の基部に出る。右に斜上するようにコースは続いている。しっかりした鎖がかかっているが、支点が短い間隔で付けられて緩みが少ないため、鎖を持つために身を屈めるようになって、歩きにくいところがあった。岩にはステップも切られて足場ははっきりしているものの、下は切り落ちており、緊張の登りが続いた。山頂の東端に登りついたところで、岩綾を西に辿ることになった。斜めの岩の基部をトラバースするところでは、足場の上に松の落ち葉が積もっており、慎重に最初の一歩を踏み出す必要があった。
 鍬柄岳の山頂は、周囲が切り落ちた絶頂になっていた。頭上には幟が風になびき、石の祠が置かれた先には、四ツ又山、鹿岳、荒船山といった岩山の連なりが広がっていた。目の前には、大桁山が大きく広がっていたが、残念なのは、浅間山や妙義山の眺めが隠されていたことであった。下仁田の町も眼下に見下ろすことができ、高度感のある眺めであったが、下山のことを考えると、落ち着いて休む気にもなれない。展望をひと通り楽しんだあとで、下山にうつった。東端手前で、夫婦連れとすれ違った。息があがって休んでいたが、岩場の登りは、緊張もあって、実際に取り付いていた時間よりも体力を消耗する。慎重に岩場を下って分岐に戻り、ひと安心になった。
 「群山26」の境界見出し標からは、岩場を左に巻くように踏み跡が続いていた。正規の登山道ではないようで、入口には標識は無かったが、少し進んだところに大桁山を示す登山標識が置かれていた。岩場の下を通過するところでは、踏み跡がみだれているところもあったが、西に回りこんだところで尾根にのると、後は一本道の登りになった。途中で、林道を横断するところでは、切り通しになっており、鉄の階段で向かいの斜面に登る必要があった。続いて二本目の林道を横断すると、ひと登りで、右手から上がってきた登山道に飛び出した。関東ふれあいの道として整備されているようで、幅広の道であった。
 ひと登りした後は、左にトラバースしていき、折り返すようにして大桁山の東の肩に出ると、最後の登りになった。階段登りを終えると、大桁山の山頂に到着した。
 途中で、入れ違いに単独行が下っていき、誰もいない山頂であった。大桁山の山頂は木立に囲まれており、妙義山は一部しか見えないのは残念であった。高崎方面の平野部の眺めは開けていたので、ベンチに腰を下ろして、眺めを楽しんだ。車ではないので、このような低山でも、ビールを飲むことができる。
 下りに移って、遊歩道に飛び出したところの分岐を過ぎると、すぐ先が林道の終点になっていた。後は、途中でショートカットがあるものの、車道歩きが続いた。大桁山だけの登山だとすると、車道歩きに終始して、面白みは少なく、やはり鍬柄岳とのセットで登るべき山のようである。
 駅に戻ると、次の電車までは30分の待ち合わせであったので、まずまずのタイミングであった。高崎から新潟に戻るのも、座席も空いており、寝ていれば良いので、車よりも楽である。

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