権現山

権現山


【日時】 2008年11月9日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 川内山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
権現山・ごんげんやま・630.5m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/御神楽岳/高石
【コース】 中河原橋より登り林道哺土原線へ下山
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:10 新潟=(R.49、R.403、新津、五泉、村松 経由)=9:20 中河原橋〜9:34 発―10:35 尾根上―10:48 巡視路分岐〜10:53 発―11:19 権現山―11:26 鉄塔(No.89)〜11:48 発―12:39 林道哺土原線―13:37 中河原橋=(往路を戻る)=15:00 新潟
 権現山は、早出川の左岸に立つ、川内山塊の入口にある里山である。ピラミッド型の山頂が村松や周囲の山からも良く目立つ山である。一般登山道があるものの、山の知名度は高くはないが、雪崩にあった主人を二度までも助けた「忠犬タマ公」の活躍舞台として登場する山である。山頂は木立に囲まれているが、山頂から南に下ったところにある鉄塔下からは川内山塊の展望が広がっている。

 先週、雷山に登ったが、今度はその奥の権現山に登ることにした。2006年11月19日に登った時は、紅葉は散り始めていたので、今なら盛りのはずと考えた。少し高い山はすでに木の葉は落ちてしまっているか、場合によっては雪も積もっている可能性がある。近場の低山で遊べるなら、それで良い。
 新津から五泉を経由して村松へ向かう。村松公園を通り抜けるところで、「忠犬タマ公」の写真を撮った。「忠犬タマ公」の像は、1村松町川内小学校、2新潟市白山公園、3JR新潟駅構内、4村松公園ふるさと会館前、5ありがとうの郷「タマ公苑」の五ヶ所にあるという。
 登山口になる中川原集落入口の中河原橋のたもとにも「忠犬タマ公」の謂れを書いた説明板があるが、舞台となった権現山を訪れる登山者は少ない。
 橋のたもとから見上げる権現山の山肌は紅葉に彩られていた。時期的には上手く合ったが、曇り空が少々残念であった。
 橋を渡って右折し、中川原の集落内に進むと、赤く塗られた消火栓に登山標識が取り付けられており、民家の間に入っていく。軒先をかすめながら、何回か曲がる道は判りにくいが、現在は、登山標識が細かく取り付けられており、以前のように迷う心配はない。
 集落背後の田圃脇を過ぎると、尾根末端の急な登りになる。ひと登りで、杉林が広がる幅広尾根に出る。右手の沢が浅くなってくると、緩やかに下って、沢をまたぎ越し、その後は左岸沿いの歩きになる。やがて、右の枝沢に入り、ナメ状の沢を数メートル登ると、右岸から山の斜面に向かう登山道が始まる。
 この付近で、単独行二組とすれ違ったが、この山で人にあうとは思わなかった。
 左手にトラバース気味に登っていくと、大岩が転がっており、その上には、狛の投石と書かれた板が置かれていた。その先でカール状に台地に出るが、ここにも似たような大岩が転がっている。右手には岩峰がそそり立ち、その岩壁に生えた木々は美しく紅葉していた。
 岩峰の眺めを楽しみながら台地を横断し、前方の尾根上へ向かう。急登も僅かで、尾根上に出ることができる。地図では、岩峰に登るように破線が書かれているが、実際の登山道は違っている。尾根上に出た地点からも、岩峰方面には踏み跡もみられない。
 その先は、尾根の登りが続くが、周囲の木立ちは紅葉の盛りになっていた。ひと頑張りで、右手から送電線巡視路が合わさる。この道を少し下ると、白山や毛石山方面の眺めが広がる。
 この分岐からは、山頂まで僅かなように思ってしまうが、途中でだましのピークのような尾根の張り出しもあって、もうひと汗かく必要がある。尾根の左手には、兎平から風越山かけての菅名山塊南面を良く眺めることができ、足を止めて偵察することになった。今年の冬は、久しぶりに兎平に行ってみたいとも思う。
 権現山の山頂は、中央に小さな木のお堂があり、杉などの木立ちに囲まれて展望はない。休むには面白くない山頂なので、そのまま巡視路を先に進んだ。落ち葉を蹴散らしながらの急な下りになった。登山道周囲には、気持ちの良いブナ林が広がっていた。
 大鉄塔の下で、大休止にした。目の前には、木六山から五剣谷岳、毛石山、白山と粟ヶ岳、といった川内山塊の眺めが広がっている。権現山の山頂から引き返してしまい、この眺めを味わっていないとなると、まことにもったいない。鉄塔から山頂へ登り返すのも、我慢の範囲であろうから、この鉄塔まで足を延ばすことを勧める。
 鉄塔からは、送電線の巡視路を下ることになるが、一般登山道以上に良く整備された道である。紅葉を楽しみながらの歩きが続いた。左手の谷向こうの尾根は、スラブを抱いて、紅葉に美しく彩られていた。低山ながらスラブを持っているのは、川内山塊ならではといえる。
 最後は、林道哺土原線に飛び出して、あとは車道歩きで、中河原橋に戻ることになる。この周回コースは魅力的なので、車道歩きがいやなら自転車を利用すれば良いであろう。

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