雷山

雷山


【日時】 2008年11月3日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 川内山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 雷山・いかづちやま・377.9m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新津、加茂/村松、越後白山
【コース】 永谷寺より
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:10 新潟=(R.49、R.403、新津、五泉、村松 経由)=9:05 永谷寺〜9:27 発―9:34 登山口―9:36 空堀―9:58 見晴らし台―10:18 雷山〜10:22 発―10:47 見晴らし台―10:58 登山口―11:10 永谷寺(往路を戻る)=12:10 新潟
 雷山は、早出川と仙見川に挟まれ、菅名山塊の不動堂山と白山に向かいあう、川内山群の入口にある山である。この山頂には雷城と呼ばれる山城が築かれ、早出川の対岸の福連寺山の福連寺城との間の争いにまつわる、「東光院物語」という、若君と姫君の悲恋の伝説が残されている。この伝説の舞台となっている麓の永谷寺(ようこくじ)には、「おぼと石」という伝説のまつわる史跡も残されている。

 今年になってからだと思うが、新聞の短い記事で雷山に登山道が開かれたことが紹介された。登山道開設についてのほとんどの新聞報道と同じく、この記事でも、登山コースの詳細はもちろん、どこが登山口かも書かれていなかった。夏は蛭がでるので敬遠してそのままになっていた。連休三日目の山として、宿題の雷山に出かけることにした。
 登山口は、川内集落の永谷(ようこく)寺であろうと見当をつけた。冬は、集落内の道路が広くなっている学校前の路肩に車を止めて歩きだすが、今回は永谷寺まで車で乗り入れることにした。
 集落入口から永谷寺への案内標識が続いているのでこれに従う。沢沿いの細い道を進むと、永谷寺の駐車場に到着する。今回は、ここに車を止めて歩きだしたが、林道に進んだすぐ先に車を止めることのできる広場がある。
 永谷寺へは石段が続いているが、その下に雷山の案内と、雷山の標識が置かれていた。ひとまず、登山口については間違っていないということで、ひと安心になった。
 沢沿いの林道を進むと、鎖がかかって、車の進入禁止になっていた。どうやら、ゴミの不法投棄を防止するためのもののようである。
 杉林の中に続く林道を歩いていくと、堰堤をかすめた先で尾根末端に出会って、大きく右にカーブする。ここが登山口であった。左には、林道が分かれている。
 杉林の中の急な登りが始まる。木に赤いテープが巻かれており、字が書いてあるので読むと、「こわれもの注意」とあった。仕事用の梱包材量を流用したもののようである。ひと汗かくと、右にトラバースして尾根に乗る。しっかりした登山道が整備されていた。冬に歩いた時も、この尾根には、杉の植林用の切り開きがありそうな感じであったので、それを整備しなおしたようである。
 急斜面の途中には、「←雷山 永谷寺→ 火の用心」と書かれた標識も置かれていた。その先で、傾斜が緩むと「見晴らし」の標識が置かれていた。木立の間からの早出川方面の眺めであった。右手は杉の植林地が迫っており、左手に雑木林が広がっていた。「頑固な松」という標識も現れた。切り倒すための切り込みがあるものの、なんらかの理由で残されたもののようである。
 山頂が迫ると、ロープも固定された急斜面になった。刈り払いの丸ノコの音が聞こえていたが、作業中の人にここで追いついた。登山者が現れたことで喜んでいた。昔からの登山道であった尾根の北側の谷間に下るコースも開いたが、今は茅が茂って藪が濃いところがあるとのことであった。どうも取りつき部で左に分かれる林道の奥に通じているようであった。夏は蛭がいて作業ができないため、これから刈り払いをするといっていた。整備が終わったところで歩いてみたいので、また来て確認することにした。
 林道終点からの尾根が合わさる付近からは、曲輪跡のような台地が現れる。数ヶ所で、土塁のような短いが急な斜面が現れる。
 雷山の山頂は、杉林が広がる台地になっている。片隅に三角点が頭を出していた。これまで二回登っているが、雪の季節であったので、三角点を見るのは初めてであった。東の隅には、小さな石積みがあり、雷城本丸跡と書かれていた。
 山頂は杉林になっているが、東の縁に進むと、木立が切り開かれて、展望が広がっていた。曇り空であったが、眺めを楽しむには充分であった。神戸山と白山が大きく。木六山から銀次郎山、銀太郎山、五剣谷山に至る稜線は長々と続き、権現山は目の前に見えていた。川内山塊の展望台になっていた。登山口の集落は川内であることを考えれば、川内山塊の愛好家を自称するなら、この雷山からの眺めを楽しめるであろう。
 北東の隅に、木の階段が設けてあったので、一段下の台地に下りると、菅名山塊の眺めが広がった。この台地は、帯曲輪なのか、山頂を取り巻いており、これを辿ると山頂下で登山道に戻ることができた。
 登山道が良く整備されていて歩きやすいため、一気の下りで登山道に戻ることができた。
 この山は、川内山塊が雪に閉ざされた頃、来年までのお別れに訪れるのが良いであろう。
 林道歩きの途中、真っ暗になって激しい雨が降り出した。足を速めて車に戻り、この日の歩きは終わりになった。

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