三国山、大源太山

三国山、大源太山


【日時】 2008年10月4日(土) 前夜発日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 谷川連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 三国山・みくにやま・1636.4m・二等三角点・新潟県、群馬県
 大源太山・だいげんたやま・1764.1m・三等三角点・群馬県
【コース】 三国峠から縦走路を経て三角山より下山
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/四万/三国峠
【ガイド】 山と高原地図「谷川岳・苗場山・武尊山」(昭文社)
【温泉】 ゆきざさの湯 600円(800円から割引)

【時間記録】
10月3日(金) 19:00 新潟=(関越自動車道、小出IC、R.291、六日町、三国川ダム 経由)=21:30 十字峡
10月4日(土) 6:00 十字峡=(三国川ダム、六日町、R.17 経由)=6:50 三国峠登山口〜7:22 発―7:51 三国峠―8:14 お花畑―8:21 トラバース道分岐―8:35 三国山―8:46 トラバース道分岐―9:53 三角山―10:13 大源太山入口―10:24 大源太山〜10:45 発―10:59 大源太山入口―11:10 三角山―11:50 鉄塔下―11:52 毛無山―12:16 登山道入口―12:28 浅貝ゲレンデ下登山口―13:06 三国峠登山口=(R.17、小出IC、関越自動車道 経由)=14:20 新潟
 三国山は、谷川連峰の西の端に位置する山であり、谷川岳縦走路はこの山より始まる。名前は、上野、越後、信濃の三国に由来するが、実際の三国境には位置していない。関東と越後を結ぶ三国街道の山越えの難所で、三国峠はこの山の南の鞍部にある。大源太山は、三国山と平標山の中間に位置する山で、山頂は群馬県側に僅かに入っている。両隣りの三国山と平標山とは違って、訪れる者も少ない静かな山である。

 紅葉の季節も始まり、登る山を選ぶ際の大きなファクターも紅葉の風景ということになる。久しぶりに丹後山に登ろうと考えて、前夜に十字峡の登山口に入った。前夜の天気予報では、曇り時々晴ではあるが、ところによって寒冷前線の影響で雨が降るというものであった。早朝、白み始めた山の稜線部を見上げると、黒雲が垂れ込めていた。気が乗らず、計画変更とした。先回の錫ヶ岳の疲れが抜けていないことも、いささか消極的な気持ちへと影響している。
 代わりに、谷川連峰の三国山から大源太山の間を歩くことにした。山域を変えれば、天候も違ってくる。先週登った稲含山の雰囲気からすれば、稜線部なら紅葉は始まっているはずである。
 三国トンネル入口の三国峠登山口に到着後、時間も早かったので、ゆっくりと朝食をとった。三組が前後して歩き出した。送電線鉄塔の工事のためか、登山口からしばらくは、荷物運搬用のモノレールが登山道脇の沢沿いに敷かれていた。
 旧街道らしい幅広の道が、折り返しながら高みに向かって続いている。三国峠へはハイキングレベルのコースではあるが、汗が吹き出てきた。気温も高くなっているようである。
 傾斜が緩やかになると、三国峠に到着する。鳥居とお堂の後ろに三国山への斜面が広がっている。三国山に向かっては、急な登りが続く。登山道は、木の階段で整備されているので、歩き易いが、体力的には、かえってきつい登りになっている。平標山といい、このような整備は必要なのだろうか。
 下から山頂のように見えていた張り出し部を越すと、笹原の広がるお花畑に出る。ベンチも置かれており、腰を下ろして休む登山者で賑わうところではあるが、朝早いため、誰もいない。このあたりでは、紅葉がようやく始まったところで、緑の笹原に茶色の枯れた茎が並んでいた。
 再び急な登りが始まる。三国山の山頂を通らずにトラバースする道との分岐を過ぎると、最後の急登になる。階段状に整備されており、直登するようになっていた。背後を振り返ると、稲含山に至る縦走路を良く眺めることができた。色づいた葉も多くなってきて、緑の笹原の中に、赤や黄の色の塊が点在していた。
 階段登りを突破してトラバース気味に進むと、三国山の山頂に到着した。山頂標識の傍らに、幸福の鐘が置かれている。誰もいずに静かな山頂であった。
 平標山への縦走路へは、少し戻ったところから下る。登山道周囲は木立に囲まれており、他の季節はあまり面白くない区間であるが、今回は美しく紅葉しており、楽しむことができた。
 左からトラバース道が合わさると、縦走路の歩きが始まる。この先は、小ピークを乗り越していく道になる。大きな標高差があるわけではないが、次第に体力を消耗していく。 前方には、平標山から仙ノ倉山にかけてのたおやかな稜線が広がっていた。その右手には、エビス大黒の頭や万太郎山、谷川岳といった岩山の連なり。秘峰の小出俣山も目の前に大きく広がっている。その前景には、赤や黄色に染まった潅木が彩りを添えていた。素晴らしい展望で、カメラを構えながらの歩きになった。
 縦走路の先に迫ってくる大源太山は、笹原の山腹を持つなだらかな山頂を見せていた。この笹原も、点在する潅木が色づいて、美しい風景を見せていた。
 大源太山の左の肩に盛り上がったピークが三角山である。名前の通りに、縦走路からは三角のピークに見える。三角山で、浅貝ゲレンデからの登山道が合わさるが、この道は下山に使うことになる。登山道周囲の紅葉も一段と美しくなった。
 大源太山の山腹に広がる樹林帯を先に進んだところから、山頂への道が分かれる。樹林帯を抜けて、稜線を少し辿った先で、大源太山の山頂に到着する。縦走路から眺めてきた平標山や仙ノ倉山、エビス大黒の頭や万太郎山、谷川岳、小出俣山といった山も細部が一層見えるようになっていた。平標山の家は隠されていたものの、そこから延びる階段状に整備された登山道も良く眺めることができた。谷川連峰の縦走路を少し横に外れてみることができ、知られざる展望ピークといって良い。
 ひと休みの後、下山に移った。太陽の位置も変わってきて、目に付く紅葉も違ってきていた。
 三角山に戻り、浅貝ゲレンデへの下りを開始した。このコースには、三角山直下の100番に始まり、短い間隔でプレートが付けられている。プレートにKWVとあるのは、慶応ワンゲル部の印だったと思う。以前にも二度歩いているが、今回、偶数番は山頂部、奇数番は麓に向けて取り付けてあることに気が付いた。
 登山道は良く整備されていて、急坂ではあるが歩き易い。一気に高度を落とし、緩やかになった尾根を辿ると、前方に鉄塔が見えてくる。少し登り返すと、鉄塔下に出て、そのすぐ先で、右下に林道終点広場が現れる。この林道は、平標山の登山道として一般的に使われている元橋からの林道から分かれるものである。元橋から平標山への周回コースとして使うことができる。
 鉄塔の上の小ピークには毛無山という標識が置かれている。三国山からら平標山に至る稜線の眺めに別れを告げて、その後は、尾根沿い一気の下りになる。
 最後には、浅貝ゲレンデに飛び出し、舗装された管理道の下りになる。ゲレンデ下には、三角山登山口の標識が置かれている。所要時間2時間20分と書かれているが、急登が続くので、このコースタイムはきつめである。
 この後は、三国トンネル入口までの車道歩きを頑張ることになる。幸い40分弱で戻ることができたので、我慢のうちということであろう。
 弱気の計画変更であったが、予想以上の展望と紅葉の山を満喫できた。

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