三坂山、銀山峠

三坂山、銀山峠


【日時】 2008年8月31日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三坂山・みさかやま・831.9m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/宮下/沼沢沼、宮下
【コース】 美坂高原より
【ガイド】 分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)、うつくしま百名山(福島テレビ)、会津百名山(歴史春秋社)

【山域】 会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 銀山峠・ぎんざんとうげ・650m・なし・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/宮下/宮下
【コース】 松ヶ下と大峯中間部からの林道より
【ガイド】 会津百名山(歴史春秋社)
【温泉】 柳津つきみが丘町民センター 300円

【時間記録】 6:40 新潟=(磐越自動車道、会津坂下IC、R.252、宮下 経由)=8:40 美坂高原〜9:09 発―9:28 登山口―10:17 三坂山―11:02 登山口―11:20 美坂高原=(宮下、R.252、湯八木沢、久保田 経由)=12:28 林道入口―13:04 銀山峠―13:30 林道入口=(郷土、R.252、会津坂下IC、磐越自動車道 経由)=16:20 新潟
 三坂山は、会津三島町の只見川左岸にある山である。奥州二ノ宮、会津総鎮守である伊佐須美神社は、御神楽岳、三坂山、博士山、明神ヶ岳と移った後に、現在の地に遷座されたという伝説もある信仰の山である。登山道は、北側の美坂高原からと、南の只見川の畔の滝原口からの二つのコースがある。

 かつて、柳津町軽井沢銀山の物資を運ぶために銀山街道が開かれ、銀山峠は銀山と松ヶ下の間の峠である。地図には、破線が記されているが、完全に薮に帰っている。

 雨の予報の週末の二日目、雨でも歩ける山として、会津の三坂山に向かった。美坂高原からなら、少々の雨でも登ることができる。それと、秋山のために、すぐ近くの黒男山の偵察を行っておきたかった。
 柳津を過ぎて、宮下の町中からから只見川を渡る。宮下温泉の前を下流に向かって走ると、美坂高原への案内が出ているので、これに従う。山奥へかなり進むが、途中で、残り4km、3kmといった1kmごとの表示が現れる。T字路に出て、左に曲がると、すぐに美坂高原の駐車場に到着する。広い駐車場が設けられており、これほどの客が訪れるのかと、疑問もわいてくる。一台の車が停めてあった。
 美坂高原は、入場料が必要になる。入口には200円と書かれていたので、財布に手をかけながら受付にいくと、登山者はいらないということであった。先に三人が先行していると教えてくれた。
 園内は、丁度ソバの花が盛りであった。一面のソバ畑の風景は美しかった。彫刻も置かれており、散策には良さそうであった。牛も飼われており、のんびりした印象を高めていた。レストランや作業小屋も、ヨーロッパを思わせる独特の形をして風景に溶け込んでいた。
 前方に三坂山が迫ってくると、左に登山道が分かれた。最初は、林道が続き、ひと登りすると、送電線の鉄塔下に出た。その先の林道終点からの山道は、送電線の管理道も兼ねており、良く整備されていた。
 尾根を乗り越して、トラバース気味に進むと、山頂に向かっての登りが続くようになった。歩き始めの杉林から、ブナ林が周囲に広がるようになった。ガスが流れて、美しい風景になっていた。
 ひと汗かいて、三坂山の山頂に到着した。山頂には、マイクロウェーブの鉄塔が建っているのが、少々興醒めではある。山頂の刈り払いされた広場からは、只見川の眺めが広がっているのだが、ガスのために展望は閉ざされていた。
 歩きやすい道のために、下りも、そう苦労することもなく、美坂高原に戻ることができた。このコースは、少々の悪天天候でも歩けるので、雨の日の山のリストに加えておくと良い。
 幸い、日もさすようになって、雨の心配はなくなった。  車に戻り、この日の目的の、黒男山の偵察を行うことにした。黒男山は、一般には、残雪期に美坂高原から林道を辿って909m点に上がるというコースが使われている。この春に、別な林道から尾根上に出て、黒男山に上ったという話を聞いた。
 GPSの電源を入れて記録できるようにして、車のフロントに置いた。地図にのっていない林道を確かめるために、良く行う裏技である。
 美坂高原手前のT字路を右に進む。西方へと下る道から左に分かれる道があり、大林ふるさとの森(通り抜けられません)と書かれていた。その先へは、立派な舗装道路が続いていた。前方に黒男山の山頂が見えてからさらに先に進むと、左上に尾根が沿うようになった。その先で、この道は下りになった。
 ここが取り付きのように思えた。尾根の上に上がってみると、山道とまでは行かないものの、刈り払いはされているようで、歩くのに支障はなかった。すぐ先のピークへも問題なく登れそうであった。現在地を想像すると、黒男山の南東に位置する909m点から東に下ってきた656m点のように思えた。帰宅後に、地図にGPSのデーターを読み込んで、推測は当たっていることは確かめられた。909m点から黒男山の山頂の間は、刈り払いがされていると報告されているので、656m点に上がれれば、後は問題は無さそうであった。紅葉の季節に、黒男山にチャレンジすることにした。
 時間も早かったので、会津百名山のうち、まだ登っていなかった銀山峠を登ることにした。以前、鉱山跡の銀山に入ったが、煙突などは見られたものの、旧街道は全く見つけることができなかった。地図読みの失敗かと思っていたが、その後に得た情報からは、峠から銀山への道は全く無くなっているようであった。
 今回は、西側から歩き出すことにして、松ヶ下と大峯の間から分かれる林道をめざした。林道の入口は、進入禁止と書かれていたが、すぐ先で、林道は完全に夏草に覆われてしまうようになった。地図には、林道が破線で書かれて、廃道あつかいになっていたが、かろうじて、形が残っている状態であった。
 ヤブコギをしながら、カーブをまじえて登っていくと、尾根が迫ったところで、林道は終点になった。すぐ上に見える尾根に上がって、左に100mほど辿れば峠に到着のはずであった。
 距離は短いものの、先の見えないヤブコギに苦労することになった。8月にヤブコギをするものではない。
 峠付近に到着し、薮の中で、峠らしい遺構を探した。薮に埋もれているものの、切り通しがあり、ここが峠のようであった。銀山方面を眺めても、道型は全く判別できなかった。峠の西側は、歩いてきた林道の開削によって消されてしまったようである。ともかく、銀山峠登頂成功ということになった。
 はっきりいって、訪れて楽しいとはいえない峠であった。なぜ、この銀山峠が、会津百名山に選ばれたのか、なぜ、会津百名山のガイドブックには「初心者用 登山道有り」と書かれているのか、全く疑問である。しかも、「銀山峠」の項のガイド文は、登山道の状態については全く触れていないという欠陥文である。会津百名山完登を目指すものでなければ、銀山峠は、避けておいた方が良い。
 切り通しを探して薮の中を少し動き回っただけで、方向感覚が狂い、来た道を戻るのにも、途中で修正が必要になった。
 汗だくになってしまい、下山後は、柳津の温泉を目指した。家への土産に、柳津名物の粟饅頭を買った。ここの店では、おまけの饅頭を付けてくれるのもうれしい。
 雨の週末であったが、秋山へのはずみをつけることができた。

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