吉祥山

吉祥山


【日時】 2008年8月30日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 山北
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 吉祥岳・きちじょうだけ・500m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/勝木/勝木、蒲萄
【コース】 大毎より
【ガイド】 新潟日帰りファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 8:40 新潟=(R.7 経由)=10:30 大毎入口〜10:50 発―11:23 登山口―11:43 中間展望台―12:02 吉祥岳〜12:08 発―12:17 牛の首―12:35 沢沿いの標識―13:17 登山口脇田圃―13:45 大毎入口=(往路を戻る)=16:00 新潟
 吉祥岳は、県北部の山北町の旧出羽街道沿いにある大毎(おおごと)の集落の背後にそびえる里山である。地形図に名前は記載されていないが、勝木の地図の大毎の集落から南に延びる林道の先の蒲500mピークが吉祥岳である。集落内にある吉祥清水は、吉祥岳の麓の湧き水を水源としており、平成の名水百選に先ごろ選ばれた。

 8月後半の週末は、三連続で雨になった。特に、今回は記録的な豪雨ということで、愛知方面で大きな被害が出ており、前線が日本列島に沿うように延びているため、全国的な雨になっている。会津方面に出かけようかと思っていたが、会津坂下で床下浸水の被害が出ているということで、計画変更にした。雨雲の様子をみると、日本海沿いの天気は良さそうであった。
 低山巡りということで、山北の吉祥岳を選んだ。吉祥岳は、1998年12月13日に登っているが、かなりの時間が経過していることと、吉祥清水が「平成の名水百選」に選ばれて、状況が変わっているか確かめることが目的である。
 雨に降られないまま、村上を過ぎて、大毎に到着した。集落の入口の国道脇は広くなっており、車を置くことができる。ガイドブックには、集落内の満願寺におけると書いてあるが、旧出羽街道の面影を求めて集落を歩いていくのもハイキングの範疇であろう。入口からは、左右に尾根を広げた吉祥岳の姿を良く眺めることができる。
 集落内をのんびり歩いていくと、右手に吉祥清水が現れる。源泉部から引いているようだが、積み上げた岩から勢い良く水が流れ出ていた。家から汲んで来た水は捨てて、この清水の水に入れ替えた。水を飲んでみると、冷たく美味しかった。最近の名水で良くみかけるような、車を乗りつけて、タンクに水をつめているような者はいなかった。
 緩やかに集落内を登っていき、道が右に曲がるところに吉祥岳の標識が置かれていた。急坂を登っていくと、山間の田圃の中に出た。前方には、吉祥岳の山頂を望むことができた。
 この車道が左に曲がっていくところで登山道に進むが、ここには「登口 頂上まで45分」と書かれた標識が置かれていた。谷間の杉林の中に続く作業道の登りがしばらく続いた。少し先でこの作業道も終わったが、直進方向の登りを続けた。
 アブや蚊がうるさく、虫避けスプレーをかけたものの数ヶ所刺されてしまった。Tシャツの上からアブが刺してくるので、山シャツを着ることになった。おかげで一層暑くなって、汗がしたたり落ちるようになった。
 右手にトラバースして尾根に乗ると、ロープと木の段々で整備された急な登りになった。一旦傾斜が緩むと、中間展望台の看板が現れた。大毎の集落の眺めが広がっていた。
 再び急登が続くようになった。だましのピークで、山頂到着の期待がうらぎられ、登りをもうひと頑張りすることになった。天気が悪いからと、このような低山にやってきたのだが、気が萎えそうになるほどきつく感じられる。
 ようやく吉祥岳の山頂に到着した。北斜面は広く刈り払われて、大毎や北黒川の集落を見下ろすことができた。
 下山は、牛の首コースを歩くことにした。山頂の標識にも、下山口と書かれていた。刈り払いのされた道が続いており、少し下ったところには、大沢展望台と書かれた標識が置かれていた。
 鞍部まで下りるとT字路となり、左の沢へと方向を変える。直進方向にも道は続いており、「万願寺平10分」と書かれていた。
 谷への下りは、沢型の開始部で、道がはっきりしなくなった。沢をまたいで右岸沿いに下るのだが、夏草が道を隠していた。周りと違った草で、道と判る状態であった。
 沢の縁に下り立つと、「牛ノ首 頂上まで40分」と書かれた大きな標識が置かれていた。対岸に渡るのかと思ったが、左岸沿いに踏み跡が続いていた。下流に向かうと、右岸への徒渉になった。その後も、左岸に渡って、再び右岸に。その間も、草が茂って道が判りにくいところがあった。アルミの橋が脇にどかされて置かれており、登山時期ではないということのようであった。
 広河原から徒渉して左岸に渡ると、トラバース道が続くようになった。沢が下に遠ざかっていってしまい、登山コースを外してしまったかと思うようになった。広域林道への道は右岸に通っているが、これでは沢を越すことができない。道の脇に水門を閉める金属ハンドルが頭を出しており、このトラバース道の下には、導水路が通っていることが判った。結局、二股でコースを間違ったようであるが、戻っても、道を辿れるかは判らない。導水路を辿っていけば、里に出ることは確実なので、そのまま進むことにした。
 崖際で幅が狭いところや、岩の隙間をすり抜けたり、岩を乗り越えたりと、慎重に歩く必要のある道であった。草が茂って、路肩が判りづらいところが多かった。それでも、路肩を土嚢で補強したり、崖にロープが付けられえていたりして、保守されている道であることは判った。
 実際の時間よりも長く感じられる歩きであったが、最後は、田圃脇に出た。登りのコースの登山道入口の東よりであった。あぜ道を辿ると、行きに歩いた車道に戻ることができた。
 自分が迷ったからいうわけではないが、馬の背コースには、一般ハイカーは進むべきではない状態であった。
 集落内を歩いていると、二人から登山かねと声を掛けられた。汗びっしょりになっており、物好きにという目で見られたようである。
 雨には会わずに登山を終えることができたが、晴れていて高い山を歩いているほうが楽であったと、天気をうらむことになった。

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