三崎山、鳥海山

三崎山
鳥海山


【日時】 2008年7月13日(土)〜14日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 13日:曇り時々雨 14日:晴 

【山域】 鳥海山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 三崎山・みさきやま・161.3m・一等三角点補点・秋田県
【コース】 小砂川入口からの林道より
【地形図 20万/5万/2.5万】 酒田/吹浦/小砂川
【ガイド】 なし
【温泉】 アポン西浜 350円

【山域】 鳥海山 【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 新山・しんざん・2236m・なし・山形県
 七高山・しちこうざん・2229.2m・一等三角点補点・山形県
【コース】 鉾立より往復
【地形図 20万/5万/2.5万】 新庄/鳥海山、大沢口/鳥海山、湯ノ台
【ガイド】 アルペンガイド「鳥海・飯豊・朝日」(山と渓谷社)、山と高原地図「鳥海山、月山」(昭文社) 【温泉】 アポン西浜 350円

【時間記録】
7月13日(土) 8:30 新潟=(R.7、小砂川入口 経由)=13:36 三崎山取り付き―13:41 三崎山―13:51 三崎山取り付き=(吹浦、鳥海ブルーライン 経由)=16:30 鉾立  (車中泊)
7月14日(日) 5:00 鉾立―5:57 賽の河原―6:25 御浜―7:28 千蛇谷分岐―8:38 御室―9:05 新山―9:36 御室―10:23 七高山―12:10 〆掛け〜12:30 発―13:30 御浜―15:00 鉾立=(往路を戻る)=19:30 新潟

 三崎山は、鳥海山の西斜面が日本海に落ち込む海岸線近くにある一等三角点である。

 鳥海山は、日本海にその裾野を洗う成層火山であり、秀麗な山容から出羽富士あるいは秋田富士と呼ばれている。北関東・東北では燧ヶ岳に次ぐ標高を持ち、山頂部は複式火山特有の変化に富んだ地形になり、花の山としても名高い。

 日曜日は晴れるようだが、土曜日は雨という天気予報が出た。日曜日に鳥海山に登ることにした。ここのところ、花を目当てに東北の山を登ってきたが、同時期に鳥海山はどうなのだろうかという興味がわいた。土曜日は、登山口までの移動が目的であるが、これまで訪れていない、鳥海山の西山麓にある一等三角点の三崎山を訪れることにした。道があるかは判らなかった、林道がすぐ近くまで延びており、時間もかからないはずであった。
 普通の時間に起きてから出発し、日本海の海岸線のドライブを続けた。鳥海山ブルーラインの入口を通りすぎると、山形・秋田の県境となり、ここには、有耶無耶の関と三崎公園がある。鳥海山の山裾が日本海に向かって落ち込んでおり、かつての旧街道の難所になっていたという。
 この一帯を三崎山というようだが、めざす一等三角点は少し離れたところにある。ここを通り過ぎ、国道から小砂川の集落に入る道に進む。入ってすぐの所で分かれる道に進み、国道と羽越線の下をくぐる。その先の林道を上がっていくことになる。
 林道の周囲は、採石所になっており、ダンプカーが行き交っていた。幸い、待避所が短い間隔で設けられていたので、前方を注意しながら車を進めることになった。
 三角点の目標として、地図にも記載されているアンテナ施設をまずはめざした。その少し手前の駐車スペースに車をとめて、付近を観察した。伐採地が広がっており、その奧の木立が残された一段高い尾根に三角点があるようであった。
 登山の支度をして、GPSを立ち上げた。歩き場所は間違っていなかった。
 伐採地を横切り、尾根の上に上がると、踏み跡が続いていた。左手のアンテナ施設方面から林道が下ってきており、この踏み跡はそこから始まっているようであった。右手の高見をめざすと、三角点を見つけることができた。藪に囲まれて、見晴らしはなかった。
 この一等三角点のもう一つの興味は、その傍らに立つ、天測点と似た測定基盤である。これは、外形が円柱状で背が低く、石も少し粗末である。この一等三角点の隣りに位置する酒田の土門拳記念館脇の飯盛山一等三角点を訪れた時のことである。かたわらの看板には、「経緯度観測点 この標石は、1928年に、大陸移動説を検証するための経緯度観測点として、飯盛山・飛島・三崎山の三点に設けられたものの一つです。」と書かれていた。この三崎山はどうなのだろうと思ったのだが、やはり同じ物を見つけることができた。そうなると、飛島の一等三角点も見てみたくなる。しかし、大陸移動説は実証できたのだろうか。  帰りは、林道に出てから、アンテナ施設を回り込んで車に戻った。
 車に戻るのと同時に本降りの雨になった。その後の山は考えていなかったので、西山の温泉に向かった。夕食と翌日の食料を買い込んでから鳥海山の鉾立に向かった。鉾立の駐車場は、前夜入りの登山者も多いはずなので、その手前の駐車場で夜を過ごして、朝になってから駐車場に入った。
 昨年は、レストハウスの改築に伴って駐車場が狭くなっていたのだが、工事も終わったようであった。早朝であるが、駐車場は半分ほどの入りであった。鳥海山の人気のほどがうかがわれる。
 前夜から晴天となっており、駐車場からも山頂が見えていた。鉾立からの登山道は、遊歩道並みに整備されており、これは御浜まで続く。最初の目的地の賽の河原に到着すると、残雪も現れた。ただ、雪融け後のチングルマやハクサンイチゲの群落を期待していたのだが、花は少なくこの期待は外れた。
 ひと登りするとトラバース気味の石畳道になり、御浜に到着する。残雪に半ば覆われるような鳥海湖が姿を現した。湖の周辺の斜面は、ニッコウキスゲやヨツバシオガマが咲いていたが、盛りはもう少し先といった感じであった。
 幅広尾根の扇子森を越していくと、前方に鳥海山の山頂が高く聳えるのを眺めることができた。その先の八丁坂では、登山道が一部残雪に覆われていた。再び登りに転ずると、七五三掛に到着し、そこから少し上がったところが千蛇谷への分岐になる。少し下ると、雪渓の上に下り立つ。対岸に夏道が現れていたが、雪渓の上を歩くことにした。滑落の心配もなく、アイゼンは必要としない歩きやすい雪渓であった。ひと登りしたところで、左から入り込む枝沢の雪渓に進み、その後は夏道を辿ることになった。つづら折りの道が続き、体力的にもきつく感じられる登りになった。
 ようやく御室に到着して、ひと息ついた。今回は花が目的であったので、花はない新山に登る必要はないかと思ったものの、やはり山頂をパスするのも手抜きと思い直した。
 新山へは、大岩を伝い歩くことになる。ペンキマークもあるが、少し離れたところに付けてあったりして、コースを見定めるために足を停める場面も現れる。夏山の盛りなら、登山者の列が続いており、ただついて行きさえすれば良いのだが、今回は自分で判断する必要があった。
 新山の頂上は、夏山の盛りは順番待ちのようになってしまうが、空いているこの日であっても、狭いために落ち着いて休むことはできない。御室まで戻ってから花の写真撮りを行うことにした。
 御室周辺は、チョウカイフスマやイワベンケイの群落が広がっていた。イワブクロも沢山あったが、蕾であった。花の写真を撮りながら七高山へ向かった。新山の東斜面は残雪がべっとり付いており、水場も雪の下であった。東斜面にも登山道が設けられているが、アイゼンとピッケルがないと滑落の危険性がありそうな状態であった。
 草付きの斜面を登ると、外輪山の上に出る。左に曲がってひと登りすると、七高山に到着する。ここの三角点も一等である。鳥海山は、山頂と麓の二ヶ所に一等三角点が置かれているが、これはあまりないことに思える。
 足の具合があまり良くないため、七五三掛まで下ってから昼食をとることにした。外輪山沿いには、行者岳、伏拝岳、文殊岳といったピーク名が書かれているが、小さなアップダウンもあり、なかなか下りきることはできない。新山の山頂は次第に高見に遠ざかっていった。
 七五三掛まで下れば、後は良く整備された道が続くことになる。
 八丁坂周辺の草原には、ニッコウキスゲの群落が広がっており、それなりの花を楽しむことができた。後一週間後には満開になりそうであった。鳥海山は、梅雨の合間の山というよりは、ニッコウキスゲが咲き乱れる夏山に登った方が楽しめそうである。
 下山の最後の頃は、足も草臥れて辛い歩きになった。
 下山後は、再び西浜で温泉に入り、新潟への帰宅の途についた。

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