会津磐梯山、尾瀬ヶ原跡

会津磐梯山
尾瀬ヶ原


【日時】 2008年6月14日(土)〜16日 日帰りと1泊2日(テント泊)
【メンバー】 単独行
【天候】 14日:曇り 15日:晴 16日:晴

【山域】 磐梯山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
磐梯山・ばんだいさん・1818.6m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/磐梯山/猪苗代、磐梯山
【ガイド】 山と高原地図「磐梯・吾妻」(昭文社)
【コース】 猪苗代スキー場より
【温泉】 芦ノ牧ドライブ温泉 400円 (石鹸無し)

【山域】 尾瀬
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 尾瀬ヶ原・おぜがはら・1400m・無し・群馬県、福島県、新潟県
【コース】 沼山峠から尾瀬ヶ原、燧裏林道周回
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/燧ヶ岳、藤原/燧ヶ岳、尾瀬ヶ原
【ガイド】 山と高原地図「尾瀬」(昭文社)
【料金】 御池駐車場 1000円、御池から沼山峠バス 400円
【温泉】 駒の湯 500円

【時間記録】
6月13日(金) 19:00 新潟=(R.49、安田IC、磐越自動車道、猪苗代磐梯高原IC 経由)=22:00 猪苗代スキー場  (車中泊)
6月14日(土) 7:07 猪苗代スキー場―8:16 天の庭―9:01 沼ノ平―9:54 弘法小屋―10:25 磐梯山〜10:54 発―11:15 弘法小屋―12:56 沼ノ平―13:42 天の庭―14:25 猪苗代スキー場=(会津若松、R.121、会津田島、R.400、山口、R.401、R.352、檜枝岐 経由)=19:30 御池  (車中泊) 6月15日(日) 5:35 御池―7:13 裏燧橋―7:53 三条ノ滝分岐―9:54 下田代十字路  (テント泊) 6月16日(月) 6:25 下田代十字路―7:45 白砂湿原―8:09 沼尻―9:11 三平峠下―9:55 長蔵小屋―11:10 沼山峠=(シャトルバス、御池、檜枝岐、R.352、R.401、山口、R.400、会津田島、R.121、芦ノ牧、新鶴PA、磐越自動車道 経由)=16:00 新潟
 磐梯山は、会津の中心部猪苗代湖の北側に位置する火山である。磐梯火山は、大磐梯山、櫛ヶ峰、赤埴山の三つから構成されており、方向によって姿が異なる。1888年の水蒸気爆発によって大磐梯山の北に位置していた小磐梯山は吹き飛び、流れ出た土砂は川をせき止め、裏磐梯の湖沼地帯が作られた。

 尾瀬ヶ原は、群馬県、福島県、新潟県の三県にまたがり、約1400m の標高に、東西約6km、南北約1kmにわたって広がる本州最大の湿原である。尾瀬ヶ原は、季節を変えて、ミズバショウやニッコウキスゲを代表とする高山植物や紅葉に彩られ、訪れる登山者が絶えない。

 月曜日が代休になったので、三連休となった。どこの山に行こうか迷った。東北の山にもひかれたが、会津磐梯山のバンダイクワガタが咲き始めているころだろうと思い、まずはこの山が決まった。後の二日は、トガクシショウマを目的に尾瀬に入ることにした。尾瀬には季節ごとに入山しているし、ほとんどの登山道も歩いているが、テント泊を行っていなかった。日月の予定なら、静かな尾瀬を楽しめるはずであった。
 会津磐梯山なら早朝出発でも間に合うのだが、早起きが苦手のため、前夜入りした。夜の間は風が強く、雲の多い朝になった。
 バンダイクワガタがどこに咲くのか、詳しくは判らなかったが、沼の平から弘法清水付近までだろうと思い、猪苗代スキー場から歩き出すことにした。このコースは、2004年8月22日に歩いているので、様子は判っている。
 広い駐車場には、車も並んでいたが、山菜取りの者も混じっており、登山者はそれほど多くはないようである。
 ゲレンデ入口に登山道という標識はあるが、その先の数は少ない。ゲレンデの西端に続く管理道を歩くことになる。緩やかな傾斜の初心者用ゲレンデであるが、歩くとなると、きつい登りである。ゲレンデ中間部からは、ゲレンデの草地の中に続く踏み跡を登ることになる。最後に急斜面を登り切ると、尾根の上に出て、天ノ庭に到着する。ひと休みして、展望に目をやると、猪苗代の眺めが広がっていた。ここには、一合目の標識があるが、磐梯山では山頂が五合目で、合目標識は参考にならない。
 天狗の庭からは、赤埴山の山腹をトラバースする道が続く。先回は、赤埴山の山頂にも寄ったが、今回は磐梯山の山頂が雲に覆われているため、よらずに通り過ぎた。
 赤埴林道からの登山道が合わさると、その先で沼ノ平に到着する。鏡池や湿地を前景とした磐梯山の荒々しい岩壁の眺めを楽しむことができた。櫛ヶ峰と磐梯山、赤埴山に囲まれた火口原であるが、緑の色濃い台地になっている。
 イワハタザオやオオタチツボスミレの群落が広がっていたが、目的のバンダイクワガタは見つからなかった。
 火口壁のザレ場を登ると、櫛ヶ峰との鞍部に出る。裏磐梯側には、荒々しい爆裂火口壁が切り落ちている。1888年の大爆発によって、小磐梯山が吹き飛んだ跡である。ガスの切れ目から、銅沼を見下ろすことができた。頭上には天狗岩がそそり立っている。風が冷たく、雨具の上着を着込む必要があった。
 ガレ場を登っていくと、草原が広がるようになる。コイワカガミの群落が広がっていた。再びガレ場を登ると、弘法小屋に出る。ここまで来ると、登山者も多くなった。結局、ここまでバンダイクワガタは見つからないまま登ってきてしまった。
 ここまでくると、山頂も近いように感じるが、最後の登りで、汗をかかされる。潅木帯の中を登っていくと、磐梯山の山頂に到着した。ガスのために周囲の展望は閉ざされていた。一段下がったところで、風を避けて腰を下ろした。
 バンダイクワガタを探しながら、山を下ることにした。弘法清水を過ぎると、ガスも上がってきて、櫛ヶ峰や桧原湖の眺めも広がってきた。幸いにして、バンダイクワガタも見つけることができ、この日の目的を果たすことができた。小さな花で、見つけにくい花であった。
 最後のゲレンデの下りは、足も痛くなってきて疲れた。磐梯山には、様々なコースがあるので、機会があったなら、別なコースから登ることにしよう。
 先回は、登山口脇の幸陽の杜で温泉に入ったが、閉館中であった。現在は、スキーシーズン以外は、閉館になっているのかもしれない。
 芦ノ牧で温泉に入り、会津田島のスーパーで食料の買出しをして尾瀬に向かった。会津田島は、南会津での食料補給基地になっている。
 夕暮れ近くなって御池の駐車場に到着した。思ったよりも空いていたが、翌日の朝の混み具合が気になるところであった。
 御池からの尾瀬は、周回コースであるが、燧裏林道と沼山峠のどちらを先にするか迷うところである。御池から沼山峠までのバスは、日曜の早朝なら問題なく乗ることができるが、尾瀬沼から下田代十字路までの区間では、団体とのすれ違いで混み合う可能性がある。最初に燧裏林道から下田代十字路に入れば、その後の区間は月曜日のために、混雑に合う可能性は低いように思える。
 燧裏林道から下田代十字路へは4時間ほどで歩けるはずなので、ゆっくり起きだすつもりでいたが、他の登山者の物音で目が覚めた。まだ5時前であった。気になる混み具合だが、駐車場は空いていたし、団体の乗ったバスも入ってきていなかった。ニッコウキスゲの盛りであった先回の2007年7月21日は早朝から騒然としていたのとは違っていた。
 静かな燧裏林道に足を踏み出した。以前とは違って、木道もしっかり整備されて歩きやすくなっている。駐車場のすぐ先には、御池田代が広がっている。湿原の縁には、ミズバショウの花が並んでいた。
 姫田代、上田代、横田代が次から次に現れて、楽しい道である。平ヶ岳や荒沢岳の展望も広がっていた。晴天の下に聳える燧ヶ岳の山頂も望むことができた。
 渋沢温泉への道が分かれる天神田代を過ぎると、裏燧橋の吊橋に出る。その後は、ブナ林の中の坦々とした道になる。いつもなら、通過区間なのだが、今回は、目的があった。 三条の滝への分岐を過ぎた段吉新道でトガクシショウマが咲いているようであった。花を探しながらの歩きになった。大きな沢の脇の崖にトガクシショウマが咲いているのに出会うことができた。ザックを置いて、しばらく写真撮影に時間を費やした。地元ガイドに案内されたグループが到着し、話を小耳にはさむと、ここのトガクシショウマの群落は、多くなってきているとのことであった。
 その先の沢にもトガクシショウマが咲いているのを見かけ、この付近の沢には、トガクシショウマが自生している可能性が高いように思えた。
 温泉小屋を過ぎると、尾瀬ヶ原の端に出て、開放的な展望が広がった。燧ヶ岳と至仏山の山頂が、尾瀬ヶ原へようこそと言いながら姿を現した。尾瀬ヶ原のミズバショウは盛りを過ぎていたが、リュウキンカが黄色い絨毯を広げていた。
 下田代十字路に到着し、さっそく燧小屋で受付をして、テント場に入った。前夜泊のひと張りがあるだけであった。場所をどこでも選べるとなると、かえってまようことになるが、良さそうな場所を選んでテントを張った。
 時間も早いので、尾瀬ヶ原の散策をすることにした。竜宮十字路のベンチで昼食をとることにして、歩き出した。
 尾瀬ヶ原の花は、タテヤマリンドウが群落状態で、ヒメシャクナゲが盛り。ワタスゲの穂が広がり始めていた。登山者は、ミズバショウとニッコウキスゲのはざまとあって、そう多くはなかった。
 竜宮小屋でビールを買い、十字路のベンチに腰を下ろした。池塘を前景とした至仏山の眺めを楽しむことができた。
 ヨッピ橋から中田代三叉路、竜宮十字路と周回することにした。景鶴山、燧ヶ岳、至仏山と池塘の組み合わせで、変化に富んだ風景を楽しむことができた。
 中田代三叉路に出て頃は、登山者で賑わっていたが、再び竜宮十字路に戻ってきた時は、登山者も少なくなってきていた。
 下田代十字路に戻り、再びビール片手に夕方のひと時を過した。竜宮小屋泊まりのグループが去っていくと、尾瀬ヶ原にも静寂が広がった。
 テントに戻り、ラーメンとおにぎりのお手軽メニューの夕食をとった。iPodで音楽を聴いているうちに眠くなって、眠りについた。
 翌朝は、時間的余裕もあることからゆっくり眠っているつもりであったが、夜明けとともに鳴きだしたカッコウに起こされてしまった。
 朝霧のかかる尾瀬ヶ原を眺め、朝食をとっているうちに青空が広がってきた。テントを撤収し、尾瀬ヶ原を最後に眺めてから歩き出した。
 下田代十字路から尾瀬沼の間も木道が整備されて歩きやすくなっている。小屋泊まりの登山者は、朝食をようやくとっている頃で、歩いている者は少なかった。
 朝一番の歩きとあって、快調に歩き、汗ばむころには白砂乗り越しに到着した。この付近になると、残雪の上を歩くようなところも現れた。この区間では、ここが一番の難所になる。峠を越すと、箱庭状の白砂湿原に出て、歩きもひと段落する。峠を下ってきた所の湿原の縁には、ミズバショウが水の流れに沿って咲いていた。尾瀬ヶ原ではミズバショウをはずしていたので、ひと満足になった。
 沼尻に出たところで、南岸コースを通ることにした。北岸を通るよりは遠回りであるが、三平下近くのベンチで燧ヶ岳を眺めるつもりであったため、距離はそう変わりない。
 南岸コースは、木道が老朽化しており、残雪のトラバースが危険のため注意が必要という警告が掲示されていた。実際には、普通の登山道といったレベルであった。
 沼尻からすぐ先で、小沼湿原に出る。振り返ると、燧ヶ岳の眺めが広がっていた。南岸コースは、入り江を巻いていき、小さな上り下りもあるため、なかなか行程ははかどらない。途中で、尾瀬沼越しの燧ヶ岳の眺めが広がるところも出てきた。
 沼をどれほど回り込んだか判りにくくなったが、片品川に水を落とす取水小屋が現れると、その先で三平下に到着した。平日のためか、大清水からの入山者は少ないためか、登山者の姿は見られなかった。
 ミズバショウに彩られた湖岸を歩いていくと、木のテラスが現れる。ここからは、尾瀬沼に影を浮かべた燧ヶ岳の眺めを楽しむことができる。この日は、風によって湖面に波が立ち、影は消えていたのは残念であった。
 ひと休みの後に歩きだすと、長蔵小屋に到着した。ビジターセンターや尾瀬沼山荘も並んで、尾瀬沼観光の中心地である。設備も整っており、食事もすることができるが、時間も早いので、そのまま通過することになった。
 大江湿原は、尾瀬沼方面に進んでくる団体の列が続いていた。平日とあっても、沼山峠から尾瀬沼への入山者は多かった。幸い、反対方向のため、歩くのに支障はなかった。
 沼山峠への登りは、ひと頑張りにはなるが、他のコースに比べれば、楽といえる。峠を越して下っていくと、じきに沼山峠に到着した。バスが出発するところで、手を挙げて停まってもらい乗り込んだ。
 御池の駐車場には、早い時間につき、後は檜枝岐の温泉へと急いだ。

山行目次に戻る
表紙に戻る