金剛山、雪畑山、ドンデン山

金剛山、雪畑山、ドンデン山


【日時】 2008年5月10日(土) 日帰り
【メンバー】 佐渡汽船親睦登山会 63名
【天候】 曇り

【山域】 大佐渡
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 金剛山・こんごうせん・962.2m・三等三角点・新潟
 雪畑山・ゆきはたやま・1002.9m・四等三角点・新潟
 ドンデン山・どんでんさん・940m・なし・新潟
【地形図 20万/5万/2.5万】 相川/鷲崎、相川/小田、両津北部、金北山
【コース】 白瀬登山口よりドンデン山荘へ
【ガイド】 新潟花の山旅(新潟日報事業社)、大佐渡縦走トレッキングマップ
【温泉】 ニュー桂

【時間記録】 7:00 新潟港=(佐渡汽船ジェットフォイル)=8:00 両津=8:45 白瀬―9:24 白瀬登山口―10:00 タン平水路―11:33 組上―12:40 金剛山〜13:23 発―14:34 雪畑山―15:22 小芝園―16:29 芝尻山―16:54 ドンデン池―17:40 ドンデン山荘=19:30 両津港=(佐渡汽船フェリー)=22:00 新潟港
 大佐渡山脈縦走路として、金剛山からどんでん山を経て、金北山まで登山道が開かれている。距離も長いことから、どんでん山で区切る二日間コースとして歩くことになる。この縦走路の魅力は、途切れなく続くお花畑といって良い。

 4月中旬の雪割草を目的にした岨巒堂山と松倉山への佐渡汽船親睦山行に続いて、今回は金剛山からドンデン山への縦走山行に参加した。昨年、金剛山とドンデン山には、単独でそれぞれ登っているが、縦走は行っていない。ドンデン山から金北山への縦走は、会員バスを使えばなんとかなるが、金剛山の方は、登山口までタクシーを利用するしかない。五月に入った佐渡の花がどのように変わっているかを確かめるのも楽しみである。
 少し心配な天気予報が出ていたのだが、曇り空におさまってくれた。今回は、日帰りで、行きはジェットフォイル、帰りはフェリーである。参加人数も、60名を越える大人数になっていた。
 海は少し荒れ気味で、船酔いした人も出たようである。佐渡の山も何回か登ってお馴染みになり、両津港に入港する前の展望から、金剛山やドンデン山、金北山を見分けることができるようになった。
 バス二台に分乗して、白瀬に向かった。普通の観光バスであったため、登山口までは入れず、海岸沿いの大佐渡一周道路からの歩きになった。白瀬川沿いの車道歩きがしばらく続いたが、オドリコソウやツルニチリンソウが群落状態で咲いており、目を楽しませてくれた。佐渡の道路脇の雑草は、なかなか見ごたえがある。
 白瀬川を渡り、登山道に進む。廃田跡に植えられた杉林の中に続く薄暗い登山道であるが、さっそく、コウライテンナンショウやウラシマソウの花が現れた。今回は、二班に分けられていたが、写真撮影のために、一斑の最後を歩くことになった。
 緩やかな尾根上の歩きになると、周囲には雑木林が広がるようになる。昨年の4月22日に歩いた時は、ヒトリシズカの群落が広がっていたが、今回はすでに終わっていた。ズダヤクシュ、クルマバソウ、ハナイカダ、コケイラン、ホウチャクソウ、ギンランといった花を見ることができたが、少し地味な花になっていた。
 金剛山の標高は、1000mに僅かに届かないが、登山口の標高はおよそ0mのため、登るとなると、それなりに汗を流す必要がある。このような団体での歩きの経験は少ないが、体力に余裕がないと、辛い歩きになるのではないだろうか。
 高度が上がると、オオイワカガミが群落状態で現れてきた。季節が少しずつ春へと戻ってきた。
 急な登りが終わると、組上と呼ばれる芝地の広場に出る。目の前には、金剛山の山頂が迫ってきている。ひと休みの後に、最後の登りに取り掛かった。スミレサイシン、マキノスミレといったスミレ類の花が目立つが、雪割草の花は終わっていた。それでも、県外からの参加者は、一つ二つと咲き残りの花を見て喜んでいた。
 岩場の下に出て、右から回り込むと、金剛山の山頂に到着した。昼過ぎになっていたが、大休止になった。山頂には祠が置かれ、小広場になっているが、グループ全体が腰を下ろすと、足の踏み場の無いような満杯状態になった。
 金剛山の山頂からは、360度の展望が広がっている。昨年は、山頂到着と同時に雷が鳴る騒ぎで、早々に退散したので、ようやく展望を楽しむことができる。金剛山から一旦下った先に、大佐渡山脈の主稜線が横たわっており、目の前の高まりが雪畑山である。この日の歩きでの最高点になる。その左には、ドンデン山に至る稜線が広がっており、その向こうに、自衛隊のレーダードームを乗せた金北山の山頂が、さらに高く聳えている。右手に目を移せば、昨年登った一等三角点ピークの山毛欅ヶ平山も眺めることができる。海の方を向けば、両津湾や加茂湖を見下ろすことができた。北には鳥海山と思われる白いピラミッドが見えたが、すぐに雲に隠されてしまった。
 大休止の後、縦走の開始になった。金剛山から下っていくと、残雪も現れて、カタクリやキクザキイチゲのお花畑が広がった。この先、ドンデン山の芝地に出るまで、雑木林の林床には、このお花畑が広がっていた。今年の連休は暖かい日が続き、春の花も終わってしまったかと思っていたが、花の縦走路の魅力を充分味わうことができた。
 これだけ多くのカタクリがあるので、白花もあるだろうと探していくと、幾つか見つかった。曇り空で開ききっていなかったのは残念であるが、その一本は、雄蕊も黄色で、白花化が完全に進んでいた。佐渡では、毎回白花カタクリに出会っており、出現率は高いようである。
 ひと登りすると、雪畑山との分岐に出た。この分岐には、登山標識が置かれていたが、その先は、歩く者が少ないためか、薮っぽい道になった。
 ひと登りで雪畑山の山頂に到着した。その先の夏雪山にも興味があるのだが、山頂から先に続いている踏み跡もすぐに薮で隠されてしまうという。団体全体が集まれる山頂ではないので、すぐに下山に移ることになった。下り口からは、金剛山がピラミッド型の印象的な姿を見せていた。
 雪畑山から先の縦走路は、小さなアップダウンが続き、同じ地形の繰り返しのため、黙々とした歩きになった。ただ、登山道周囲の花は素晴らしく、カタクリ、キクザキイチゲの他に、サンカヨウ、ツバメオモトといった初夏の花も現れた。ザゼンソウもお花畑といって良いほどの群落状態で現れたが、登山道もぬかるんで、通過するのに手間取った。今回は、泥んこ道であろうという予想で、長靴を履いてきたのは正解であった。なぜか、今回の参加者は、トレッキングシューズのものばかりであった。
 しだいに時間が気になるようになった頃、ドンデン山の一郭の芝地に出た。アマナの花も多くあったが、夕方で花は閉じていた。
 ひと登りしたピークには芝尻山という標識が立てられていた。「大佐渡縦走トレッキングマップ」に書かれているのとは、位置が違っているので、注意が必要である。
 両津湾を見下ろしながら、芝地の中に通じる登山道を急いだ。
 尻立山への最後の登りに取り掛かるところで、右に逸れれば、ドンデン池となる。リーダーから、ここから、シラネアオイの群落に向かうがそれで良いかという相談があった。ドンデン山といっても、このあたり一帯をさしているため、縦走は完了したといっても良い。尻立山は昨年登っており、ピークハントはすんでいる。
 シラネアオイの群落に向かったが、予想以上の見事さであった。シラネアオイの大株がならんで、沢山の花をつけていた。花の縦走路の締めくくりに相応しい眺めであった。
 ドンデン山荘でバスに乗り、この後は、温泉、買い物、乗船と分刻みのスケジュールになった。
 帰りは、フェリーの利用で、2時間半の船旅であったが、夕食の弁当を食べ終わるなり眠くなってしまい、目が覚めると、新潟港に入港するところであった。
 今回も、佐渡の花を堪能することができた。4月から5月初旬にかけての佐渡のお花畑の素晴らしさは、別格といって良い。白馬岳あたりのお花畑の春山バージョンといってよいかもしれない。来年以降も、花を目当てに、佐渡を訪れたいと思っている。

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