大花山

大花山


【日時】 2008年4月29日(火) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 風倉山・かざくらやま・744m・なし・山形県
 大花山・おおはなやま・786.8m・三等三角点・山形県
【コース】 樽口峠より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/飯豊山/長者原
【ガイド】 知られざる山(白山書房)

【時間記録】 5:20 新潟=(R.7、新発田、R.290、R.113、玉川橋、小玉川 経由)=7:20 樽口峠展望台〜7:47 発―7:55 樽口峠―9:15 風倉山―10:05 大花山〜10:26 発―11:12 風倉山―12:10 樽口峠―12:25 樽口峠展望=(往路を戻る)=15:00 新潟
 大花山は、飯豊の飯豊本山から北股岳の主稜線の水を集めて山形県側に流れ下る玉川の右岸にある山である。飯豊の登山口の天狗平に向かう途中、長者原の手前で左手の川向こうに切り落ちた岩壁が目に入るが、これが大花山である。登り口の樽口峠には展望台の駐車場が設けられ、飯豊連峰の撮影スポットになっている。

 晴天の天気予報が出て、どこに行こうかと頭を悩ますことになった。この季節ならではの残雪を利用して歩く山が良い。久しぶりに飯豊の展望を楽しみたいと思い、あれこれ考えた。二王子岳なら素晴らしい展望を楽しめることは確実であるが、大賑わいのはずである。思いついたのが、大花山であった。以前、樽口峠からの登り口を偵察したところ、尾根沿いに踏み跡が続いていることを確認してあった。どこまで続いているかは判らないが、高度を上げれば、残雪が使えるはずである。登り口の樽口峠の展望台で飯豊の展望を楽しめるのも魅力である。少し早起きをして出かけることにした。
 長者原が近づくと、真っ白な飯豊連峰の眺めが広がった。玉川の対岸には岩壁が連なり、取り付きようの無い眺めであるが、反対側の樽口側は比較的なだらかである。樽口側から登った記録もあるが、自分の考えたルートで登るのが薮山である。
 泡ノ湯温泉手前で、樽口峠への車道が分かれるが、その入口には冬季閉鎖の柵が置かれ、道の半分をふさいでいた。峠まで歩いて登る覚悟もしていたのだが、除雪されたようで、道路に雪は無かった。先の様子を伺っている間にも、数台の車が先に進んでいった。
 樽口峠への道は、車のすれ違いには徐行が必要になるが、舗装されている。車を進めていくと、カーブを繰り返しながら一気に高度を上げて、展望台の駐車場に入ることができた。10台近くの車が停められており、周辺にはカメラマンが三脚を立てて撮影に余念がなかった。
 樽口峠は、飯豊の展望台として知られているが、確かに素晴らしい展望であった。飯豊本山は倉手山が少し邪魔をしているが、その右手には、梅花皮岳と北股岳、門内岳から地神山、鉾立峰とえぶり差岳、枯松山といったピークがそれぞれ特有の姿を見せながら並んでいた。石転雪渓も良く見えており、その上には、梅花皮小屋も見分けることができた。歩き出す前に、しばらく写真撮影に時を過すことになった。おそらく、下山してきた時には、この展望は靄って損なわれているはずである。
 駐車場の先の車道は、雪に覆われていた。さっそく雪上の歩きになった。今年は雪の締りが悪く苦労していたが、ようやくつぼ足歩きの季節になったようである。
 展望台から500mほど進んだところが本当の峠で、ここには、樽口峠とかかれた標柱が置かれている。この脇から尾根に取り付く。杉林の下生えは、背の低い笹で、始めははっきりしないが、明瞭な踏み跡が現れてくる。新緑のブナが並ぶ雪原が尾根に迫ってくるが、尾根の上までは広がってこない。しばらくは、忍耐の登りになった。谷の奥に大花山の山頂も見えてきた。山頂に向かっては雪原が広がっているので、そのうち気持ちの良い雪原歩きになるはずであった。急な所も現れたが、踏み跡を辿って通過することができた。
 700mピークで雪原が広がったが、その先の痩せ尾根では、薮の歩きになった。薮の下には、イワウチワの花が咲いていた。  風倉山と呼ばれる744mピーク一帯は、ブナの大木が並ぶ雪原となり、気持ちの良いところであった。風倉山の山頂は、雪が消えて薮が出ていた。踏み跡は明瞭であったが、山頂標識のようなものは無かった。
 大花山の山頂も迫ってきた。左手には崖が切り落ちていたが、稜線伝いには、なだらかな斜面が続いていた。
 この後は、雪堤が使えるようになって、気持ちの良い歩きが続くようになった。大花山への登りが始める手前の鞍部付近には、樽口方面から植林地が広がっていた。
 大花山への登りにかかるところで、アイゼンを付けた。つぼ足でも登れるのだが、連休本番の山行のため、靴にアイゼンが合うかどうかを確認する必要がある。標高差90m程を一気に登った。傾斜が緩んだところで細尾根を辿ると、雪の高まりになった大花山の山頂に到着した。木立の間から門内岳方面や枯松山、大境山、沼山が見えていたが、絶景というほどではなかった。飯豊本山も見えるようであったが、気温が上がったためか、霞んでいた。
 雪の上に腰をおろし、一人占めの山頂を楽しんだ。
 下りは、アイゼンの感触を確かめながらの雪原歩きになった。風倉山は、山頂直下をトラバースして通過した。その先でアイゼンを外し、薮尾根を下った。
 樽口峠の展望台に戻ると、あいかわらず、展望を楽しんでいる者で賑わっていたが、飯豊の展望は霞んでいた。大型三脚に中判カメラを付けて撮影している人がいたが、どのような写真を撮ろうとしているのやら。
 時間は早かったが、残雪のピークハントに満足して家路についた。

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