大山

大山


【日時】 2008年1月11日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 守門岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大山・おおやま・484.3m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/光明山
【コース】 大谷ダムより
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:40 新潟=(北陸自動車道、三条燕IC、R.289 経由)=9:20 大谷ダム〜9:35 発―11:15 大山〜12:05 発―12:45 大谷ダム=(往路を戻る)=14:40 新潟
 下田村から会津の只見へ抜ける国道289号線が、景勝地八木鼻を過ぎていよいよ山間部に入ろうとするところに、大谷川をせきとめてできた大谷ダムがある。大山は、この大谷ダムの左岸にたたずむ山である。山域としては、守門岳の北に位置する山であるが、大谷ダムを挟んで川内山塊と向かいあっており、絶好の展望台になっている。

 三連休の最終日は、快晴の朝になった。前二日のスノーシュー歩きで疲れも出ていたが、これでは山に出かけないわけにはいかない。晴の日の山として考えていた大山を目指すことにした。
 大山には、2001年3月3日と2006年1月29日の二回登っているが、川内山塊をはじめとする展望が良いことから、お気に入りの山になっている。また、この山ならほとんど知られていなため、雪山を独り占めできるはずである。
 下田に到着すると、八木鼻の岩壁や粟ヶ岳の眺めが青空をバックにして広がっていた。笠堀ダムへの道を左に分けて直進すると、大きなカーブを描いて、大谷ダムの湖畔へと上がっていく。除雪は、ダムの堰堤入口までになっており、その先の国道289号線は雪に覆われている。すでに車が一台と停められていたが、三脚にフィールドスコープを付けた、バードウォッチングかカモシカウォッチングの愛好家のようであった。
 スノーシューを履いて、国道289号線を歩き出した。大谷ダムの湖面の奥には、川内山塊の眺めが広がっていた。振り返り気味に見ると、烏帽子岳が真っ白な山頂を前山の上に見せていた。
 道路わきは、岩魚やヒメサユリを描いたタイル絵で飾られているが、その壁画を過ぎた先で、道路から別れて山に向かった。この取り付きは、東屋への遊歩道になっているようで、少し進むと、左上に東屋が見える。
 ここで、先の山行とは違って、右手の尾根に取り付くことにした。尾根の上にはひと登りで出たのだが、その先は小さなコブが連続し、短い区間であったが、雪にステップを切って登るのに苦労するところも現れた。この尾根を進むと、一旦下りになって、杉林の中で、左から登ってきた浅い谷間と合流してしまった。ここは、谷間をそのまま登ってくるべきであった。帰りには、そのように下った。
 鞍部からは、急な崖が目の前に横たわっている。登ってきた尾根の延長線が、急ではあるが、歩くことのできるコースになっている。
 しばらくは、雪にステップを切りながらの急登が続いた。初回もこの尾根を登っているのだが、この時は、尾根の途中で岩に突き当たり、右にトラバースしてから巻いて登った覚えがある。今回は、そのまま直登することができた。
 傾斜が緩むと、右手に沿った谷間が広がってくる。右手に延びる尾根の間に広がる雪原の登りになって、杉林の広がる標高400mの小ピークを目指すことになる。この付近の登りは、木立の間隔が開いており、体力的にはきつくとも、楽しい歩きになる。
 右手の尾根に移ると、標高400mの小ピークに到着する。杉林を抜けていくと、再び左右の尾根に挟まれた谷間に出る。杉林の広がる谷間の登りが始まる。雪がすくないのか、倒木を避けたりして、コースを細かく変える必要があった。山頂近くで、右手の尾根に上がる。
 山頂手前で、杉林を抜けると、背後には、川内山塊の大展望が広がる。一本岳を従えた粟ヶ岳。矢筈岳と青里岳といった川内山塊の両巨頭が並んで見える。光明山の山頂も、大谷ダムの上流部の奥に見えている。この眺めが目的であったので、山頂を目前としてザックを下ろし、写真撮影タイムにした。雲ひとつ無い青空が広がり、新潟の二月としては、まれな天気に恵まれて、展望を楽しむことができた。
 雑木林の中を進むと、すぐ先で大山の山頂に到着する。山頂標識や赤布のようなものは無い、すっきりした山頂である。
 そのまま先に進んで、南西に延びる尾根を下ると、マッタホルン状の鋭峰が見えてくる。真っ白な雪原の向こうに見える姿は、この山は無名峰で、標高も645mしかないことを知ると、驚きさえ感じてくる。この眺めを知る者は、めったにいないはずである。大山の西斜面は伐採地になって、このような雪原が広がっている。一番近い濁沢の集落からでも尾根を一本越してくる必要があり、冬は隔絶された世界になっている。
 雪原の向こうには、ブナの大木が数本並んで、鋭峰の良い前景になっている。雪原に足を踏み入れて少し進むと、大守岳の眺めが広がった。切り立った火口壁をめぐらして、荒々しい姿を見せていた。
 眺めを楽しんだ後は、山頂下をトラバースして、登りのトレースに戻った。他のコースから下山することも考えられたのだが、晴天で気温が上がり、雪がゆるんできていた。充分楽しんだということで、来たコースを戻ることにした。
 
山行目次に戻る
表紙に戻る