箕輪山、甚九郎山

箕輪山
甚九郎山


【日時】 2008年2月2日(土)〜3日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 2日:曇り 3日:曇り時々雪

【山域】 安達太良連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
箕輪山・みのわやま・1728m・なし(1716.4m・二等三角点)・福島県
【コース】 箕輪スキー場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/二本松/安達太良山
【ガイド】 山と渓谷 2007年2月号
【料金】 クワッドCリフト 600円
【温泉】 横向温泉ホテルマウント磐梯 600円

【山域】 裏磐梯
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
甚九郎山・じんくろうやま・1180.8m・三等三角点・福島県
【コース】 狐鷹森より
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/吾妻山/桧原湖
【ガイド】 なし

【時間記録】
2月1日(金) 21:30 新潟=(磐越自動車道 経由)=23:00 磐梯山SA (車中泊)
2月2日(土) 7:20 磐梯山SA=(磐越自動車道、猪苗代磐梯高原IC、R.115 経由)=8:30 箕輪スキー場駐車場〜9:10 発=(クワッドCリフト)=9:20 クワッドCリフト山頂駅―9:34 Dリフト終点―10:50 箕輪山〜11:05 発―11:50 Dリフト終点〜12:07 発―12:12 クワッドCリフト山頂駅―12:40 車道―12:50 箕輪スキー場駐車場=(R.115、R.459 経由)=裏磐梯高原  (車中泊)
2月3日(日) 8:00 狐鷹森―8:17 林道―9:22 甚九郎山―10:07 車道―10:24 狐鷹森=(R.459、R.115、猪苗代磐梯高原IC磐越自動車道 経由、)=13:40 新潟
 箕輪山は、安達太良連峰の北部にあり、連峰の最高峰である。縦走路を始め、この山頂に直接登る登山道も整備されているが、冬季は、西山麓に広がる箕輪スキー場から短時間で登ることができる。

 甚九郎山は、裏磐梯の桧原湖の東湖畔にある山である。登山道は無い山である。

 ここのところ、週末ごとに悪天候にみまわれてきたが、ようやく土曜日に良さそうな天気予報が出た。急遽、裏磐梯方面に出かけることにした。
 土曜日には、箕輪山を登ることにした。昨年の同時期の2月3日に登ったが、この時は悪天候となり、山頂部はホワイトアウト状態で、展望を楽しむどころではなかった。
 箕輪スキー場は、新潟を朝出発しても間に合うが、早起きは苦手なので、前夜のうちに磐梯山SAまで入っておくことにした。
 高速を下りた猪苗代周辺の道路に雪は無かったが、中ノ沢温泉入口を過ぎる頃には、圧雪状態になった。到着した箕輪スキー場の広い駐車場もまだ空いていた。スキーブームも去って、以前のような混雑は見られなくなっている。
 レストハウスで、クワッドCリフトの券を一枚買い、登山届けの用紙に記入した。ここのスキー場の駐車場は無料なので、リフト一回券だけの出費は少々申し訳ない気もする。 駐車場から見上げる箕輪山の山頂は、雲に覆われていた。気温は低いものの、風は無く、穏やかな陽気といっても良い。ゲレンデ周囲の木立は霧氷に彩られており、風景が期待できた。雲が消えることを期待して登山を開始することにした。
 メインのクワッドCリフトは、8時半頃から運転を開始しており、早くもスキーヤーが滑り下りてきていた。リフトに乗ると、標高差330m程を一気に上がってしまう。リフトの右手にはゲレンデが広がっているが、左手斜面のブナ林は、霧氷に美しく彩られていた。カメラで撮影したところだが、ザックを落ちないように支えているので、その余裕がないのが残念であった。
 リフトから下りたところでスノーシューを履き、北側の斜面に取り付いた。箕輪山は、下りはともかく、登りに関しては、高い方に向かっていけば良いのだが、少し右寄りに進むと、地図には記載されていないDリフトの山頂駅に到着する。先回は運行していなかったので気がつかなかったのだが、このDリフトは、以前は良くあったTバーリフトと同じもので、Jバーと呼ばれているようだが、円盤を股にはさんでワイヤーでもって引っ張り上げられるものであった。スノーシューでは、このJバーは、利用のしようはないが、山頂まで何も目印がないので、とりあえずは、このDリフトの山頂駅を確認しておくのが良い。
 Cリフトの山頂駅まではブナ林が広がっているのだが、この付近では代わりに、オオシラビソなのか、針葉樹林帯が広がるようになった。樹氷が発達しており、気象条件の厳しさがうかがわせられる。
 この先で、密な針葉樹林帯が広がり、ここの突破が難関になる。雪のベルトをうまく辿ってここを抜ける必要があるが、迷路のような感じである。先回は、強引に突破しようとして雪の付いた木の枝をくぐったりして苦労したが、今回はうまく抜けることができた。
 その上からは、潅木が頭を出す雪原に変わる。雪も締まっており、快調に登ることができた。ただ、相変わらず雲はかかったままで、視界が広がるのを待つため、ゆっくりと登る必要もあった。
 潅木帯も過ぎて一面の雪原が広がるはずであったが、波がそのまま凍りついたような凸凹斜面ができていた。その表面は、海老の尻尾、あるいは針葉樹の葉状の雪に覆われていた。尻尾は、山頂に向かって右手に伸びていたので、そちらが風上。すなわち、南風が吹いてできたもののようである。スノーシュー歩きで踏みつけるぶんに支障はないが、山スキーではスキーが引っかかって苦労しそうである。
 GPSを時折確認しながらの、ひたすらの登りが続いた。ようやく山頂台地の一郭に到着すると、ここでコースは左に変わる。その先は、大岩の脇を歩くことになる。下山時には、この岩の所で、コースを変える必要があるので、目印として確認しておく必要がある。
 箕輪山は、奥に進んで少し下がったところに三角点が置かれているが、鬼面山と安達太良山方面を示す案内標識が置かれている広場付近を山頂としている。標識も樹氷と化していたが、大部分を雪の上に出ていた。脇に大きな岩があるのも、目印になる。
 リフトの山頂駅からは、1時間15分の登りであった。昨年の9月2日に登った時の夏道では、リフトの山頂駅までは40分。そこから山頂までは1時間であったので、リフトが利用できる冬山の方が、箕輪山には楽に登れるということになる。ただ、難所は無いが、目印のない一面の雪原のため、コース判断にはGPSを持つなどの慎重さが必要である。安達太良山塊では、ここが最高峰であるので気象条件も厳しいようで、冬山として慎重に行動する必要がある。
 展望が開けるのを少し待ったが、薄日が時折さすものの、雲が切れる気配はなかった。諦めて、下山することにした。登り自体は楽なので、晴の日に当たるまで、また来ることにしよう。
 下り始めてすぐの方向変えを終えれば、後は下る一方になる。雪の上に残されたスノーシューの爪の跡を辿りながら、下り続けた。一旦見失うと、そのまま見つからないので、時折立ち止まって、探す場面もあった。
 雲の境界の下に出ると、スキー場の眺めも広がるようになった。樹林帯を抜けてゲレンデに戻った所で、ひと休みにした。桧原湖や磐梯山の眺めも広がっていたが、磐梯山の山頂は雲に隠されたままであった。
 結局、この日の箕輪山への登山者は、私だけであったようである。先回も、一人出会っただけである。近くの安達太良山や西大巓と比べても、箕輪山の登山者は少ないようである。同じようにリフトを利用できる冬山なので、今後人気がでるかもしれない。
 Cリフトの山頂駅からは、ブナ林の中の下りになる。雲の切れ間から日の光も差し込むようになった。光が移ってくると、林の中は、木に付いていた霧氷の落下で、局所的な吹雪状態になった。この現象をなんと呼ぶのかはしらないが、「日向吹雪」と、かってに呼ぶことにした
 途中で、左手に沢が始まる。この左に移動すれば、リフト沿いの下りになる。先回歩いた時は、リフトの脇を歩くことになって、リフトに乗ったスキーヤーに見られるのが、ちょっと嫌な感じであった。今回は、沢の右手斜面を下ることにした。このコースも歩きやすい尾根であった。最後は、尾根を右に外して下ると、横向温泉脇で車道に出た。このコースの方が静かな歩きができて良い。
 車道歩きでレストハウスに戻り、下山報告をした。お腹も空いていたので、二階の食堂でマレイシアカレー(900円)を食べたが、ボリュームもあって、美味しかった。最近のゲレ食も美味しくなってきたようである。
 横向き温泉に車を移動させて、温泉に入った。時間も少し早いせいもあるのか、一人占めの浴槽であった。
 翌日のために、裏磐梯に移動した。裏磐梯の桧原湖と小野川湖に挟まれた山塊の山としては、簗部山と大早稲沢山には登っていたが、甚九郎山にはまだ登っていなかった。
 地図を見ると、南山麓の狐鷹森周辺には、家が点在しているように記されている。除雪区間がどうなのか判らなかったので、前日のうちに偵察しておくことにした。
 休暇村裏磐梯から曽原湖の脇を抜けると、狐鷹森へは東と西の二本の道路が通じている。狐鷹森一帯にはペンションが建ち並んでいた。
 土曜の夜の冷え込みは厳しく、いつになく寒く感じられた。朝には、車の中のペットボトルの水がシャーベット状に凍っていた。
 狐鷹森からの取り付きの尾根には、東西に二本平行して走る車道のうち東よりの方が近くなるが、途中の坂道の道路の凍結が怖かったため、僅かに遠くなるが、西側の車道末端から歩き出すことにした。
 朝のニュースで、東京は雪が積もって大騒ぎになっているようあった。ここ裏磐梯も雪が降り出しており、この後本降りになる可能性もあり、早めに登山を終えるのが無難のようであった。
 車道終点から雪原を越えて尾根に取り付いた。雑木林の広がる尾根を登りはじめると、雪に閉ざされた家が現れた。この付近は、かなり奥地まで分譲地が広がっているようである。
 ひと登りで、トラバース気味に走る林道に出た。地図にも出ている、水平に走る破線の正体であった。
 雪もあまり潜らず、快調な登りを続けていくと、1007m点の手前で、右手の枝尾根からスノーシューのトレースが合わさった。どうたら車道終点部から登ってきたようである。帰宅後調べると、地元のペンションがスノーシューツアーとして団体で歩いたことが判った。
 このトレースのおかげで、歩くのも楽になってしまった。トレースは、幾筋もついていたが、バラバラに歩いた形跡は無く、前の者が歩いたトレースをそのまま辿っているようであった。登りはともかく、下りは、踏み跡が無い所の方が歩きやすいので、スノーシュー初心者ばかりの集団のようである。
 晴れていれば、背後に桧原湖の眺めが広がっているのであろうが、雪のために展望は閉ざされていた。
 山頂が近づくとブナ林も広がるようになった。結局、1時間20分の登りで甚九郎山に到着した。スノーシューの日帰りコースとしては、手頃といえる。山頂は、雑木林に囲まれており、晴れていても展望はなさそうであった。
 山頂は風も強かったため、すぐに下山に移ることにした。しっかりトレースのついた道を引き返すのも面白くないので、谷を挟む、東側の尾根を下ることにした。最終的には、曲沢沼の北の別荘地に下り立つはずであった。
 こちらは、トレースがなく、ふかふか雪を楽しみながら下ることができた。ブナ林もこちらの方が見事であった。
 途中で破線に示されている林道が現れるはずであったが、一気の下りのためか、気が付かないまま、尾根末端まで下りてしまった。右手に沢を渡ると、その先で、別荘地が見えてきた。もう少し雪原を辿ろうと思って、下っていくと、水面が現れた沼に行き当たった。仕方がなく、民家の間を通って車道に出た。ここは、車道の終点部で、すなおに車道に出た方が良かったようである。
 後は、車道歩きであったが、西に走る車道に移るために、僅かな区間であったが、スノーシューを履く必要があった。
 この先の天候悪化も気になり、これで山歩きは終わりにして、家に帰ることにした。

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