嶽薬師

嶽薬師


【日時】 2008年1月20日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雪

【山域】 朴坂山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 嶽薬師・だけやくし・391m(386.7m・四等三角点)・新潟県
【コース】 小岩内より往復
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/中条、小国/坂町、越後下関
【ガイド】 無し
【温泉】 胎内グランドホテル 300円

【時間記録】 7:15 新潟=(R.7、十文字、R.113 経由)=8:45 小岩内〜9:05 発―9:57 油こぼし―10:08 姥杉―11:03 稜線上―11:14 嶽薬師〜11:40 発―11:57 姥杉―12:03 油こぼし―12:35 小岩内=(往路を戻る)=14:40 新潟
 日本海の海岸平野部と荒川、女川の間に挟まれた一帯には、標高200〜400m程度の山塊が広がり、朴坂山塊と呼ばれる。嶽薬師は、荒川河畔にあり、三角形の山頂が良く目立つ山である。山頂には、お堂があり、麓の小岩内から参道が通じている。

 前日の山古志での深雪での悪戦苦闘から、雪が少しは少ないであろう嶽薬師を登ることにした。この山には、雪の季節にも登っているが、先回の山行からは少し時間が開いている。  中越方面はともかく、下越方面の雪はどうなのだろうと思っていたが、やはりまとまった雪があったようである。坂町付近の道路は、圧雪状態になっていた。小岩内の集落入口の交差点部は、路肩も広く、ここに車を置くことができる。登山者用の駐車場も登り口の薬師堂下に設けられているが、冬季は雪に埋もれて入れない。
激しく降り出した雪も、出発の準備を終えて歩き出す頃には小降りになっていた。集落内を抜ける道は、坂を登った突き当たりを左折し、民家の間を抜ける。少し複雑だが、標識も置かれている。
 地図には嶽薬師と書かれているが、標識の中には、薬師岳と書かれたものもあった。反対の桂集落には薬師山と書かれており、山の名前は一定していない。おそらく、地元では、山頂のお堂にちなんで、お薬師さまなどと呼んでいるのであろう。  墓地を抜けた先のお堂の脇から登山道が始まっている。一段下には、登山者用駐車場も設けられているが、田圃の中を抜けてくる道は雪に埋もれており、歩きにしても、集落内を抜ける昔ながらのルートの方が楽である。
 歩き出してみると、雪には、少し前のトレースが残っており、あまり沈まないスノーシュー歩きになった。ただ、トレースの幅は狭いため、スノーシューの脇をひっかけないように足さばきに注意する必要があった。
 緩やかな尾根歩きがしばらく続く。この道は、尾根の左右に回り込みながら、小ピークは巻いていく。木材を引いて下ろした昔の作業道のような感じがする。
 雑木林に囲まれた道が続くが、見晴らし台と油こぼしで、展望が開ける。関川河口部の日本海の海岸線が、眼下に遠ざかっていった。
 油こぼしというと、宗教登山の山で良く見かける地名で、急登になるのが普通であるが、ここは、大きなジグザグ道が付けられていることもあり、難なく通過することができる。この先で台地に出るので、山裾をたどって、奧の杉木立をめざす。
 杉林の奧には、姥杉と呼ばれる樹齢800年の古木がたたずんでいる。根元から数本の幹が別れているようだが、下部は雪に埋もれている。横に延ばした枝は、風雪のために折れているが、それも雪国の杉らしい力強さを見せている。
 ここまではトレースに助けられて、楽勝気分であったが、その先でトレースは無くなっていた。楽をしたければ五頭山に行けばよいので、ラッセルをしにきたので本望ではあったが、雪原に足を踏み入れたとたんに、これは大変と思った。底なし沼状態の新雪で、膝上まで潜る状態であった。
 夏道は、大きくトラバースするように続くのだが、完全に雪に隠されていた。ここからは、歩きやすいところを狙って、直登することになる。左に斜上してから直登を開始した。一歩足を出すのも、容易でない登りになった。息が上がって立ち止まり、振り返ってみると、取り付きは、すぐ下であった。稜線の空が抜けて見えるようになると、笹の枝が雪の上に出て、コースを細かく変える必要も出てきた。最後は、窪地にあるうがい池の脇の高見で、登山道の続く稜線に出た。ここからは、山頂までそう遠くはない。直線距離200m、標高差100m、夏道なら10分のところに、1時間かかった。この先は、雪は深いものの平坦なため、問題なく歩くことができた。
 ようやくお堂の置かれた山頂に到着した。お堂の軒下の竜の彫り物にも久しぶりにご対面。お堂の背後に回り込むと、休憩に良い広場になっており、そこから高坪山から白鳥山、関川の河口部の眺めが広がる。曇り空のため、佐渡島は隠されていた。
 お堂の縁側に座って、ひと休みにした。このお堂を訪れる者も、しばらくはいないであろう。
 下りは、深雪を楽しむ余裕も出てきて、急斜面を雪玉と競争するように下った。姥杉にはあっという間に戻り、後は緩やかな道をとぼとぼと歩いた。

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