ねずみ薬師

ねずみ薬師


【日時】 2008年1月2日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 加茂丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 ねずみ薬師・ねずみやくし・285m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町
【コース】 八木前バス停より
【ガイド】 新潟県ふるさとの散歩道(新潟県観光協会)

【時間記録】 8:20 新潟発=(北陸自動車道、三条燕IC、R.289 経由)=9:50 三叉路〜10:10 発―10:35 ゲレンデ下―11:07 ゲレンデ上小ピーク―11:40 ねずみ薬師〜11:50 発―12:02 ゲレンデ上小ピーク―12:14 ゲレンデ下―12:25 三叉路=(往路を戻る)=12:30 新潟

 ねずみ薬師は、下田村の代表的景勝地の八木鼻に向かい合う五十嵐川左岸の山である。昔は庭月集落の祭神が奉られ、信仰の山として、近郷近在の参詣者が多く訪れたという。現在ではお堂や祠といった物は失われ、山頂の杉木立が僅かに昔を偲ばせるだけである。ねずみ薬師へは、かつて下越スキー大会が開かれたこともあるというスキー場を経由するコースと、庭月からの登山道が整備されている。雪の時期にも短時間で登ることができるが、雪原の登りや短いが急斜面も現れ、展望も楽しめるスノーシュー向きのコースである。

 新年の歩きはじめは、今年の干支にちなんで、ねずみ薬師に登ることにした。今年の干支のねずみにちなんだ山というのは、なかなか思い浮かばないが、正月にも登れる手頃な山がある以上は、登っておくことになる。
 新潟の郊外に出ると、急に雪が現れた。三条から下田に向かうにつれて、雪の量は増し、除雪車が出動する状態になっていた。ねずみ薬師には、雪山としては2006年2月26日に登っており、先回は、笠堀ダムと吉ヶ平への道の三叉路にある駐車スペースに車を停めた。今回は、路肩スペースの大部分は雪に埋もれていたが、車一台分が除雪されていた。
 まずは、いい湯らてい手前の橋に車を進め、ねずみ薬師の山頂の写真を撮った。八木鼻の大岩壁も、雪をまとった美しい姿を見せていた。
 先回は、三叉路から直接取り付いてショートカットしたが、今回は、通常のコースを歩くことにした。車道を少し戻ると、八木前のバス停があり、その脇に用水堀にかかる橋がある。そこから林道が延びており、これを辿ることになる。
 道路から雪に足を踏み入れると、いきなりはまり、最初からスノーシューを履くことになった。行き交う車からは、どのように見えていたことやら。
 しばらくは、林道歩きが続いた。スノーシューでももぐる状態で、体力切れに注意する必要があった。時折薄日もさし、気温も高くなっていた。帽子や手袋もいらず、上は山シャツだけで歩くことができた。
 ひと汗かくと、スキー場跡にでる。屋根や壁に穴が開いた小屋が建っている。ここからは、ゲレンデ上の小ピークめざしての雪原の登りになる。息を整えるために足を止めて振り返ると、まだ大して登っていなかった。登るに連れて、八木鼻の大岩壁と袴腰山の素晴らしい展望が広がるようになった。めざすのが、200mほどのピークとは思えない眺めであった。疲労のため足が止まりそうなのも、目的地の標高からしたら、一般常識からは外れている。
 小ピークが迫ると、傾斜もきつくなった。足場を踏み固めないと、次の足が出ない状態になった。浮力の大きいスノーシューなので、一人でのラッセルでも歩き続けられたが、わかんであったら、無理であったかもしれない。
 小ピークの上に出ると、笠堀ダム方面の眺めが広がった。烏帽子岳が、険しい岩壁をめぐらせた姿を見せていた。ねずみ薬師の山頂も、まだ高いところにあった。もうひと頑張りの覚悟が必要になった。
 しばらくは緩やかな尾根歩きになる。登山道が整備されているが、木の枝が倒れこんでおり、ストックで雪を落とさないと通過できず、時間が余計にかかった。
 山頂が近づくと、雪に胸がつくような急斜面が現れた。雪が柔らかいため、滑落の心配はなかったが、登るのに苦労した。
 傾斜が緩やかになると、ねずみ薬師の山頂に到着した。小広場になっており、杉木立に囲まれている。ベンチも置かれているが、雪に埋もれていた。山頂の縁に立って、眺めを楽しんだ。田圃も里も雪に埋もれていた。晴れていれば、川内山塊の眺めを楽しむことができるのだが、烏帽子岳の奥は、雲で隠されていた。穏やかな日に登れたことで、満足するべきであろう。
 スノーシューでの下りは早い。カメラを首から下げてのお気軽歩きであったが、登りは1時間20分かかったのが、30分で下ってしまった。
 今年の山歩きは、いきなりのスノーシューラッセルで始まったが、楽しいスタートになった。

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