花見山

花見山


【日時】 2007年12月22日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 菅名山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
花見山・はなみやま・649.1m・三等三角点・新潟県
【コース】 小山田ヒガン桜樹林公園駐車場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/馬下
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:50 新潟=(R.49、馬下橋 経由)=9:50 小山田彼岸桜駐車場〜10:12 発―10:35 あずまや分岐―11:13 鉄塔分岐―11:45 花見山〜12:18 発―12:38 鉄塔分岐―13:00 あずまや手前分岐―13:15 小山田彼岸桜駐車場=(往路を戻る)=14:30 新潟

 阿賀野川左岸に広がる菅名連峰は、新潟市内からも良く眺めることができるが、とりわけ目を引くのは、左に位置する鳴沢峰の鋭鋒である。この鳴沢峰から西に延びる尾根上に、大谷山と花見山という二つのピークがある。地図上にも名前が記載されておらず、また背後の主稜線に目がいって見落としやすいピークであるが、花見山には三角点が置かれている。最近までは、送電線の巡視路を利用し、ヤブコギでようやく立つことのできたこのピークにも、現在では登山道が切り開かれている。花見山の山頂は、灌木帯となって周囲の展望が開けている。菅名山塊の縦走路として花見山を通過するのも良いし、このピークだけを目的として半日行程の登山を楽しむこともできる。

 三連休とあって、北関東の陽だまり登山を計画していた。金曜日の昼の天気予報を見ると、南岸を低気圧が通過し、関東地方は雨になるという。それに対し、新潟は曇り。遠出は諦めて、家からの日帰り山行に変更した。
 急な計画変更で、どの山に登るか頭を悩ますことになった。それなりの展望が期待できそうなので、花見山を登ることにした。二王子岳、五頭山、白山あたりは、かなり賑わいそうであるが、混雑した山頂は好きではない。
 菅名山塊が近づくと、麓は茶色であるが、山頂部は白く染まっているのが目に入ってきた。スパイク長靴で充分と思ったが、念のためにわかんを背負うことにした。最近では、雪山ではスノーシューを使うことがほとんどであるが、念のためという場合には、軽いわかんの出番になる。先シーズンの雪山でもわかんを何回か背負ったが、実際に履いたことはなかったのではないだろうか。
 登山口の小山田彼岸桜駐車場へは、小山田の集落から菅名岳登山口に続く林道の途中にある。春の桜のシーズンには賑わうようで、林道沿いに広い駐車場が設けられている。登山口の駐車場には、一台の車が停められているだけであった。
 橋を渡ると、遊歩道の登りになる。最初は急坂で、階段登りで、いきなり息があがる。砂防ダムの脇を通過し、尾根に出ると、桜の古木が並ぶ公園に出る。下生も少なく、気持ちの良い園地になっている。気になるのは、切り株が目立つことであった。枯れた木を切り倒したようである。
 桜並木に沿って登っていくと、公園上部の尾根上に出る。花見山は、右に進む。この分岐のすぐ下には、あずまやが置かれている。
 杉林を抜けると、送電線の鉄塔下にでる。すぐ上で、左から送電線の巡視路が合わさる。この先は、送電線の下の歩きなる。急坂であるが、細かくジグザグを切ったあるので、歩きやすい。この付近から急に雪が現れた。この急坂を終えると、鉄塔の下に出て、めざす花見山の山頂が目に入ってくる。その先の岩場風の高まりの下には石の祠が置かれており、昔から地元の人に登られてきたようである。
 わずかに下った後は、尾根の登りが続く。最初は、雪と一緒に落ち葉が滑る道であったが、すぐに本格的な雪道に変わった。465m地点で左に送電線の巡視路が分かれるが、迷い込み防止のためにロープが張られていた。
 この先は、傾斜も増し、最後の踏ん張りどころになる。ここから山頂までは標高差で200mに満たないが、一気に雪の量が増えて、傾斜が緩んで山頂のいっかくに到着するころには、膝まで潜る状態になっていた。途中で単独行とすれ違い、踏み跡は付いていたが、それでも雪に足が取られる状態になった。
 花見山の山頂は、すっかり雪に覆われており、三角点の場所は判らなくなっていた。以前は無かった鐘が取り付けられていた。この上には、大谷山という標識が付けられていたが、藤島玄氏の「越後の山旅」では、この先の660mピークが大谷山とされている。今後、混乱が生ずる可能性がある。大谷の集落から見えるのは、このピークなのだが、阿賀野川右岸の国道49号線からは、二つのピークが並ぶ姿が目に留まり、二つのピークのそれぞれに名前が必要になる。
 期待していた以上の展望が広がっていた。阿賀野川の対岸には五頭山塊が大きく、その右手には、飯豊連峰が長く広がっていた。今回は、望遠の効くズームレンズを持ってきていたので、大日岳や北股岳のアップの写真も撮ることができた。距離は少し遠いが、飯豊連峰を横から眺めることのできる、隠れた展望台といえる。東には、ピラミッド型の鳴沢峰が印象的で、その右には菅名岳が並んでいる。稜線の続きに大蔵岳も見えているが、どこが山頂か判らない印象の薄さである。その肩からは、白山が山頂を覗かせていた。阿賀野川や新潟平野を見下ろすことができる。歩行時間が短いので、ビールは飲めず、コーヒーを片手に、展望を楽しんだ。
 1時間半ほどの登りで、これだけの展望を楽しむことのできる山ではあるが、この日の登山者は、三人だけであった。

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