能化山

能化山


【日時】 2007年11月11日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雨

【山域】 蒲萄山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 能化山・のっけざん・380.5m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/村上/柏尾
【コース】 間島登山口より周回
【ガイド】 新潟日帰りファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】
8:30 新潟=(R.7、蓮野IC、R.113、荒井浜、R.345、村上、R.345 経由)=10:00 間島登山口〜10:14 発―11:22 能化山〜11:34 発―12:11 間島登山口=(往路を戻る)=14:10 新潟

 能化山は、蒲萄山塊の南部の日本海側に位置する山である。羽越線の間島駅が起点となり、柳沢コース及び焼山コースの二本の登山道が整備されて周回できる。山行からは、日本海と粟島の眺めが広がっている。

 雨の日曜日になった。朝起きると小雨のため、軽い山に出かけようと思い、頭をひねることになった。そこで思いついたのが、能化山であった。
 能化山に登ったのは、1998年9月5日であるので、かなりの時間が経っており、最近は新たに登山道が整備されて周回できるようになったようである。蒲萄山塊は、以前集中して登ったが、低山は少し時間が経つと様子が変わっており、そろそろ登り直す必要があるかなと思っていた。
 村上から笹川流れ沿いの国道345線に進む。能化山は、蒲萄山塊の南端近くの山なので、すぐに登山口の間島に到着する。集落の北側から集落内に進む旧道の入口に能化山の案内板が置かれている。線路を渡り、右折して集落の山側に続く車道に進む。400mほどで、畑の脇に路肩帯があり、ここが登山口になる。能化山登り口の大きな看板も置かれているので見落とすことはない。  登山届けのポストに加えて、熊注意の看板が置かれているのが目立っていた。蒲萄山塊の山側は、国道7号線が境界になっている。以前、初冬に登った時に、雪の上に熊の足跡を見て、蒲萄山塊には熊がいるのだと驚いた覚えがあるが、改めて熊の存在を確認することができた。
 到着してひと休みしている間に雨が降り出して、雨具を着ての出発になった。幸い、小雨で歩く支障にはならず、この雨もすぐに止んでくれた。
 まずは、以前にも歩いている柳沢コースから登ることにした。畑の脇から山道に進む。すぐに道が左右に分かれるが、その上の台地で合わさる。台地に出ると分岐があるが、山に向かう右の道に進む。一部の畑は、まだ野菜が植えられていたが、放棄されたのか、草が茂っているところもあった。
 谷間に入っていくと、谷奥に続く山道から分かれて、尾根に向かう道が現れた。ここには、能化山の標識が置かれていた。  尾根に上がると、なだらかな登りが続くようになった。150mピークは北側を巻いて通過した。山仕事のために、平坦な道が付けられたようである。道は溝状に窪んでおり、古くから使われてきた山道であることが判る。
 谷奥に山頂がうかがわれるようになると、登りの傾斜も増してきた。登山道周囲の木立は、黄色一色に染まっていた。かつて、塩作りのための薪に山の木は切られたとのことで、大木は無く、細い木ばかりであるが、美しい色であった。
 尾根の北側の谷に舗装道路が延びているのが目にとまった。林業が盛んとも思えない昨今、新しい林道が必要なのだろうか。
 稜線にのって南に向きを変えると、傾斜は緩やかになった。鳥の巣箱が数多く付けられていた。
 能化山の山頂は、ベンチも設けられた刈り払われた広場になっていた。まずは三角点を探したが、見つからなかった。先回の記憶では、山頂広場入口の登山道脇にあったと思う。探し回って、広場の手前よりの、延びたススキの根元に見つかった。刈り払いによって、山頂広場の形が変わったようである。
 山頂からは、粟島や日本海の海岸線の眺めが広がっていた。山側の展望も開けており、鷲ヶ巣山の山頂が雲の中から姿を現していた。朝日や飯豊の眺めも広がっているようであったが、雲に隠されていた。木立が切られて、以前よりも展望は良くなっていた。
 下山は、焼山コースに向かうことにした。ガイドブックには、「焼山コースは杉造林地が多く展望も良くない」と書かれて、詳細は省かれている。そのために歩く者が少ないのか、歩き始めは薮の枝が体にぶつかる状態であった。夏草が茂っている時期だと、歩くのに躊躇してしまうかもしれない。
 しばらく南に稜線を辿ると、南西にコースを変えて、急な下りが始まった。傾斜が緩やかになると、はっきりした山道が続くようになった。この山道も、溝状に抉られており、かつて切り出した木材を運んだ跡なのかもしれない。  標高を落としていくと、再び木立は黄色く染まるようになった。谷向こうには、登りに使った尾根を眺めることができた。麓が近づくと、赤松が見られるようになったが、最後まで杉の造成地は現れなかった。展望が良い訳ではないが、登りに使った柳沢コースとそれほど違う訳ではない。せっかく二本整備された登山道であるなら、周回コースとして歩くのが良い。登山者が敬遠してしまうような紹介文は、ガイドブックとして相応しくないと思う。
 最後は、尾根を北に外し、砂防ダムの堰堤下のコンクリート橋で沢を渡ると、歩き始めの畑の脇に出た。沢にかかる橋のたもとには、小さな登山標識が置かれていた。
 この日の歩きはこれで充分ということで、家路についた。車を走らせていると、本降りの雨になってしまった。

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