黒禿の頭、大力山

黒禿の頭、大力山


【日時】 2007年11月10日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雨

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 黒禿の頭・くろはげのかしら・790m・なし・新潟県
 大力山・だいりきさん・504m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田、日光/小千谷、須原/小出、大湯
【コース】 干溝より周回
【ガイド】 なし
【温泉】 小出ふれあい交流ゼンター見晴らしの湯こまみ 500円

【時間記録】
5:30 新潟=(関越自動車道、小出IC 経由)=7:10 宝泉寺〜7:25 発―8:21 干溝林道支線終点〜9:21 発―10:40 稜線上〜11:16 発―12:00 黒禿の頭〜12:23 発―13:01 見晴台―13:30 三角点―13:44 城山分岐―14:03 大力山〜2:18 発―2:33 水道山分岐―2:45 秋葉堂―14:53 宝泉寺=(往路を戻る)=17:30 新潟

 小出町の南で魚沼川にそそぎ入る大池川の源頭部には、城山から大力山、黒禿の頭、駒の頭、トヤの頭を経て鳴倉山に至る稜線が環状に続いている。このうち、城山から黒禿の頭までの間と鳴倉山には、一般登山道があり、越後三山を望みながらの山歩きを楽しむことができるが、知名度は高くない。現在、黒禿の頭から駒の頭の南鞍部から大池川の源頭部に下降する登山道が整備され、干溝から周回できるようになっている。

 黒禿の頭は、今年の4月に登ったばかりであるが、下山に使った沢沿いの道の状態を知るために再び歩くことにした。前回は雪解け後の歩きやすい時期であったが、夏草が茂っていると、ルートがわかり難くなっている可能性がある。一般登山道のレベルにあるかを確かめる必要がある。前回とは逆に、沢沿いの道を登りに使うことにした。
 いつものように、大力山の登山口である宝泉寺の前庭に車を停めた。このお寺は、現在無人になっているようである。
 集落内を抜けて、林道干溝線に進む。養鯉池の脇を抜けて谷間に入っていくと、林道干溝支線が右手に分かれる。左の道は、鳴倉山の山頂に続く。
 林道干溝支線は、未舗装で、草がかぶり気味である。先回は、路肩が崩壊していていたが、きれいに補修されていた。
 堰堤脇で林道干溝線からの連絡林道が左から合わさると、その先は林道の夏草がうるさくなった。雨も降り出して、雨具を着ることになった。
 谷奥に黒禿の頭から下りてくる稜線を眺めながら歩いていくと再び堰堤が現れ、その下で大地川を右岸に渡る。
 枝沢にかかる堰堤の下に、林道干溝支線終点の標柱が置かれている。
 ここで、ミスをした。前回の歩きで、沢沿いに下りてくると、トラバース気味に続く幅広の山道に出て、林道に下り立ったという記憶がある。大地川の本流奥に向かって、幅広の道が続いているのを見て、疑問もなく進んだ。すぐに沢に下り立ったので、沢沿いの登りを開始した。夏草がうるさいものの、踏み跡が続いていた。5m程の高さの滝に行き当たり、おかしいなと引き返して良くみると、高巻きの道が見つかった。この先をしばらく進んだが、谷が狭まり、これ以上は登れなくなった。地図を確認して、仙能沢に入り込んでいるのを知った。GPSの効用うんぬんよりも、あやふやな記憶をたよりに歩いた結果の誤りである。引き返すまでに、1時間のロスになった。
 林道干溝支線終点の標識の所から、堰堤に向かって左手に道が続いており、これが正しい道である。前回の歩きでは、林道に出たのに喜んで、この入口は良く確認していなかった。この間違い易いポイントが確認できただけでも、今回の歩きの目的を果たしたことになる。
 しばらくは、夏草がうるさい道が続いた。幅広の道なので、コースを辿るのには問題はなかった。歩き始めは、黒禿沢沿いの登りのようであるが、合流点が判らないままに、東に延びる枝沢に入っていった。
 トラバース気味に登っていくと、沢に下りたった。ここからは沢をからみながらの登りが続く。沢歩きであるが、水の中を歩くことはなく、どちらかの岸に踏み跡が続いている。先ほどの仙能沢の踏み跡と比べると、こちらははっきりした山道に見える。ただ、夏草がうるさいところもあり、夏の盛りは歩くのは難しそうである。
 急な登りが続き、喉も渇いたか、汲んで飲む水はいくらでもあった。11月というのに、気温は高めである。
 沢に挟まれた中尾根を登るようになると、すぐに杉林が広がる台地の縁に出る。この先は、普通の山道が続いている。春先にはこの台地は残雪が覆われているが、谷の出口の杉林をめざせば、下り口に出ることができるはずである。
 台地を進んでいくと、稜線もすぐ上に見えてくる。泥斜面の急斜面を登ると、651m標高点とその北の小ピークとの間の鞍部で稜線の上に出る。稜線沿いに黒禿の頭に向かっては、しっかりした道が開かれているが、一方、駒の頭方面には薮が広がっている。この境界が下山時の下降点となるが、木立の間が開いており、目印は乏しい。
 駒の頭まで行けるかと思って、北に向かって進んだ。小ピークの上は台地状で、潅木の枝が横に広がっており、一歩を進むのも容易ではない状態になった。小ピークの縁まで進んだが、そこから鞍部に向かって下ってしまうと、帰りに登り返すのも容易ではなさそうであった。駒の頭の山頂部もこのような密生した薮のように思える。積雪期か残雪期に再挑戦することにして、今回はあきらめた。
 戻って、黒禿の頭への登山道を進んだ。前方には、黒禿の頭が聳えているが、脇の笠倉山の方が高く目立っている。折立からの林道がうねうねと続いているのも見えていた。
 小ピークを越えると、黒禿の頭への登りが続くようになる。標高差130mの登りであるが、いろいろ寄り道をしており、足も草臥れてきていた。急斜面の一ヶ所には、ロープも掛けられているが、滑りやすいというだけで、危険な所ではない。
 黒禿の頭は、到着してみると、紅葉も美しい時期にもかかわらず、今回も誰もいない山頂であった。これまで、この山頂で他の登山者に出合ったことはない。
 山頂からは、素晴らしい展望が広がっていた。大力山に至る稜線が、紅葉末期の茶色がかった落ち着いた色を見せて広がっていた。その向こうには、小出の町を見下ろすことができた。遠望は利かなかったが、米山、八石山、刈羽黒姫山を望むことができた。
 ひと休みの後に、大力山への登山道に進んだ。下り斜面だけに展望が開けており、写真を撮りながらの歩きになった。黒禿の頭から遠ざかると、毛猛山塊や越後駒ヶ岳、八海山の眺めが広がるようになる。黒禿の頭の周回は、先に沢コースを登ってしまった方が、ゆっくりと展望を楽しむことができるかもしれない。大力山から登ってくると、黒禿の頭の山頂が近づいてくることには、登るのがやっとになって、風景を楽しむ余裕はなくなってくる。
 小ピークを越していくと、下りにかかる所で、見晴台という標識が木に打つ付けられているのに出会う。ここには、「一の沢尾根を経て芋赤に至る」という標識も置かれているのだが、標識は倒れ、南西に続く尾根の踏み跡は薄れて草がかぶっていた。この道は、まだ歩いておらず、いずれ確かめようかと思っていたが、廃道化しているかもしれない。
 その先で、「松の木尾根を経て芋赤に至る」という標識があったのだが、「山?岳の会」という頭が折れた白い標柱があるだけであった。松の木尾根は、これまで二回下っているが、先回の2001年10月21日以来、結構時間が経っている。トラバース気味に進んだ後に尾根に乗ったと思うのだが、入口をのぞいたところでは、草がかぶっていた。芋赤を中心としたコースは、手入れがされなくなっているようである。
 下るにつれて、大力山の台形の姿が、立派に見えてきた。三角点ピーク(栃窪三等三角点)を越して僅かに登り返すと、板木城跡との分岐になる。ここは右の道に進む。大力山の最高点は、薮の刈り払い道で、それとわからないうちに通過してしまう。前方に山頂とされている広場に建つ東屋の屋根が見えてくる。
 大力山は、これが7回目の登頂になった。家からすぐ近くの山というわけでないので、まさにお気に入りの山ということになる。大力山の山頂から黒禿の頭を振り返ると、その向こうには、越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山の眺めが広がっていた。以前よりも薮が刈り払われて、眺めが良くなったようである。権現堂山の上には、虹がかかっていた。小出の町を眼下に見下ろすことができた。
 ここまでくれば、後は一気に下るばかりになる。中部北陸自然歩道として良く整備されていることもあり、30分ほどで、宝泉寺に戻ることができた。
 天気が回復して展望が広がってきたこともあり、小出のスキー場で越後三山の眺めを楽しんだあと、駒見の湯で入浴し、山の締めくくりとした。

山行目次に戻る
表紙に戻る