見明山

見明山


【日時】 2007年9月30日(日) 前夜発日帰り
【メンバー】 宇都宮グループとで9名
【天候】 曇り後雨

【山域】 南会津 【山名・よみ・標高・三角点・県名】
見明山・みあかしやま・1161.4m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/田島/林中
【コース】 志源行より登り布橋へ下山
【ガイド】 南会津・鬼怒の山50(随想舎)、会津百名山ガイダンス(歴史春秋社)
【温泉】 芦ノ牧温泉 400円(石鹸なし)

【時間記録】
9月29日(土) 7:50 新潟=(磐越自動車道、新鶴PA、芦ノ牧温泉、R.121、下郷)=22:40 志源行  (車中泊)
9月30日(日) 8:28 志源行―8:35 分岐―10:00 源頭〜10:08 発―10:38 稜線分岐―10:45 発―11:23 見明山〜12:10 発―12:33 稜線分岐―13:42 沢―14:00 布橋=(往路を戻る)=17:20 新潟
 見明山は、南会津の下郷町の阿賀川左岸にある山で、会津百名山に選ばれている。北の山裾を流れる戸石川沿いの志源行から国有林の巡視路が通じているが、現在、かなり荒れてきており、登山道のある山というよりは、比較的楽なヤブコギの山になっている。

 日本百名山ブームによって、数多くの御当地百名山が発表されている。その中で、会津百名山は、「初級・中級クラスでは全山踏破は無理」という点で異色である。各山は、初級・中級・上級・超上級にクラス分けされている。会津丸山岳や長須ヶ玉山といった登山道の無い超上級の山は終わったが、登山道の無い上級の山がかなり残っており、これらを一山登るのもかなりの労力が必要な状態になっている。
 この未登の会津百名山の中に、見明山がある。「南会津・鬼怒の山50」には、国有林の巡視路を使って登れるように紹介されているが、沢沿いの登りとあっては、簡単には登れそうもない。今回、室井さん一行が登るというので、参加させてもらうことにした。
 登山口の志源行は会津田島の手前で、新潟を早朝出発して集合時間に間に合わせるには、かなりの早起きが必要である。前夜発として、時間に余裕を持たせることにした。
 会津田島に続く国道121号線から別れて県道に進む。集落内などで、道幅が狭くなるところもあるが、全般的には良い道が通じていた。この道は、舟鼻トンネルを通って、昭和村に通じているので、冬季の幹線道路になっているのであろう。
 少し早めに志源行に到着し、少し先に進んだところにあった路肩の空き地に車を停めて寝た。
 翌朝は、青空も広がる良い天気であった。宇都宮からの一行が到着する前に、周辺の偵察を行った。
 スタート地点となる志源行のバス停は、標識がさびて見えづらくなっていた。そこから車道を南西に進み、車道が戸石川に向かって張り出すところで、林道が山に向かって延びている。コンクリート敷きではあるが、落ち葉で覆われてしまっている。林道の右手には、小さな沢が流れており、そこの看板には、「土石流危険渓流 阿賀野川水系小祖上沢」と書いてあった。ガイドブックには、森木沢と紹介されているが、この看板が目印になる。その先で、車を停めておくのに良い路肩スペースがある。  下山予定の、沢口集落の上流部にかかる布橋を見に行ったが、橋の名前は見当たらなかった。畑の先の杉林に林道が始まっているようであるが、それらしいものは見当たらなかった。
 宇都宮からの一行が到着したところで、車回しを行った。両登山口の間は、1kmほどなので、歩いてもたいした時間ではないが、車を使った方が速い。今回は、総勢9名の大人数になった。
 林道に進むと、すぐに左に回りこみ、再び右に曲がって沢に近づいたところで、沢の上流に向かう踏み跡が現れる。踏み跡は薮に覆われて、この分岐は判りにくい。杉林の中の陰気な登りが続く。ようやく杉林が途切れると、木立も明るくなって、踏み跡も明瞭になってきた。
 標高680m付近で、谷が狭まり、沢も急に落ち込んでいる。沢の左右どちらを登るか迷うことになった。ガイドブックを読むと、右斜面を登るとある。沢岸近くを見ると、石段状になって登りやすくなっていた。ひと登りすると、はっきりした踏み跡にのることができた。
 その後は、水量の少ない沢の中を歩くような道が続いた。770m付近で、沢は大岩の脇に急に落ち込んでいた。ガイドブックに従い、左斜面を登ると、岩の下をトラバースするような踏み跡が通じており、その先に抜けることができた。
 沢の流れは細くなって、草がうるさくなってきた。最後に、清水状に水が流れ出る源頭部に出ると、目印のトチノキの大木があり、「歩」と赤ペンキで書かれていた。歩道の印のようだが、ここまでの道が歩道であるとは、とうてい言えない。水場にもなっており、ここでひと休みになった。ここが、コース中、最後の水場になる。
 このトチノキからは、左手の谷間を上に向かって登る。踏み跡ははっきりしないが、歩くのには支障はない。傾斜が少し増したところで、左手の枝尾根に向かう、ほぼ水平な踏み跡が現れた。はっきりした道で、ここだけなら、普通の登山道といった感じである。
 枝尾根の登りがはじまるが、すぐに稜線の一段下をトラバース気味に登る道に変わった。
 稜線の上に出ると、脇のミズナラの大木に、510と赤ペンキで書かれていた。稜線上の踏み跡は、再びあやしくなってきた。今回の山行は、キノコ採りが目的の一つであろうと思っていたのだが、果たして、ここからはキノコ探しで、ゆっくりした歩きになった。残念ながら、キノコは不作のようで、少ししか見つからなかった。
 見明山の北側で、1016m点から上がってくる尾根が合わさり、コースは東に曲がる。登りでは感じなかったが、下りの時には、この間違った尾根に入り込んだ者がいたので、要注意である。
 最後に薮っぽい急坂を登ると、山頂に到着した。草が張り払われた小広場になって、三角点が頭を出していた。かたわらの木には、私製の山頂プレートが付けられていた。広場は木立に囲まれて、展望は限られていた。二岐山や那須方面の眺めが得られるのかもしれないが、雲が垂れ込めて、雨が降り出した。
 山頂を早々に退散し、雨具を着込んで、一段下で昼食にした。採ったキノコを入れたウドンをご馳走になった。
 下りは、布橋へと下降することになった。稜線に登りついた分岐の先は、はっきりした踏み跡が続いていた。1022m点へ通じる尾根から左に分かれる尾根に進むことになるが、踏み跡を追ううちに自然にこの尾根に乗っていた。
 一旦、左に大きく尾根を外すが、折り返して、再び尾根に戻った。827m点の手前で、尾根から分かれて、左の谷間への下降が始まった。ここも、踏み跡に従って、自然にコースは変わった。つづら折りの下りを続けると、谷間が近づいた。踏み跡は、伐採地の縁で消えていた。谷間は伐採地になって小さな杉の木が並んでいた。谷間に下りようとすると、棘も混じった密な薮で、僅かな区間であるが、もがきながらの突破になった。
 谷間を下ると、すぐ先で、林道跡にでることができた。草が繁って、林道も辿るのもヤブコギ状態になっていた。畑の上に出たところで、薮のために林道を辿るのも難しくなった。面倒になって、杉林を通って畑に出ると、その下が車を停めた場所であった。車を回収して、山行は終わった。
 見明山は、薮山であったが、ルートファインディングは必要でも、薮をかきわける体力勝負にはならなかったので、薮山としては楽な部類といえる。一般的ではないが、薮山好きには、歩けば楽しめる山である。

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