浅草岳

浅草岳


【日時】 2007年6月17日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 守門・浅草岳
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
浅草岳・あさくさだけ・1585.5m・一等三角点本点・新潟県、福島県
【コース】 登り:ブナ曽根コース 下り:桜曽根コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟、日光/小林、須原、守門岳、只見/田子倉湖、毛猛山、守門岳、只見
【ガイド】 新・にいがたファミリー登山(新潟日報事業者)、新・新潟花の山旅(新潟日報事業者)、アルペンガイド「上信越の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「越後三山・卷機山・守門岳」(昭文社)
【温泉】 浅草山荘 600円

【時間記録】 5:30 新潟発=(北陸道、中之島見附IC、R.8、川崎北、R.351、栃尾、R.290、渋川、R.252、大白川 経由)=7:50 ネズモチ平駐車場〜8:08 発―8:17 ネズモチ平登山口―8:31 沢―9:55 前岳分岐―10:16 浅草岳〜10:36 発―10:57 前岳分岐―11:18 カヘヨノポッチ〜11:26 発―12:25 桜曽根コース登山口―12:48 ネズモチ平登山口―12:55 ネズモチ平駐車場=(往路を戻る)=16:10 新潟着

 浅草岳は、江戸時代より越後と会津を結ぶ交易路として利用されてきた六十里越と八十里越に挟まれた新潟と福島との県境沿いにある山である。なだらかな山容の西面に対し、福島県側の浅草岳から鬼ヶ面山に続く稜線の東側は、大岩壁になって、対称的な姿を見せている。一般には、歩行時間の短いネズモチ平あるいは桜曽根から登る者が大部分であるが、沼の平のブナ林と組み合わせることのできる入叶津に至るロングコース、急登の連続となるが鬼ヶ面山の岩壁の眺めが素晴らしい田子倉登山口からのコース、六十里越峠から岩壁の縁を辿りながら鬼ヶ面山を越して浅草岳に至るコースなど、それぞれ特徴のあるコースを楽しむことができる。

 飯豊登山は体力を、限界近くまで消耗する。翌日が雨の日であったなら、家で休養と決め込んだだろうが、快晴の日曜日になりそうであった。飯豊で青空をのがした代償を、いずれかの山で穴埋めしなければならない。200、300名山クラスの山で、歩行時間のさほど多くない山を考えていくと、浅草岳が思いついた。今年は、ヒメサユリをまだ見ていない。
 果たして快晴の朝になり、ちょっと複雑な気持ちで大白川に向かった。五月連休の毛猛岳登山以来で時間も僅かしか経っていないが、ずいぶんと昔のことに思える。
 破間川ダムに向かい、今は休館になった大自然館を過ぎるてもしばらくは舗装道路が続く。エコミュージアムの入口を過ぎると、未舗装の細い林道に変わる。車のすれ違いが難しいところもあるので、車の運転には神経を使う。
 ネズモチ平には、大駐車場が設けられているが、半分ほどが埋まっていた。浅草岳は、人気の山になっている。ゆっくりと準備をしている間にも、大勢の登山者が出発していった。団体も数組いたので、間を開けたかったこともある。
 車止めのゲートをすり抜けて、林道に進む。歩き始めは、この林道も勾配があって、息が切れる。足慣らしを終えたところで、ブナ曽根コースの登山口に到着する。ここから登山道の歩きが始まる。雑木林の中の緩やかな登りがしばらく続く。沢を二本越すと、急な登りが始まる。
 やはり前日の山行で体力を消耗しており、辛い登りになった。ブナ林の中を忍の字で足を運んだ。そのうち団体に追いついてしまった。前に行かせてもらったが、そうなると一気に間を開けないとみっともないということで、足を速める必要もあって、余計にきつい登りになった。
 この登りでは、二ヶ所に急な岩場が現れる。ステップが泥まみれになっており、滑りやすくなっていた。掴んだ木の枝が折れ、その拍子に足が片方滑ってひやりとした。集中力も落ちているようであった。
 背後に、青空をバックにした守門岳の姿が浮かんだ。急坂を一気に登りきれずに、休憩を一回入れる必要があった。気温も高くなって、体力を温存しながら登る季節にもなっている。
 痩せ尾根の上に出ると、草原の広がる稜線がすぐ上に見えた。実際には、前岳の山頂まで、もうひと登りが残っている。
 前岳の分岐付近は、一面の残雪が広がっていた。今年は暖冬であったが、意外に残雪は多い。遠く、飯豊も姿を見せていた。やはり、今日は、あの稜線に立っていたかった。雪原をひと登りすると、後は木道の気楽な歩きになる。浅草岳の山頂もすぐ先に見えている。肩の広場のテラスには、すでに大勢の登山者が休んでいた。最後のひと登りで浅草岳の山頂に到着した。
 青空をバックにして素晴らしい展望が広がっていた。田子倉ダムの湖面が眼下に広がり、その向こうには会津朝日岳から会津駒ヶ岳に至る稜線、その右手には双耳峰の燧ヶ岳やドーム状の日光白根山を眺めることができた。鬼ヶ面岳の岩壁の向こうには毛猛山塊が横に広がり、さらにその向こうには中ノ岳、駒ヶ岳、八海山が連なっていた。
 山頂は、到着する登山者がひきも切れないので、ひと休みの後に歩き出した。肩の広場に戻ったところで、田子倉コースへのトラバース道に少し入った。夏は草付きになるところだが、今は残雪の斜面になている。ここからは、鬼ヶ面岳の岩壁の遮るもののない展望台になっている。皆気づいていないようで、ここまで進んでくる登山者はいなかった。
 後は、花を探してのんびり下ることにした。下りに使う桜曽根コースは、鬼ヶ面岳の眺めが広がり、歩いていても気持ちが良い。このコースも木道の整備がかなり進んでいる。シラネアオイやコシジオウレンの花を見ることができたものの、あいにくと、ヒメサユリはまだ咲いていなかった。
 カヘヨノポッチで最後のひと休みをし、下りに専念することにした。下るに連れて、周囲はブナ林が広がるようになった。最後は、長く感じられ、やはり体調は充分ではないと思った。林道に出てからは、最後の頑張りどころになった。
 家への途中、栃尾で油揚げを買ってお土産にした。たまには胡麻をすっておく必要がある。

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