繁松山

繁松山


【日時】 2007年3月24日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 権現堂山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 繁松山・しげまつやま・658.1m・三等三角点・新潟県
【コース】 向松川より
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/須原/須原
【ガイド】 なし
【温泉】 守門温泉SLランド青雲荘 500円

【時間記録】 5:40 新潟=(関越自動車道、堀之内IC、R.17、R.252 経由)=7:20 向松川〜7:47 発―8:01 中子橋―9:40 573m点―10:14 繁松山〜11:00 発―11:38 573m点―12:20 中子橋―12:36 向松川=(R.252、上条、R.290、下田、R.289、三条燕IC、北陸自動車道 経由)=16:10 新潟

 繁松山は、小出の奥の上権現堂山の北にある山である。上権現堂山と唐松山の間の954.5m点から、毛の又沢川と松川川に挟まれて続く尾根上に位置している。

 権現堂山塊は、毛猛山塊の前衛の山であるが、里に近いためか、知られていないような山道も多く、発見のある山歩きができて面白い。繁松山には、3月17日に登ろうとして登山口まではやってきたものの、本降りの雪のために断念して、すぐ近くの城ヶ沢山に計画変更してしまった。この週末、天気は下りのようであったが、土曜日の午前はもってくれそうであったので、再度、繁松山を目指すことにした。
 須原で国道から別れ、松川から橋を渡って向松川に入ると、集落の奥で除雪は終わっている。終点部は、車を置くのに都合の良い広場になっている。曇り空の朝となり、展望も開けていた。谷奥に見えるのが、繁松山のようであった。登りに使う尾根が緩やかに続き、手前に見えるのは573mピークのようであった。背後の上権現堂山よりは一段低いものの、山頂部は尖っており、登頂意欲をそそる印象的な姿を見せていた。
 歩き始めは、毛の又沢川沿いの林道歩きになるのだが、林道の入口には森林組合のキャタピラ車が停められており、谷奥に向かって、キャタピラの轍が付けられていた。スノーシューはザックに括り付けて、つぼ足で歩き始めた。15分程の歩きで、毛の又沢川の右岸に渡る橋が現れた。中子橋というプレートが付けられ、車も渡ることのできるしっかりした作りの橋である。新しい橋で、以前の地図に記載されておらず、今回のコースも、この橋があることに気がついて可能になったものである。
 キャタピラ車の轍は、林道の先へと続いていたので、ここでスノーシューを履いた。この轍のおかげで、林道歩きをかなり楽することができた。
 渡ろうとすると、橋の上に狸が腰をおろしてこちらを見ていた。近寄っていくと逃げていった。このすぐ後で、白兎にも出会い、これではかちかち山だとおかしく思った。
 橋を渡った先が、繁松山から下ってくる尾根の末端部になる。左に回りこんでから、杉林の中を上り始めた。しばらくは杉林が続いたが、そのうち藪尾根に変わった。雪はかなり少なくなっていたが、木立にはノコで引いた跡が多く見られ、刈り払いが行われているようであった。その刈り払いにも助けられて、快調な雪堤歩きが続いた。雪庇は、ほとんど落ちて角が丸くなっていたが、雪がぐずぐずになっており、横たわったすだれ状の木の枝の間から足を踏み抜く恐れがあった。
 1998年6月21日に唐松山に手ノ又登山口から登った時、954.5mの三角点ピークのいっぷく平手前から尾根沿いに新しい刈り払い道が付けられているのに気が付いた。この時は、どこに続いているのだろうと疑問に思ったのだが、そのままになっていた。今回、ようやく疑問が少し明らかになったが、雪の無い時でも使えるのか、いずれ確かめる必要がある。
 傾斜が時折増すものの、スノーシュー歩き向きのほどほどの傾斜の登りが続いた。右手には、下権現堂山から上権現堂山に続く稜線が目の前に広がり、左手には守門岳が登るにつれて大きな姿を見せるようになっていった。背後を振り返ると、歩き始めの向松川の集落が、見下ろすようになってきた。時折、尾根が広がると、ブナ林も現れた。
 573mピークに上がると、目の前に、繁松山とあおり山が、ピラミッド型の山頂を並べた姿を現した。繁松山への最後の登りは、急斜面になっており、雪はすでに落ちているようであった。
 ゆるやかな尾根道を辿ると、繁松山の山頂直下に到着した。見ると、尾根沿いの雪は消えて地肌が出ていた。スノーシューを脱いで登ることになった。刈り払いのおかげか、藪は気にならない状態であった。
 繁松山の山頂は、小雪原の広場になっており、松に囲まれて、展望はあまり良くない。下から見ても、山頂に松の木立が広がっているのが見えて、これが山名の由来であろうと、納得がいく。
 あおり山まで進むべきか迷いながら先に進んだ。次の小ピークに立つと、あおり山も良く眺めることができるようになった。あおり山の山頂部は、崖マークが付けられており、急斜面になっている。崖の雪は落ちかかっているようであった。危なそうに思い、あおり山はあっさりと諦めることにした。繁松山を登ることができたことで、満足である。あおり山は、雪の無い時に、刈り払い道を利用して登るのを新たな課題ということにしておこう。
 あおり山の左には、毛猛山や桧岳が姿を見せていた。残雪と藪を越して、ここまでおいでと誘うようであった。
 山頂から急坂を下ったところで、再びスノーシューを履いた。天気ももっていてくれて、守門岳が白く輝くのを眺めることができた。
 この日のもう一つの目標としては、松川川対岸の魚止山の偵察がある。松川川右岸の山腹には送電線が通過しており、巡視路が開かれているはずである。雪解けも進んで藪が出始めており、尾根への取り付きや標高をある程度かせぐまでは、送電線の巡視路を使いたい。見ていくと、巡視路が白い筋になって続いているのが目にとまった。予定の尾根にも、ジグザグのラインが上がっていくのを確認できた。魚止山へのコースもほぼ確定できたが、今年は機会があるのかが判らない。他にも登りたい山があるし、雪解けは急激に進んでいる。
 スノーシューでの雪山の下りは早い。一気に下って車に戻り、後は温泉を目指した。高速料金の節約のために、栃尾から三条へと車を走らせるうちに、雨が降り出した。

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