三本ブナ山、談合山

三本ブナ山、談合山


【日時】 2007年3月18日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 東山連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 三本ぶな山・さんぼんぶなやま・576m・新潟県
 談合山・だんごうやま・581m・なし・新潟県
【コース】 杜々の森より
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/長岡/半蔵金
【ガイド】 なし

【時間記録】 7:00 新潟=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.17、R.351、栃尾、西野俣 経由)=8:15 杜々の森〜8:45 発―9:44 606.5mピーク―10:06 三本ぶな山―11:19 談合山―12:14 606.5mピーク〜12:26 発―13:00 杜々の森=(往路を戻る)=15:30 新潟

 長岡東山連峰の東の、長岡市(旧山古志村)と魚沼市との境界部には、600m程の標高を持つ山塊が広がっており、地図には、尖山、談合山、三本ぶな山といった山名が記載されている。一般的な登山者への知名度はほとんど無いが、北山麓にある杜々の森は百選に選ばれた名水で知られている。

 天気もあまり良く無さそうで、標高もさほど無い山を考える必要があるが、暖冬のために、里山では雪が消えてしまっている。今週、山古志の三本ぶな山を登ったという話を聞いたが、雪もたっぷりあったようである。三本ぶな山は、2003年5月18日に訪れているが、雪の時期には登っていない。スノーシュー歩きを楽しみに出かけることにした。
 一旦進んだ雪融けも、ここのところの寒気のため後戻りして、山古志の山肌は白くなっていた。杜々の森は、近くを度々通っているものの、訪れたのは初めてであった。山奥であるが、二車線幅の車道が整備されており、冬季の走行も問題のない状態であった。名水公園として整備されており、公園入口の除雪終点部には広い駐車場も設けられていた。雪もたっぷりとあり、周囲には一面の雪原が広がっていた。山古志というと豪雪地として有名であるが、この一帯は、その中でも雪が多いようである。
 三本ぶな山へのコースは、地形が意外に複雑なため、地図を良く見る必要がある。中越地震によって、林道にも大きな被害が出ている。復旧していない車道は破線に変わっているため、余計に判りにくくなっている。名水公園より、西の山裾を辿る林道に進み、606.5mピークに登った後に、三本ぶな山へ下ることにした。三本ぶな山から談合山へは、先回も使った林道を歩けば良い。林道が崩壊していたり、雪に埋もれて急斜面になっていたりすることもあるが、これは現地に入ってみなければ判らない。
 公園内に向かって、雪にトレースが付けられていた。冬の間も、観光か水汲みのために、名水を訪れる者が多いようである。
 閉鎖中の休憩所の前を過ぎると、杉の大木が傍らに立つ水場が現れた。この先も、先日訪れた仲間のトレースがついていたが、ここでスノーシューを履いた。
 斜面を斜めに登っていくと、眼下に凍った池と丸いセンターハウスの眺めが広がった。「名水会館アトレとど」と呼ばれるようだが、漢字で書かないと、つい海獣のトドを想像してしまう。気温も低く、雪も締まっており、雪の上を歩くのも楽であった。
 ピークへは市界尾根を辿る可能性も考えられたが、できるだけ林道を進んでから取り付くことにした。標高を上げていき、ほぼ水平道になったところで、登りにかかった。ブナも混じる雑木林の登りになった。太陽も顔を出し、木が雪の上に美しい影を落としていた。
 最後に急坂を越えると、606.5mピークに到着した。雪原の広がる台地状の山頂であった。点の記を見ると、「大平2」となっている。近くの大平山が、「大平1」なので、このピークも大平山と呼んで良いようである。
 山頂からは、鋸山や談合山方面の展望が開けていた。三本ぶな山方面は、杉の植林地になっており、進むべき方向が判りにくくなっていた。杉林の中を緩やかに下っていくと、ようやく三本ぶな山の頂上にあるマイクロウェーヴ基地が目に入ってきた。そのまま下っていくと、林道脇の切り通しの崖の上に出た。ここからは下れないので、少し戻って左手の谷にコースを変えた。
 ここからは、林道歩きで三本ぶな山に向かった。山頂手前から、遮るもののない守門岳の眺めが広がった。山頂部が雲に覆われているのは残念であったが、それなりに展望が広がってくれるのはありがたかった。
 三本ぶな山には林道が通過しており、マイクロウェーヴ基地が置かれている。その背後には、ホオノキの林が広がっている。これが二度目の訪問であるが、ブナ林だと思っていた。山名にだまされていたこともあるし、木の幹が白っぽい斑点があるのが似ている。葉や花を良く見れば気が付くのだろうが、幹だけを見て見分けるのは難しい。植物に詳しい大雲さんの報告のおかげで、間違いに気がつくことができた。
 続いて、談合山に向かうことにした。606.5mピークからの下降点のすぐ先で、林道は雪の斜面に変わっていた。この林道は、先回通った時には自転車を利用したが、地元の車とすれ違い、幅も充分あるものであった。地震によって、道路が崩壊してしまっているのかもしれない。高またぎ風にして通過した。その先でも、雪原が急角度で谷に落ち込んでいるところもあったが、雪も柔らかかったので、ステップを切りながら、通過は難しくはなかった。雪が堅かったならば、一旦606.5mピークに登り返した方が安全である。
 606.5mピークから下りてきた尾根に乗ると、581mピークが前方に迫ってくる。杉林の中を登っていき、ピーク頂上手前を左に巻く。巻き終わると、談合山が目の前に迫るが、一旦大きく下ることになる。林道を見失ったのか、急斜面を下る所も現れた。
 下りきると、談合山の山頂は頭上にあるが、急斜面が続いている。東に落ち込んでいる尾根の末端まで進んでから山頂を目指した。杉林の中を抜けると、雑木林の広がる尾根の登りになる。ひと登りで、談合山山頂に到着するが、雑木林に覆われた地味な山頂である。特に、少し高い578mピークが先にあるのが、印象を悪くしている。
 帰りは、談合山の山頂から西の林道に直接下ることも考えたが、とりあえずは、606.5mピークへ引き返すことにした。林道に戻っても登り返しが大変なので、市界尾根を辿ることにした。登り口とは反対方向に進み、時計方向に回りこんで、引き返した。鞍部からはひと登りで、林道に戻ることができた。
 林道を引き返すのは、様子が判っているので、行きよりは楽に感じられた。606.5mピークは、巻き道ではなく、尾根通しにダイレクトに登った。
 606.5mピークに戻ったところで、昼食にした。歩いている途中は日がさしていたのだが、急に雪が降り出して、下山に移ることになった。下山は、市界尾根に進んだ。意外に地形が複雑で、小さな登り返しもあるため、453m点を目指して、早めに林道に戻ることにした。最後は、本降りの雪になって、下りを急ぐことになった。ここまで天気がもってくれただけでも感謝する必要がある。
 談合山までは距離が長くて面倒だが、三本ぶな山までは、気楽にスノーシュー歩きを楽しむことができる。豪雪地であるため、雪の状態も良いことが期待できる。お勧めスノーシュー歩きのコースに加えることにしよう。

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