米山

米山


【日時】 2007年1月3日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雨後曇り

【山域】 米山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
米山・よねやま・992.6m・一等三角点本点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/柿崎/柿崎
【コース】 大平コース
【ガイド】 分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、新・にいがたファミリー登山(新潟日報事業社)、新・にいがた花の山旅(新潟日報事業社)

【時間記録】 6:30 新潟=(北陸自動車道、柏崎IC、R.8 経由)=8:00 大平駐車場〜8:30 発―8:42 大平登山口―9:23 二ノ字―9:33 711mピーク―10:30 米山〜10:48 発―11:32 711mピーク―11:40 二ノ字―12:07 大平登山口―12:18 大平駐車場=(往路を戻る)=14:30 新潟

 米山は、越後の北陸道沿いにあって、日本海にその裾野を洗う独立峰である。街道あるいは海上よりその姿を良く眺めることができることから、古来、旅人や地元民の心に刻まれ、名山として親しまれてきた。民謡「三階節」の「米山さんから雲が出た」という文句でも知られている。地元の信仰厚き山で、山頂には米山薬師のお堂が置かれ、上越、中越の各町村では米山講が組織されていたという。

 今年は雪の訪れが遅れており、元旦の晴天に誘われて新潟の山でも入山者は多かったはずである。おそらく白山あたりは、トレースもしっかりついて、ラッセルの必要はなくなっているだろう。ただ、雪道が踏み固められて滑りやすくなっていそうで、あまり気が乗らない。正月に登るなら、初詣もかねての信仰の山が良いということで、米山が思いついた。米山のメインルートは、大平コースである。米山の幾つもあるルートを登ってみたいと思っているが、あまり進んでいない。この大平コースも、歩いたのは1992年4月12日で、記憶が薄れている。大平登山口から米山を登ることにした。
 米山をめざして北陸自動車道に乗ったが、うっかり食料を買い込んでいなかった。大平の登山口は、米山ICが近いのだが、その周辺にはコンビには無いはずである。ひとつ手前の柏崎ICで、高速を下りた。コンビニで買い物をしていると本降りの雨になった。山を変更するべきか迷う状態であった。とりあえず登山口まで行ってから、考えることにした。
 国道8号線を走り、城山を貫く米山トンネルを越えると、大平への道が左に分かれる。ここには、米山登山口の標識が置かれている。米山に向かって山裾を登っていき、大平の集落に入ると、登山者用の駐車場に出る。登山道は、米山林道を少し進んだ先であるが、道路上に薄っすらと雪が現れてきたので、車はここまでとした。柏崎で寄り道をしていたのが幸いしたのか、出発の準備をしている間に、雨も止んできた。駐車場に車は無かった。
 民家の壁に、登山道を示す案内板が取り付けられている。民家の脇を過ぎると、杉林の中に登山道が続くようになって、ひと登りで米山林道に飛び出す。その先のカーブは、ショートカットする道が付けられている。
 林道を少し歩くと、登山口に到着する。ここまで入った車が二台あり、単独行二人が先に歩いていった。登山道に進むと、すぐに尾根上に向かっての急な登りが始まった。登山道は、階段状に整備されているが、かえって体力が必要な登りになった。
 尾根に上がると、その先は尾根沿いの登りになった。460m地点で右手から上がってきた尾根にトラバースして乗りかえた。その先が小ピークになって、登りもひと段落かと思ったが、その先は長い登りが続いた。
 ベンチの置かれた広場に出て、登りもひと段落になった。このピークには、「旧来、麓の大平では、ここを『二ノ字』といっています。今までいろいろ呼ばれてきましたが、以前より大平でいわれてきた名前がいいのではないかと思います。」と書かれた標識が置かれていた。登山を始めた時にはじめて買った新潟の山のガイドブック「新潟の山旅」(新潟日報事業社、昭和57年初版)では、ロマンスヒルと呼んでいる。趣味の悪い名前だと思っていたので、地元での呼称の「二ノ字」は歓迎である。分県登山ガイド「新潟県の山」(平成12年11月)、新・にいがたファミリー登山(平成13年5月)、新・にいがた花の山旅(平成17年5月初版)では、ただ「広場」としか書かれていない。著者の調査の手抜きか、この標識がつい最近のものなのかは、判らない。
 広場からは、尾根の先に小ピークが見えており、これが711m小ピークのようであった。この時は、古い記憶でロマンスヒルに着いたらひと休みと思っていたため、釈然としない気持ちで先に進んだ。緩やかな尾根歩きから登りに転じると、左に巻き道が分かれた。雪の上にトレースはないし、以前の記憶でも、このトラバースは危なっかしかったという記憶がある。そのまま尾根沿いの道に進んだ。
 711m小ピークの上にもベンチが置かれて、休憩スポットになっていた。天気も回復してきて、山頂も姿を見せ始め、山頂の小屋も一瞬であるが、目に飛び込んできた。小ピークからは一旦下った後に、急な登りが始まった。周辺にはブナ林が広がっていた。雪も深さを増して、急坂にステップを切りながらの登りになった。階段状に整備されているが、雪のために隠されているところもあった。昨年の冬に、米山で滑落して、死亡事故が起きている。この付近で足を滑らして、谷に落ちたのだろうか。下りには注意しなければならない。この最後の、標高差350mの登りは、体力的にもきつかった。
 尾根が広がると、潅木帯になる。霧氷が枝を飾っていた。左にトラーバースしながら行き、折り返すと、米山の山頂に到着した。
 まずは、山頂の薬師堂におまいりした。お賽銭のために小銭入れを持ってきたが、お堂は閉められて、賽銭入れも置かれていなかった。雪も厚くなっており、三角点は隠されていた。
 休憩のため、小屋の中に入った。先行者も、すぐに下山しており、小屋には誰もいなかった。5名グループが到着して入ってきたが、すぐに下山していった。
 ひと休みの後に小屋を出ると、青空が出てきて、日本海の眺めも広がるようになった。朝の雨からは、予想できない天気であった。足を滑らさないように注意しながら下山した。
 下りの途中にもすれ違う登山者もいて、この日の登山者は全部で12人ほどであった。だれも登山靴は履いておらず、皆長靴姿であるのが、新潟の山らしかった。

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