古城山、大峰山

古城山、大峰山


【日時】 2006年12月10日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 櫛形山脈
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 古城山・こじょうさん・283m・なし・新潟県
 大峰山・おおみねやま・399.5m・三等三角点・新潟県
【コース】 菅谷より箱岩峠経由、馬越コースへ下山
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟、村上/新発田、中条/菅谷、中条
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:45 新潟発=(R.7、新発田、R.290 経由)=9:35 菅谷コミュニティーセンター〜9:50 発―10:13 箱岩峠―10:21 登山道入口―10:37 三角点見晴らし―10:45 古城山―11:21 ベンチ―11:28 林道―11:30 大峰山登山口―11:39 馬越分岐―11:49 大峰山―11:55 馬越分岐―11:59 林道―12:14 馬越登山口―12:22 溜池―12:41 菅谷コミュニティーセンター=(往路を戻る)=13:50 新潟

 櫛形山脈は、新潟県北部の日本海沿いに広がり、胎内川と加治川によって両端が切りおとされる、全長約13キロメートルの山塊である。25000分の1図に山脈と記されている唯一の例といわれ、日本一のミニ山脈と呼ばれている。北部の白鳥山から鳥坂山、櫛形山を経て大峰山に至る縦走路は、良く知られているが、それより南部の箱岩峠に至る縦走路は、整備されているにもかかわらず歩く者は少ない。また、2006年10月に、内陸側の菅谷からの登山道が整備され、新聞や山と渓谷において紹介されたことから、この新しい登山道には多くの登山者が訪れているようである。
 
 10月7日に続いて再び大峰山を訪れた。先回は、新しい登山道の馬越コースを歩いたが、林道終点からは短い時間で大峰山の山頂に到着するのは良いとして、沢沿いで面白みにかける道であった。下山は、ニタ子沢コースを歩いたが、このコースは途中で夏草が茂っており、一般向きとはいえない状態であった。
 馬越コースはつまらない、で終わらしてしまうのは、せっかくの新しいコースなのにもったいない。大峰山への各登山道のうち、箱岩コースは、登山道が整備されているにもかかわらず、歩くものが少なく、途中の展望も良いことからお気に入りになっている。ただ、このコースは、小さなアップダウンがあるため、帰りは林道を歩いているが、この林道も山裾を大きく巻くため、結構距離が長い。今回の馬越コースを使えば、短時間で下山できるので、菅谷からの周回コースに使えるはずである。これならば、歩きがいのあるコースとして紹介するに値するであろう、ということで、実際に歩いてみることにした。
 朝方の雨も止んでくれたが、新発田に入ると、路肩の除雪の堆積が見られるようになった。新潟市内に住んでいたのでは考えられなかったが、周辺部はすでに本格的な冬に突入している。
 国道290号線で大峰山の背後に回りこみ、菅谷不動尊をめざす。集落内に入るところにガソリンスタンドがあり、その右手から地図に載っていない、二車線幅の車道が延びている。この道に進むと、広い駐車場が設けられた菅谷コミュニティセンターが右手に現れる。大峰山登山者用駐車場という案内板も置かれているので、ここから歩き出すことにする。馬越コースを単純に往復するならば、車道を先に進んで、標識に従って左折した先の溜池脇の空き地に車を置くのが良い。
 北に向かうとすぐに箱岩峠への車道が左に分かれる。車道の上には数センチの雪が積もって、車の轍部だけに地面が現れていた。ここから箱岩峠までは車道歩きになるのだが、このつづら折り区間を過ぎると僅かに下り坂になって、菅谷集落から登ってきた車道が合流する。距離的にはどちらも変わらないようだが、この合流点近くまで集落内から人家が並んでいるので、雪の季節は、集落内を抜けてきた方が除雪が行われており、楽そうである。
 この先は山間の道になるが、菅谷から国道7号線への近道のため、意外に通る車は多い。30分弱の車道歩きなので、足慣らしと考えれば良い。
 箱岩峠にゲートがあり、大峰山の先のピークにあるマイクロウェーブ施設への林道が始まっている。車二台ならば、下山口に車を置いて、この入口から歩き出すことになる。
 10分弱の林道歩きで、大峰山の登り口に到着する。以前は、ここにゲートがあり、車はここまで入ることができた。広場の左手の尾根沿いに登山道が続いている。最初は丸太の段々登りであるが、すぐに緩やかな稜線歩きになる。登山道の上は数センチの雪に覆われ、動物の足跡だけが付けられていた。立派に整備されている道なのだが、他の登山者にあうことはめったにない。
 雑木林に囲まれた道であるが、葉が落ちて、見晴らしが利くようになっていた。日本海からは冷たい風が吹き寄せていたが、木立が風除けになってくれた。
 248.3m三角点手前で、急斜面に行き当たり、登山道は、山腹を巻いてから、ヘアピン上に折り返す。今年の2月にスノーシューで登った時に、苦労した所である。雪の時期には登山道を辿るのも難しくなるので、少々藪っぽいが、尾根通しに登った方が良さそうである。冬の訪れを迎え、雪の時期の歩き方を考えながら進んだ。
 248.3m三角点の周囲の木立は刈り払われて、展望地になっている。ベンチも置かれており、ひと息いれるには良いところである。新潟東港や新発田、新潟市街地、日本海、佐渡島の眺めが広がっていた。天気は、小康状態といったところである。
 この四等三角点の点名は古城山であるが、古城山へはもう少し先のピークである。緩やかに登っていくと、登山道は山頂直下を巻いていく。登山道脇に鎖を通すための二本の鉄杭がある所に窪地が落ち込んでいるので、ここから山頂を目指す。数メートルを登ると、横堀に出るので、右手に曲がって進むと、古城山の山頂に出る。山頂一帯は台地状であるが、藪になっており、山頂標識のようなものはない。横堀も良く残っているが、この城跡のいわれは、はっきりしないようである。
 古城山の山頂からは、登山道に戻らずそのまま先に進む。すぐに二重に並んだ横堀の乗り越しになる。登ったり下ったりで、障害物競走の気分である。次の291mピークとの鞍部で、右手から回り込んできた登山道に再び乗ることができる。
 この先は、小さなピークの乗り越しが続き、長く感じられる。杉の植林地の縁からは、二王子岳や飯豊方面の眺めが広がるが、稜線部は厚い雲で覆われていた。
 285mピークの先の320mピークへは、急坂になるが、それを越すとベンチが置かれている。ここからも日本海側の眺めが広がっている。東に方向を変えて緩やかに下っていくと、林道に飛び出す。
 林道を進むとあずまやが現れ、そのすぐ先で、大峰山への登山道が稜線通しに分かれる。緩やかな登りを続けていくと、右手から馬越からの登山道が合わさる。10センチほどの積雪になっており、馬越からの登山者の足跡が付けられていた。この分岐のすぐ先で、櫛形山への縦走路が分かれる。各分岐には案内板が取り付けられているが、下山の時に迷わないよう注意が必要である。
 そろそろ疲れてきた足に力を込めて、最後の登りを頑張る。誰もおらず静かな大峰山の山頂に到着した。この天気なら、大峰山の登山者がいないわけはないのだが、皆、展望台止まりで、チェリーヒュッテで昼食をとっているのであろう。小屋まで苦労のためではなく、人に会うのがいやで、山頂からそのまま引き返すことにした。時間も早いので、昼食は家に帰ってからにしよう。
 下りは、馬越登山口に向かう。箱岩峠との分岐から先は、南に向かう尾根に進む。雪を蹴散らせながら一気に下ると、林道に飛び出す。横断した右手に、登山道が続いている。すぐ先でニタ子沢コースとの分岐になり、ここからは左手の杉林へ向かっての下りになる。つづら折りの道を下ると、堰堤脇に下りて、後は沢沿いの下りになる。雪の上に踏み跡が続いているので、コース判断の心配は無かった。右岸沿いから左岸に移ると、そのすぐ先で馬越登山口に出た。林道の横断点からここまでは15分なので、山を下るだけなら早いコースである。
 馬越登山口までは車は入っていなかった。四駆ならこの雪でも可能であろうと思ったのだが、林道を歩いていくと、三ヶ所で杉が倒れて、車の通行は不能になっていた。結局、車が入れるのは、溜池のすぐ先までであった。
 後は、菅谷コミュニティーセンターまでの車道歩きであるが、20分で戻ることができたので、我慢のうちであろう。
 菅谷から箱岩峠を経て大峰山に登り、馬越コースを下山路に使う周回は、3時間の行程であったので、これに休みの時間も加えれば、1日コースといって良いであろう。大峰山の静かなコースとして、この周回コースを勧める。

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