菱ヶ岳

菱ヶ岳


【日時】 2006年11月26日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
野須張峰・のすばりみね・902..8m・三等三角点・新潟県
大日山・だいにちやま・924m・なし・新潟県
菱ヶ岳・ひしがたけ・973.5m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/馬下、出湯
【コース】 南登山口より
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:40 新潟発(R.49、取上橋、石戸 経由)=7:30 菱ヶ岳登山道南口〜7:52 発―8:57 492mピーク―9:22 釜場清水〜9:27 発―10:04 野須張峰―10:25 大日山(西山見晴どころ)―10:56 菱ヶ岳―11:25 大日山(西山見晴どころ)〜11:49 発―12:05 野須張峰―12:27 釜場清水―12:45 492mピーク―13:18 菱ヶ岳登山道南口=(往路を戻る)=15:00 新潟着

 菱ヶ岳は、新潟平野に面して加治川と阿賀野川の間に広がる五頭山塊の最高峰である。これまで菱ヶ岳へは、メインコースにあたる村杉温泉、裏コースといえる中ノ沢、さらに五頭山からの縦走路といった登山道が利用されてきたが、最近南の石戸集落から野須張峰へ登り、大日山を経て菱ヶ岳に至るコースも開かれている。
 菱ヶ岳へ南登山口から登りに出かけた。このコースは、登山道ができた直後の2000年7月9日に登って以来歩いていない。先週は、新潟周辺の1000m程の山で積雪状態になったが、このところの暖かい陽気で、雪も融けてしまったようである。12月に入れば、歩けなくなる可能性があるので、今年最後の機会とばかりに出かけることにした。
 6年ぶりの石戸訪問になったが、様子が少し違っていた。以前は、石戸橋を渡って、集落内から林道に進んだのだが、現在は、橋を渡ったらすぐに右折し、クランク状に曲がって、以前と同じ川沿いの道に進む。
 沢が左から入るところで、菱ヶ岳登山道南口の立派な標識が現れ、駐車はその前の路肩になる。スペースは6台ほどで狭いが、五頭スキー場登山口と違って利用者は少なく、これでバランスは取れているようである。朝食をとってひと休みしている間にも、他の登山者は現れなかった。
 しばらく道路と平行に歩いていくと、杉林の中に大山神社が現れる。ここからコースは左に曲がって、本格的な登りが始まる。登山道周囲には、ナラやブナの雑木林が広がっているが、所々で杉の植林地が現れる。紅葉も終わり、落ち葉に覆われて、山は茶色にくすんだ色を見せていた。
 歩き始めは眼下に広がるゴルフ場が目障りであったが、登るにつれて、笠菅山や白髭山といった裏五頭方面の山の眺めが広がり、飯豊も見えはじめて期待も高まった。
 登山口には、山頂まで5.2km、3時間30分と書かれている。このコースは、合目標識はないが、所々で、山頂まで何時間という標識が現れる。尾根歩きを続けていくと、492m小ピークに到着する。背後を振り返ると、阿賀野川の流れを見下ろすことができ、ひと休みには良いポイントである。前方には、759mピークが迫り、このピークを乗り越えるように見えるが、実際は通らない。
 このピークには、山頂まで2時間と書かれた標識が置かれている。後で自分の時間記録を見ると、ここまでは1時間で時間短縮できていたが、この先山頂までは2時間であった。これから急登が待ち構えていることを考えると、一般的には少々きついコースタイムのように思われる。
 ピークから僅かに下って、谷を右に巻いていくと、登りもきつくなってきた。沢音が近くに迫っているので、水場到着かと期待したが、なかなか到着しなかった。
 山頂への急斜面に行き当たったところで、ようやく釜場清水に到着した。以前あった標識は見当たらず、この名前も忘れられていってしまうのかもしれない。脇に少し入ると沢に出て、パイプから水が流れ出ていた。気温が低いにもかかわらず、汗をかいており、喉が渇いていた。水を汲んで飲むと、美味しかった。この上はブナ林が広がっていることと関係があるかもしれない。
 水を飲んで元気を取り戻したが、ここからの急登が、このコースで一番の難所になる。尾根をからみながらの登りを頑張ると、右手に広がる稜線が次第に同じレベルになってきた。
 820mピークに登りついて、ここが野須張峰の山頂かと期待してしまうが、もうひと頑張りする必要がある。笹の広がる痩尾根を登っていくと、ようやく野須張峰に到着となる。
 今回の目的のひとつに、このピークに置かれた三角点の捜索があった。前回は、点の記を用意して探したが、見つけることはできなかった。今回は、GPSという強い味方がある。山頂に到着してみると、中央の広場に加えて、崖の縁に展望のための刈り払いが行われていた。そこを見ると、三角点が頭を出していた。今回はあっさりと見つかったが、藪を刈り払わないと、見つけることはできなかったのかもしれない。
 野須張峰から大日山を越して菱ヶ岳へ至る稜線は、緩やかに起伏し、ミニ飯豊といった雰囲気が味わえる。緩やかに下ってから登り返した大日山は、台地状で、低潅木帯に草地が広がっているため、絶好の展望台になっている。標識には、西山見晴どころと書かれている。もっともこの標識も倒れていたので、いつまで残っているのやら。
 大日山から菱ヶ岳を見ると、標高差もあまり無いように見えるが、80m下ってから130mの登りになる。鞍部からは、尾根の一段下を少しトラバースしては尾根に上がることを繰り返すようになる。足の疲労も増してきたが、最後の登りということで頑張った。
 菱ヶ岳は、五頭山塊の最高峰であるが、あいにくと展望は、新潟平野方面が少し開けているだけである。到着してみると、登山者も多かったので、そのまま引き返した。一人きりで静かに歩いてきたのに、人と一緒に休むのも気が進まない。
 前回と同じに、大日山まで戻ったところで、大休止とした。風は冷たかったので、風当たりの弱いところで腰を下ろした。五頭山塊では、この大日山からの眺めが一番好きである。飯豊連峰の主稜線をはじめ、その手前の蒜場山や棒掛山、馬の髪山や棚橋山など、眺めていて飽きない。遠くには、磐梯山や御神楽岳も眺めることができた。風景を堪能した後は、落ち葉を踏みしめながらの一気の下りになった。
 登山口に戻ると、全部で6台の車が停められていた。このコースは、表側と違って静かな山歩きを期待できるが、それなりに歩く者もいるようである。

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