大境山

大境山


【日時】 2006年10月28日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 飯豊連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大境山・おおざかいやま・1101.6m・二等三角点・新潟県、山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上、新潟/手ノ子、飯豊山/小国、長者原
【コース】 中田山崎登山口より往復
【ガイド】 山形百山(無明舎)、新潟の低山薮山(白山書房)
【温泉】 関川桂の関温泉・ゆーむ 500円

【時間記録】 6:40 新潟発=(R.7、蓮野IC、R.113、十文字、R.113、横根、玉川 経由)=8:00 中田山崎登山口〜8:16 発―9:54 稜線上―10:13 水場―11:05 大境山〜11:40 発―12:14 水場―12:27 稜線上―13:36 中田山崎登山口=(玉川、横根、R.113、関川桂の関温泉、大島、R.290、〆切、加治、紫雲寺、聖籠、R.7 経由)=16:50 新潟

 飯豊連峰の主稜線は、北に向かうと、頼母木山で杁差岳方面と西俣ノ峰方面の二つに分かれる。この西俣ノ峰へ至る稜線は、新潟と山形の県境になっており、枯松山、大境山と続いて荒川に終わる。大境山は、登山道も整備され、山頂からは360度の展望を楽しむことができるにもかかわらず、登山者はまれで静かな山を楽しむことができる。

 秋も深まり、紅葉も1000m以下の山の中腹に下がってきている。飯豊の端山の大境山を登ることにした。これは、先回登った1999年11月7日から日数が経ったこともあるし、少々藪っぽい山だけに、紅葉を楽しめそうということもあった。さらに、地図を眺めていて、登山コースの見当が付かないということもあった。登山道を追って登っていても、地図上で示すことができないのは気に掛かる。
 大境山へは、飯豊の登山口の長者原への道を進む。登山口の目印は、中田山崎の酒屋である。登山口の標識があり、その脇に中田山崎のバス停が置かれている。この登山口は、地図では、「小国」の南端にある堰堤マークの東である。車は、行き過ぎた先の車道が広くなっており、止めておくことができる。登山者を乗せているような車も通過していったが、ここに停まる車は無かった。
 堰堤から流れ出る小川の右岸から歩き出した。左岸にある酒屋の軒下を通った方が早いのだが、気がひける。小川には二ヶ所に板が渡してあったが、板の所まで下りるのが少々危うい。そのまま堰堤下まで進み、水量の少ない堤に飛び降りて対岸に這い上がって通過した。忘れていたが、記録を読み返すと、前回もそうしていた。
 山裾を巻く用水堀の入口に大境山への標識が置かれている。しばらくこの用水堀に沿って歩いて、尾根を一本回り込むと、右に曲がる標識がある。標識は、これで最後になる。沢に沿って進むと、二又になり、その中間尾根の登りが始まる。
 ひと登りすると、幅広の道が続くようになる。この道は、パラボナアンテナを大境山の山頂に設置するための資材上げのために作られたという。このパラボナアンテナは、昭和50年には撤去されて無くなっていたという。
 登山道周囲には、ブナやナラの林が広がっている。朝霧が立ち込めており、色づいた木々が、柔らかい色を見せていた。
 尾根は、沢に挟まれているが、最初に、右側の沢が浅くなっていき、消える。左にコースを変えながら登り続けると、左の沢も浅くなり越してしまう。この後、さらに傾斜が増し、木の枝を掴みながら体を持ち上げるようになる。登山道は、細かくコースを変えるので注意が必要である。
 この日は、体が重く、途中何度か休みを取り、水を飲む必要もあった。枝尾根の上に出ると展望が開けて、玉川沿いの集落や、対岸の黒石山や大花山の眺めが広がった。登りももう少しでひと段落ということで、元気も出てきた。
 859mピークの南の肩で、稜線上に出るが、登山山道周辺の笹が急に深くなった。踏み跡はしっかりしているのだが、藪に慣れていないと不安に思うだろう。
 860mピークの西の肩を巻くと一旦下りになる。ブナの倒木があり、その上に乗ると、大境山の展望が目の前に広がる。実際の山頂は、奥にあって見えない。山腹は、ブナ林が広がり、赤や黄に彩られていた。
 沢を一本飛び越えると、その先で、沢水の流れる鞍部となる。小広場になっており、良い休み場になっている。水を汲んで飲み、ひと息いれた。
 沢をまたぎ越した所の尾根に取り付いて、登りが再び始まる。874mピークの西側の枝尾根で、ひと登りで県境尾根に出る。南斜面は崩壊地になって切り落ちており、枯松山や飯豊の主稜線の眺めも広がっている。
 急坂を乗り切って、ようやく山頂かと思ったが、その先に登りはまだ続いた。右手に小さな池を見て、その先でもう一回期待が裏切られた後、ようやく山頂に到着した。
 大境山の山頂は、三角点の周囲が刈り払われており、360度の展望が広がっている。目の目に枯松山が鋭角的な山頂を見せ、その奥に杁差岳が大石ダムに至る尾根を右に引いた姿を見せていた。北股岳から飯豊本山に至る飯豊の主稜線も目で追うことができた。ただ、飯豊方面は、南に位置して、この季節太陽も低く、逆光で良い写真が撮れないのは残念であった。二王子岳の右手には、日本海の海岸線も見えていた。沼山を経て北に向かう稜線の彼方には朝日連峰が広がっていた。見飽きない展望であった。この山には、20万分の1地図を持って登ることを勧める。
 山頂でゆっくりと休む間に、誰か登ってくるかなと思ったが、結局独り占めの山頂で終わった。すぐ近くの倉手山は、飯豊の展望台として人気も高いが、この大境山は知られていないようである。
 帰りは、登りの時と光線の具合も変わってきており、紅葉の写真を撮りながらの歩きになった。
 下山は早い時間だったので、樽口峠へ寄り道した。泡ノ湯の先は、舗装されてはいるが一車線幅で、観光客の車も多く、対向車とのすれ違いに注意が必要であった。
 実際の峠の手前に、広い駐車場が設けられた展望台があった。目の前に飯豊の主稜線の眺めが広がる風景は素晴らしかった。ただ、労せずしての眺めは、汗を流した末に辿りついた山頂からの眺めとは比べることはできない。

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