谷川岳、茂倉岳、本谷山

谷川岳、茂倉岳
本谷山


【日時】 2006年10月14日(土)〜15日(日) 前夜発1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 14日:曇り 15日:晴後曇り

【山域】 谷川連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
谷川岳・たにがわだけ
 トマノ耳・とまのみみ・1963.2m・一等三角点補点・新潟県、群馬県
 オキノ耳・おきのみみ・
一ノ倉岳・いちのくらだけ・1974.2m・三等三角点・新潟県、群馬県
茂倉岳・しげくらだけ・1977.9m・三等三角点・新潟県、群馬県
【コース】 天神尾根から茂倉新道へ
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/越後湯沢、四万/水上、茂倉岳、土樽
【ガイド】 アルペンガイド「谷川岳と越後の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「谷川岳、苗場山、武尊山」(昭文社)
【温泉】 岩の湯 300円

【山域】 谷川連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
谷川岳・たにがわだけ
 トマノ耳・とまのみみ・1963.2m・一等三角点補点・新潟県、群馬県
 オキノ耳・おきのみみ・
一ノ倉岳・いちのくらだけ・1974.2m・三等三角点・新潟県、群馬県
茂倉岳・しげくらだけ・1977.9m・三等三角点・新潟県、群馬県
【コース】 天神尾根から茂倉新道へ
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/越後湯沢、四万/水上、茂倉岳、土樽
【ガイド】 アルペンガイド「谷川岳と越後の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「谷川岳、苗場山、武尊山」(昭文社)
【温泉】 岩の湯 300円
【料金】 JR土樽〜土合 230円、谷川岳ロープウェイ 1200円

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
本谷山・ほんたにやま・1860m・なし・新潟県、群馬県
【コース】 三国川ダムより
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/八海山/兎岳
【ガイド】 新潟の低山藪山(白山書房)

【時間記録】
10月13日(金) 21:40 新潟=(関越自動車道、湯沢IC 経由)
10月14日(土) =0:30 土樽駅  (車中泊)
6:33 土樽駅=(JR)=6:44 土合駅―7:07 谷川岳ロープウェイ山麓駅=(谷川岳ロープウェイ)=7:28 天神平―7:59 熊穴沢避難小屋―8:53 肩の小屋―8:53 トマノ耳〜9:07 発―9:29 オキノ耳〜9:36 発―10:05 のぞき―10:29 一ノ倉岳―10:50 茂倉岳〜11:13 発―12:24 矢場の頭〜12:30 発―13:58 茂倉新道登山口―14:27 土樽駅=(R.17、六日町、三国ダム 経由)=18:30 十字峡  (車中泊)
10月15日(日) 5:30 十字峡―6:02 丹後山登山口―6:31 内膳落合―8:04 雨量計小屋―8:15 三十倉〜8:20 発―9:42 小穂口の頭〜9:54 発―10:29 本谷山〜10:50 発―11:18 小穂口の頭―12:26 三十倉〜12:37 発―12:40 雨量計小屋―13:43 内膳落合―14:07 丹後山登山口―14:40 十字峡=(R.291、小出IC、関越自動車道 経由)=17:20 新潟

 新潟と群馬の県境部に広がる谷川連峰は、日本海側と太平洋側の異なる気象が合いぶつかることから、2000m 級の標高にもかかわらず、厳しい気象条件にさらされている。急峻な岩壁に囲まれ、多くのクライマーの命を奪った魔の山というイメージが強いが、それは一面にしかすぎず、たおやかな笹原が広がる優しい姿の山という面も持っている。

 本谷山は、越後三山の中ノ岳の南に位置する丹後山から巻機山に至る県境稜線上にある山である。この区間の県境縦走路に登山道はないが、中ノ岳や丹後山の登山口でもある十字峡から中尾ツルネを経て小穂口の頭までは登山道が開かれており、残り僅かなヤブコギで本谷山に達することができる。

 先週の体育の日三連休は、爆弾低気圧のおかげで大荒れになったが、それでも三日目は天気が回復するとのことで、本谷山をめざすことにした。前夜に十字峡で夜をあかしたが、夜中まで雨が残り、朝になっても厚い雲が垂れ込めていた。諦めて権現堂山に予定を変更した。この週末は、天気も良さそうなので、そのリベンジとして本谷山を再び計画した。
 もう一日をどこの山にするか考えたが、中越方面で、しばらく登っていない山として、谷川岳を思いついた。谷川岳ロープウェイも付け替えられて新しくなったという。谷川岳の登山口のうち、最も一般的な天神平からのコースは、馬蹄形縦走の際の下山路として歩いただけである。天神平から登ってみるのも良いであろう。静かな山を楽しむため、谷川岳からは、茂倉岳を経由して下山することにした。
 今回の谷川連峰の横断ともいえるコースは、土合駅と土樽駅が起点となるので、この間の列車利用が都合が良い。幸い、土樽駅の始発が6時33分であり、土日の開始時間が7時の谷川岳ロープウェイに良い接続になっている。
 ETCの深夜割引を利かせるため、家をゆっくりと出て、夜中に土樽駅に到着した。駅舎内をのぞくと、ステーションビバークの登山者はいなかった。上越線の本数が少なくなって利用しづらくなったか、登山者が裕福になったためだろうか。土樽駅に土樽駅のすぐ上を高速道が通過しておりうるさいため、魚野川沿いの空き地に移動して、夜を過ごした。
 始発の列車には、もう一組の登山者、計三名が乗り込んだ。以前は、この列車で駅員がやってきていたのだが、今は無人駅である。切符は、車内で車掌から買うことになる。清水トンネル越えは、10分程の距離であるが、歩いて戻るには、丸一日の仕事になる。
 現在の新幹線でもそうだが、清水トンネルを越えるたびに浮かんでくるフレーズがある。「国境の長いトンネルを越えると・・・」。「雨であった。」土樽駅から眺めた谷川連峰は、新潟県側は快晴であったが、群馬側は雲に覆われていた。選択を誤ったかと、後悔した。幸い小雨も止んだようで、道路が濡れたくらいで済んでいた。
 土合駅は、出発の準備をする登山者で賑わっていた。谷川岳ロープウェイの山麓駅へは、しばらく車道歩きを行うことになる。何台もの車が追い抜いていった。紅葉の盛りとあって、行列を覚悟していたのだが、ロープウェイの切符売り場付近は閑散としていた。
 新しいロープウェイを見るのは始めてであった。いくつものゴンドラがぶる下げられるスタイルのものであった。22人乗りということで、実際に近づいてみると、かなり大きかった。2分おきの出発ということで、列に並んでもすぐに順番が来た。乗り込むと、列が途切れ、定員に満たない人数での出発になった。丁度、始発を待った登山者の列が途切れたようである。谷川岳は、谷川岳ロープウェイを利用すれば、楽々日帰り可能な山なので、これから到着の登山者が多いのだろうか。
 谷間を見下ろす眺めを楽しんでいると、一気に天神平に到着した。1200円の出費でずいぶんと楽をすることができた。天神平の山頂駅は、出発の用意をする登山者で込み合っていた。外は霧雨で、とりあえず、雨具の上着を着て歩き出した。
 リフト乗り場では、登山者が乗り込んでいたが、そこまで横着するわけにはいかない。リフト乗り場の先から登山道が始まっている。霧の中、登山者の列が続いていた。ペースが遅いので、機会があれば、追い越しながら歩いた。登山道は、トラバースしながらの緩やかな登りが続く。
 熊穴沢避難小屋を過ぎる頃には、登山者もまばらになり、自分のペースで歩くことができるようになった。傾斜も出てきて、尾根の登りが続くようになる。ちょっとした岩場も現れるが、充分すぎるほどに、鎖などで整備されている。霧で見通しが利かないため、余計に早足になっていたのかもしれない。
 傾斜が緩んだと思ったら、目の前に小屋が現れた。肩の小屋であった。この小屋も、新築後は、お初である。管理人も常駐する立派な小屋に変わっていた。ただ、この小屋はどのような人が利用するのだろうか。縦走のためなら、もうひと頑張りして、オジカ沢ノ頭の避難小屋まで進んだ方が良い。谷川岳の往復なら、ロープウェイを利用しなくとも、充分日帰り可能であろう。早朝の写真撮影を目的とする、写真愛好家が泊まるのであろうか。
 肩の広場からは、ひと登りで、トマの耳に到着する。天神平からは、たったの1時間半で到着した。谷川岳は、ロープウェイを利用すればずいぶんと簡単な山なのに、改めて驚かされた。これまでの山行では、厳剛尾根、連峰縦走、環状縦走を歩いた末に辿りついた山頂であった。
 谷川岳の山頂は、10数名がいるだけであった。この山頂としては空いているほうであろう。山頂に到着してザックを下ろし、汗を拭いている間に、ガスが薄れてオキの耳や茂倉岳、万太郎山が、薄っすらとではあるが姿を現した。カメラを構えたままで、ガスが流れるのを見守ることになった。結局、主稜線上でガスが薄れたのは、この時だけであった。
 ひと休みの後に、稜線の先に進んだ。振り返ると、トマノ耳が、逆光の中シルエットになって、鋭い山頂を見せていた。オキノ耳はそう遠くはない距離であるが、ここまでやってくる登山者は少ない。ガスによって視界が閉ざされたので、そのまま先に進んだ。浅間神社を過ぎると、岩場も現れるようになる。鎖が掛けられて整備されているが、バックになって下りなければならない岩場もある。
 一ノ倉岳の手前で、一の倉の岩壁を見下ろすノゾキに出るが、ガスのために岩場を眺めることはできなかった。その先でひと登りすると、一ノ倉岳の山頂に到着する。なだらかな稜線になっており、この山頂にいるだけでは東面の岩壁は想像できない。
 この先は、笹原の広がる幅広尾根となる。谷川連峰のもう一つの顔である笹原の稜線である。賑わう谷川岳を後にして、ガスに包まれた稜線は、余計に静かに感じた。
 茂倉岳の山頂は、三叉路となる要所だけに、三名が休んでいた。昼の大休止として腰を下ろした。ガスが晴れることを期待して待ったのだが、群馬県側はガスに覆われたままで、新潟県側の斜面を見下ろすことができるだけであった。紅葉は、稜線上では終わっており、中腹に移っていた。
 茂倉岳からは、武能岳から蓬峠を経て下山することも考えられたが、今回は、すなおに茂倉新道を下ることにした。明日のことを考えると、体力をあまり消耗したくなかった。
 山頂から笹原の尾根を下ると、茂倉岳避難小屋に到着する。立派な小屋で、いつか泊まってみるのも面白そうである。この先、矢場の頭までは、紅葉を眺めながらの歩きになった。登ってくる登山者にも数組すれ違ったが、この尾根を登るのは大変そうである。矢場の頭で、茂倉岳へ続く尾根を振り返った後、下りに専念することになる。桧廊下とも呼ばれる、木の根が張りだして歩きづらい区間を過ぎると、やがてブナ林が広がるようになる。高速道の関越トンネルを出入りする車の走行音も近づいてきて、ゴールも迫ったことを知ることができる。
 茂倉新道は、最後には、関越トンネルの残土置き場の広場に飛び出す。この後は、土樽駅までの車道歩きが残されるが、そう遠くはない距離である。
 車に戻って、まずは温泉をめざした。おなじみの岩の湯は近い。その後、六日町に出て、食料の買出しをして夕食をとった。足にも疲れが出ており、明日の歩きが少し心配になったが、予定通りに本谷山をめざすことにした。
 先週に続いての、十字峡での泊まりになった。先週とは違って、中ノ岳登山口周辺には、登山者の車も何台か停められていた。
 翌朝は、薄暗いうちに起きたが、出発の準備をしている間に、ヘッドランプの灯りはいらない状態になった。
 林道の入口には、車止めのためのバリケードが作られていた。本谷山の登山口の内膳落合までは、早足でも1時間程の歩きになる。秋の日暮れの早さを考えると、この林道区間は、ヘッドランプを使って歩くくらいの早立が良い。
 まだ薄暗い渓谷に、波しぶきが白く光っていた。林道の幅は充分とはいっても、岩が覆い被さっており、残雪期には、この道は谷に向かって落ち込む滑り台になってしまう。雪崩、落石、滑落が恐ろしく、春の巻機山からの縦走でも、このルートを避けてネコブ山から下山したが、それはそれで困難なルートであった。この林道が、もっと良く整備されていたらと思いながら歩いていくと、路肩が崩壊し、歩く幅しかないところも現れた。この林道の行く末はどうなるのであろうか。
 三国川を左岸から右岸に渡ると、その先で丹後山の登山口に出る。ここには登山届けのポストも置かれている。後で気がついたのだが、本谷山の登山口には、ポストはないので、ここで記入していかなくてはいけない。
 この先は、右岸通しの道で、左から内膳沢が入って、橋を渡ると、その先で本谷山の登山口に到着する。登山口に置かれている標識は、止め具が外れて逆さまに置かれており、いつまであるか判らないが、谷側に内膳落合と書かれた標柱が立てられている。
 登山道に進むと台地に出て、すぐに木の根を足がかりにする急坂が始まる。尾根の上に出てからも、急登が続く。左に内膳沢、右に三国川に挟まれた尾根の登りである。登り始めの急坂がひと段落すると、岩尾根が現れる。細いところもあるが、危険なほどではなく、周囲の展望を楽しむことができる。
 この尾根の登りだが、飯豊連峰の足の松尾根と良く似た感じである。林道歩きの末に足の松沢にかかる橋を渡ると足の松尾根の登山口。いきなりの急登が始まり、ひと息つくと姫子の峰である。
 一旦傾斜は緩やかななるが、再び傾斜はきつくなる。最初の目標地点は、三十倉のピークであるが、その前に1096点が張り出して見えている。南に向かって登っているため、逆光気味で、先が見にくくなっていた。三国川の谷越しの桑ノ木山やネコブ山の山頂が、目の高さに次第に近づいてきた。登りの途中、ブナ林が広がると、登りの緊張も和らいだ。
 前方に三十倉が迫ってきたところで、登山道の左手に白い二階建ての建物が現れた。雨量観測施設のようだが、鍵がかかって、内部には入れない。入口付近だけでも開放されるような構造になっていれば、緊急時に使えるのだが。
 ここからは、ひと登りで三十倉のピークに出る。桑ノ木山は少し遠ざかり、目の前にネコブ山の山頂が聳えている。青空が広がっているのだが、振り返ると、八海山や中ノ岳の山頂には雲がかかっていた。時間が経つと雲が広がりそうであった。この先歩く尾根が、主稜線に向かって、一気に登っていくのが見えた。
 登山地図でコースタイムを確認すると、登山口から三十倉までは2時間、ここから稜線分岐までは1時間30分となっている。かなり快調なペースで登ってきたつもりであるが、1時間40分かかっている。結局、この先の稜線分岐までは1時間20分かかることになった。本谷山のコースタイムはかなり厳しい設定になっている。これも健脚者以外の登山者はあまり登らないためであろうか。
 三十倉からは、一旦少し下ってから、一気の登りになる。鞍部から登りに変わったところに、3m程の高さの岩場がある。この岩場には鎖はかかっておらず、登りはともかく、下りは手がかりが少なく、足を下ろす時が少し難しい。この先にももう一箇所鎖場が現れるが、こちらは両脇が切り落ちているものの、鎖もかかって足場も豊富なため、通過は楽である。
 紅葉に染まった潅木帯を登り続けていくと、標高1550m付近からは笹原の尾根になって、展望が広けるようになる。ここからの尾根の歩きは、本谷山の魅力の一つといってよい。谷をつめたところの小突起が小穂口の頭で、本谷山はその左手の高まりである。気分的には、登り付いたような気になるが、登りはまだ続く。
 振り返っては写真を撮りながら登っていくと、下津川山に至る稜線が目の前に迫ってきて、ようやく小穂口の頭の肩の稜線分岐に到着する。草原となっており、思わず、寝転んでしまいたくなる。
 本谷山方面を眺めると、はっきりした刈り払い道が山頂に向かって続いているのが見えた。先回本谷山に来たのは、2002年10月5日であったが、この時は、この先はかすかな踏み跡を辿る必要があった。藪漕ぎの心配が無くなってほっとした。
 ひと休みの後に、登りを開始した。小穂口の頭は、左右が切り落ちた稜線沿いに道が付けられている。特に左手の内膳沢側に落ちると、助かりそうも無いが、幸い、掴む潅木もあり、油断しなけらば問題はない。このピークを越すと、笹尾根の登りになる。笹を刈り払った跡の茎が登山靴の下でぼきぼきと音を立てて、ともすれば足元がずれそうになる。このような道で転ぶと、手に茎が刺さったりして思わぬ怪我をするので、ゆっくりと歩く必要があった。
 それでも、刈り払い道は、藪漕ぎよりは楽で、順調に高度を上げていくことができた。右手の一段下にある池が、風景に良いアクセントを付けていた。山頂を目の前にする1830m標高地点で刈り払いは終わった。笹の丈も高いところであったので、やれやれと思ったが、踏み跡に従って笹藪に突入した。右手に進むと、すぐに尾根の上に出た。この先は、尾根通しでコースははっきりしている。尾根の勾配は急で、潅木を手で掴みながら登る必要もあり、これなら刈り払いは必要ないなと納得した。今後、この刈り払いはどうなるのか判らないが、少々藪を漕いで登った方が、本谷山らしい。
 傾斜が緩んで、笹原を進むと、少し小高い所があり、そこが本谷山の山頂である。三角点はないので、この高まりに到着すれば登頂となる。笹原の丈もここは低くなっており、腰を下ろして休むのに良い。平ヶ岳や燧ケ岳方面の展望は広がっていたが、下津川山や越後沢山方面の県境稜線の先の展望は閉ざされていた。小穂口の頭が流れるガスに見え隠れしていた。稜線沿いの潅木の紅葉は、すでに終わっていたが、草原が黄色に染まっていた。
 独り占めの山頂をしばらく楽しんだ後に下山に移った。刈り払い道までの藪漕ぎでは、尾根を下りすぎたかなと不安に思うところもあったので、尾根の取り付きにはテープを付けてから登った方が良いであろう。
 紅葉は、少し下った三十倉手前付近が盛りであった。カメラを構え、紅葉に浸りながらの下りになった。三十倉を過ぎると、紅葉の色づきもまだの状態になって、下りの足を速めることになった。
 十字峡に戻ると、登山者の車も増えていたのだが、本谷山の登山者は、結局、私一人であった。静かなる本谷山。日本百名山のように、ネームバリューだけで大勢が登る山とは対照的な魅力的な山である。

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