宝蔵山、白山

宝蔵山、白山


【日時】 9月23日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 白山・粟ヶ岳山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 宝蔵山・ほうぞうざん・897.1m・三等三角点・新潟県
 白山・はくさん・1012.4m・二等三角点・新潟県
【コース】 上高柳より周回
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 なし
【温泉】 七谷コミュニティーセンター 100円(沸かし湯、石鹸無し)

【時間記録】 6:40 新潟=(R.49、亀田、R.403、加茂 経由)=7:50 上高柳送電線巡視路口〜8:03 発―8:30 高柳登山口―9:05 笠峰分岐―9:37 橋立―10:30 宝蔵山―11:33 白山〜11:40 発―(12:10 〜12:30 昼食)―13:00 宝蔵山―13:52 前宝蔵山下―14:09 鉄塔―14:30 上高柳送電線巡視路口=(往路を戻る)=16:00 新潟

 白山と粟ヶ岳は、新潟平野の東の縁に沿い、川内山塊の前衛を成している。新潟周辺で人気の山になっており、それぞれの山は登山者で賑わっている。この二つの山を結ぶ縦走路が開かれているが、1日で歩くことは難しいため、歩く者は少なく、中間に位置する権ノ神岳や宝蔵山を訪れる登山者は、両脇の二山に比べて格段に少ない。しかし、中間の橋立で区切り、宝蔵山と白山、権ノ神岳と粟ヶ岳と組み合わせて周回コースをとれば、1日行程の手頃な山となり、縦走路を結ぶことができる。

 今年の秋の課題として、粟ヶ岳から白山への縦走路を二回に分けて歩くことを考えていた。この山塊は、10月から11月に歩くことが多く、9月に歩いたことはなかった。紅葉には少し早いが、晴天に恵まれそうなので、川内山塊の眺めを期待して、縦走路の半分、宝蔵山から白山を歩くことにした。2005年5月29日に、この区間は、笠峰から白山の縦走として歩いているが、グループで歩いて、車の回送を行っている。今回は、一人でも行える周回コースとして歩いて、コースタイムを確認することにした。
 上高柳の集落の先に車を進め、尼池山の西を通過する送電線の巡視路の入口に車を停めた。この送電線は中越幹線で、下山は、この林道を下りてくる予定である。
 高柳川沿いの林道の歩きがしばらく続く。林道の脇には、杉の植林地が広がる。林道の入口に、通行不能の標識が置かれており、しばらくは問題のない道が続いたものの、沢沿いの道から分かれて、右にカーブしたすぐ先で、鎖が掛けられていた。1997年に宝蔵山に登るために初めて入った時は、荒れた林道を上高柳登山口まで入ることができた。この時は、林道は登山口で終わっていたが、その後、先に延びて道幅も広く整備された。そして、現在は、路面は荒れて、草も茂り、鎖がかかってなくても、車の走行は無理な状態になっていた。
 標識の立つ登山口から山道に進む。杉林を抜けると、雑木林の台地に出る。トラバース気味に登っていくと、前方に尾根が迫ってきて、ジグザグの登りになる。
 前の晩、登る山を決め後に夕刊を読むと、クマに頭をかじられたという記事が目に入った。場所を見ると、仙見川とある。この川は、粟ヶ岳から白山に至る稜線の水を集めている。これはやばいといことで、鈴を用意した。人気の無い山に、鈴の音を響かせながら歩いた。
 尾根の上に出ると、右手からは笠峰からの道が合わさる。橋立へは左の道に進むと、すぐ先で、小乙の道が下から上がってきている。まずは、ここで最初の休みになる。
 この先は、幅広の道が、緩やかに登っていく。峠の橋立はすぐそこのように見えるが、奥にあって、意外に遠く感じられる。
 宝蔵山と権ノ神山の鞍部が橋立である。ここには小乙からの道が合わさる。粟ヶ岳の登山口の水源池からの道も、小乙からの道に合わさって、ここに出てくる。
 権ノ神山への登山道を見ると、草がかぶっていた。9月の段階では、まだ厳しそうであった。状態が良ければ、明日にもと考えていたが、10月の紅葉の季節まで待った方が良さそうである。
 この先も、しばらくは幅広の道が続くが、緩やかに下っていった鞍部付近から藪状態になった。踏み跡はしっかりしているのだが、草を掻き分ける必要がある。これまでに二回歩いており様子は判っているので良いが、初めてだと不安に思ってしまうだろう。9月は、まだ夏草が優勢である。
 737mの小ピークを越えると、宝蔵山への一直線の登りが始まる。体力的には、今日のコース中、もっともきついところであるが、藪は消えてしっかりした登山道が続くようになり、気分的には楽になった。宝蔵山の山頂は台地上で、三叉路を左に曲がると、山頂広場であるが、帰りに通ることになるので、右の道に進んで白山を目指した。
 分岐の標識には、白山まで120分とあるが、それほどはかからない。アップダウンもあるが、そう大きくはなく、気軽に歩くことができる。
 登山道周辺の潅木も背が低くなってきているが、葉が茂っているため、葉の落ちた晩秋と違って見晴らしは利かなかった。
 標高620mの烏帽子山への尾根が分かれる890m小ピークを越えると、尾根も細くなり、遮るもののない展望が広がる。正面に白山が丸い山頂を見せている。右手には、川内山塊の眺めが広がっている。毛石山は目の前で、その向こうには木六山から銀次郎山、銀太郎山、五剣谷岳、さらに青里岳へと続く稜線が続いている。左手には、新潟平野と弥彦山、角田山の眺めが広がっている。振り返ると、鋭い山頂を持つ粟ヶ岳が高く聳えている。ここからの眺めを楽しみに、このコースに何度も登っている。
 934m小ピークを越えると、白山の山頂に向かって、標高差は50mの最後の登りになる。山頂の避難小屋の脇に出て、右に曲がると、山頂広場である。
 山頂ではススキが白い穂をなびかせていた。山頂は木立に囲まれて、北だけが開け、菅名山塊や五頭山塊の展望が広がっていた。登山者は、10数名で、連休であることを考えると、意外に少なかった。それでも、ここまで誰にも会わずに歩いてきたので、人の話し声が煩く感じられた。そのまま戻って、途中で休むことにした。
 見晴らしの利く痩せ尾根で、展望を楽しみながら昼食とした。登山道の上に腰を下ろしていても、人は通りかからない、独り占めの山である。
 宝蔵山の三叉路に戻り、少し進んだところに、山頂広場がある。木立に囲まれて展望はないが、粟ヶ岳の山頂が木立の間から姿を見せている。
 宝蔵山からは、尼池山への尾根を下る。歩きやすい登山道が続いている。前宝蔵山と呼ばれる766mピークは、北側を巻いて通過し、再び尾根に乗る。時折展望が開けて、高みに遠ざかった宝蔵山や白山の山頂を眺めることができる。新潟平野も眼下に広がり、高度感も楽しめる。
 急坂を下ると、前宝蔵山下という標識が現れる。尼池山は、ピークになっておらず、知らないままに通過する。緩やかな尾根を下っていくと、送電線の鉄塔が現れ、林道が上がってきている。
 登山道をそのまま直進すれば、十二山ノ神(柿ノ木平)を経て中大谷登山口に下り立つが、ここは左の林道に進む。舗装された林道を下っていくと、歩き始めのゲートに出る。
 縦走路が整備されたのは、平成8年の頃であるが、利用者が少ないためか、藪がちになってきている。慈光寺から白山に登る登山者も一部でも良いので、今回の周回コースを歩いてもらいたいものである。

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