八石山

八石山


【日時】 9月18日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 東頚城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 八石山・はちこくさん・518m・なし・新潟県
 上八石山・かみはちこくさん・494.9m・三等三角点・新潟県
 下八石山・しもはちこくさん・513.8m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/法坂
【ガイド】 新・にいがた花の山旅(新潟日報事業社)

【時間記録】 7:00 新潟=(北陸自動車道、柏崎IC、R.252、高柳、八王子 経由)=9:45 ステーキハウス八石登山口〜10:00 発―10:30 婆石―10:49 婆石展望台―10:53 上八石山―10:58 姥石展望台〜11:03 発―11:22 八石山―11:34 久之木峠―11:51 下八石山〜11:56 発―12:07 久之木峠―12:20 八石山〜12:24 発―12:39 婆石展望台―13:15 ステーキハウス八石登山口=(八王子、相野原、R.404、七日町、R.291、小千谷IC、関越自動車道 経由)=15:00 新潟

 八石山は、柏崎市と小国町の境界に位置する山である。柏崎地方では、八石山、米山、黒姫山をまとめて、「刈羽三山」と呼んでいる。八石山は、三つの峰からなり、北に位置する二等三角点の置かれた513.8m峰を下八石山、最高点の518m峰を中八石山、南に位置する三等三角点の置かれた494.9m峰を上八石山と呼ぶ。下八石山には山小屋、中八石山には展望台が設けられ、登山道も良く整備されており、四季を通じてのハイキングに適した山である。

 昨日、鋸山の山頂から刈羽黒姫山が良く見えたことから、連休三日目の山として出かけることにした。新潟中越地震で、登山口の磯之辺周辺にも被害がでたが、そろそろ復興も進んでいるだろうと思ってのことである。
 柏崎から高柳に入り、磯之辺への道に進んだ。沢沿いからカーブが始まる所で、通行止めになっていた。黒姫山登山は諦めるしかなかった。あいにくと、他の山のことは考えていなかった。米山でも登ろうかと思ったが、車の外に出ると、猛烈な暑さになっていた。中国地方の日本海上を通過している台風の影響で、フェーン現象が起きているようである。30度は軽く越えているようである。この気温では、米山の標高差の1000mは厳しい。八石山ならは、春にも登っているが、東面の八王子から登ったのは2000年5月21日なので、かなりたっており、高柳から移動するにも都合が良い。
 登山口の八王子へは、県道252号線田代小国線が通じているが、県道25号線柿崎小国線を進んで、八王子トンネルを通過するのが良い。国道から県道に入るところにはステーキハウスの案内板があり、これに従えば自然に導かれる。 八王子トンネルを通過すると、T字路に出て、ここは右折。2km先で坂道を登ると、ステーキハウス八石に到着する。一段下に、登山者用の駐車場が設けられている。三台の車が停められていた。
 ステーキハウスの前に出ると、中八石山の眺めが目に前に広がっていた。山頂の展望台も良く見えていた。
 木造のステーキハウスの背後に回ると、木のアーチの下から登山道は始まる。歩き始めは、美しいブナ林が広がっている。木陰に入ると、暑さも少し和らいだ。風が強く、熱風ではあるが、気持ちが良かった。しばらくは、緩やかな尾根歩きが続く。登山道の左脇に林道が沿っており、しばらく登った後で草が茂ったこの林道を歩くが、再び登山道に入る。
 山の斜面が迫ってきたところで、婆石に出た。左手の斜面に頭を出している岩が、婆石のようである。婆石にまつわる「弥三郎婆さま」の伝説の説明板が脇の木にかけられている。かなりの長文で、読むのも大変であるが、この先の難所を控えてゆっくりしよう。
 婆石から歩き出すと、ロープの下がる急坂になる。標高差100mの急登が続く。滑りやすい赤土の斜面で、ロープを握っていないと滑落の恐れもある。下山時にこの急坂ですれ違った夫婦からは、「大変な山ですね」という言葉が出てきた。初心者にとってはかなりの難所といってよい。一旦傾斜が緩み、再び現れた急坂を登りきると、婆石展望台に到着した。
 展望台には、声高にしゃべっている二人連れがいたため、まずは上八石山を訪れてくることにした。左に曲がって、石川峠方向に進むと、90mほど先で、右手に分かれる道が現れる。ここには、八石城址〜石川と書かれた標識も置かれている。
 先回は、藪っぽい道であったと思うのだが、整備された道が続いていた。登山道周辺には、美しいブナ林が広がっていた。僅かに下って登り返した小ピークが、上八石山である。標識も無く、登山道の真ん中に三角点が頭を出しているだけで、木立に囲まれて展望はない。ここが八石城址なのか、尾根を下っていく途中の小ピークがそうなのかは知らない。石川から登って確かめることも必要なようである。
 婆石展望台に戻ると、誰もいなくなっていたので、展望台に登った。先回の2000年の時には、老巧化のため、立ち入り禁止になっていたが、改築されていた。曇り空ながら、東には、守門岳、浅草岳、毛猛山塊、越後三山、振り返ると、日本海の海岸線と佐渡島の眺めが広がっていた。谷川連峰方面は雲が厚く、荒れ模様のようであった。中八石山の山頂も目の前に見えており、もうひと頑張りと招いていた。
 この先の尾根歩きは、緩やかに下っていき、また登り返す必要がある。それほどの登りではないのだが、汗がしたたり落ちるようになった。
 中八石山の山頂は、草地の広場になっており、展望台が立てられていた。この展望台も、前回は、老巧化によって、立ち入り禁止になっていた。登ってみると、婆石展望台からの展望とはそれほど違ってはいないものの、下八石山の山頂が目の前に迫っている。
 なお、八石山の各ピークの名前は、判りにくいところがある。「新潟花の山旅」では、上、中、下八石山と名前がふられていたので、これに従っていたのだが、「新・にいがた花の山旅」では、この中八石山は男八石、下八石山は女八石と名前が付けられている。標識には、このピークは、八石山とだけ書かれているし、枡形山という別名もあるようである。さらに下八石山の北には、赤尾八石山と呼ばれるピークもある。
 ここまで来たからには、下八石山まで足を伸ばさないわけにはいかない。この先の登山道は、やや細くなって、歩く者は少ない感じになる。滑りやすい泥斜面の急坂で、久之木峠までは気が休まれない。久之木峠へは、久之木から幅広の道が上がってきていたが、峠の反対側の道は無くなっていた。
 峠までは、100mを下ってしまい、その後に100mの登り返しとなる。幸い、下八石山側の登山道は、歩きやすくなる。
 下八石山の山小屋では、中で登山者が休んでいた。このピークからの眺めも良く、柏崎の市街地を見下ろすことができた。写真をひと通り撮ってから引き返した。
 中八石山の山頂に戻ってから昼食というつもりであったのだが、大汗をかいており、お茶と水合わせて1Lしか持っておらず、昼食をとるには足りなくなっていた。ここから尾根を下る道もあるようだが、夏草がかぶっており、下山後の車道歩きで車に戻るのも、このような暑さでは大変なので、来た道を戻ることにした。ひとつの山の登山道をすべて歩くというのは、里山では、多くの道があり、また廃道も多いという難しさがある。
 婆石展望台から、急坂を一気に下りれば、後は気楽な尾根歩きになる。大汗をかいて車に戻り、飲み物を買うため、コンビにへと急ぐことになった。

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