鏡山

鏡山


【日時】 2006年5月21日(日) 日帰り
【メンバー】  単独行
【天候】 晴

【山域】 飯豊連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
鏡山・かがみやま・1338.9m・三等三角・新潟県、福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/大日岳/大日岳
【コース】 弥生より
【ガイド】 会津百名山ガイダンス(歴史春秋社)、山と高原地図「飯豊山」(昭文社)

【時間記録】 5:40 新潟=(磐越自動車道、津川IC、R.49、徳沢、R.459、奥川 経由)=7:10 弥生〜7:30 発―9:00 登山口―9:20 弥平四郎分岐―10:35 鏡山〜11:17 発―12:07 弥平四郎分岐―12:27 登山口―13:51 弥生=(奥川、R.459、徳沢、R.49 経由)=17:00 新潟

 飯豊連峰の実川源流部の左岸、三国岳から南東に延びる尾根上には、疣岩山、卷岩山、鏡山、七森山、立石山、高森山、高陽山といった峰々が連なっている。福島県側における飯豊の代表的登山口の弥平四郎から鏡山に登り、北上して疣岩山に至り、従来から歩かれてきた飯豊本山へのルートに合わさる登山道が整備されている。鏡山は、実川を挟んで大日岳と向かい合っており、その山頂からは飯豊連峰の大展望を楽しむことができる。飯豊連峰の展望台というべき山はいくつも挙げられるが、その中でも代表的な山頂といって良い。

 前日の雨とうって変わって、晴の天気予報が出た。新緑と残雪の美しし季節であり、展望の山を選びたかった。思い浮かんだのは、飯豊の展望台の鏡山であった。これまで二回登っているが、いずれも弥平四郎から上ノ越しへの周回コースを歩いており、もう一方の登山口の弥生からは登っていなかった。
 また、3月に高森山に登ったが、その北隣の立石山を登るために、弥生から先の林道と橋の位置を、GPSによって地図に落としておく必要がある。来年の春の課題ではあるが、林道を歩いてみる必要がある。
 弥生の集落に到着して、久良谷沿いに進むと、橋を渡った先の人家脇から、未舗装の林道に変わった。林道は歩くつもりだったので、道路脇に空き地が現れたところで車を停めた。
 林道を歩き始めると、すぐに林道がデブリによって不通になっており、その手前に車が数台停められていた。林道を700m程進んだ所であった。その先は、新緑に彩られた沢の眺めを楽しみながらといっても、長い林道歩きが続いた。山奥に分け入っていくと、林道上にも残雪が現れるようになった。始めのうちは、通過に問題は無かったが、ついに沢に急傾斜で落ち込む雪の斜面が現れた。つぼ足では微妙なバランスとなって、ピッケルとアイゼンが必要な斜面であった。道具は用意してあったが、尾根の張り出し部で、先がカーブで見えなかった。対岸は雪が無く、沢岸をヤブコギで辿るのも、難しそうではなかった。迂回してみることにした。沢を飛び石伝いに渡って、上流に進んだ。渡り返すところを探しながら進むと、大木が倒れ込んで、橋になっていた。これを利用して渡ると、林道を覆った雪の傾斜も平坦になって、歩くのに問題はなくなっていた。幸い、そのすぐ先で、尾根の取り付きに到着した。
 尾根沿いには、良く整備された登山道が続き、問題の無い登りが続いた。ひと汗かいたところで、弥平四郎からの登山道が合わさるT字路に出た。登山道の歩きが始まってからは20分の登りで、弥平四郎からの1時間半の登りと比べると、ずいぶんと楽なコースであった。
 ここからは、緩やかな登りが続いた。水場の標識を見ると、七森峰とも呼ばれる1168mへの登りになった。登山道脇にも雪堤が続くようになった。次の小ピークに登ると、雪原の向こうに遮るもののない、鏡山の眺めが広がった。ブナの大木が彩りを添えていた。左手に、大日岳の眺めが広がっていたが、眺めをゆっくり楽しむのは山頂までお預けとして、先を急いだ。
 雪原は、傾斜もほどほどで、気持ちの良い登りになった。ピークの上で、夏道の続きを注意して見つける必要があった。
 鏡山の山頂は、刈り払いの広場になっている。先回の1999年5月23日には、山開きとかちあって、広場は腰を下ろす場所が無いほどに混み合っていたが、今回は、先行者が三人いるだけであった。後日調べると、山開きは、翌週とのことであった。
 期待通りの飯豊の大展望が広がっていた。大日岳は実川を挟んで、大きく広がっていた。その右手に、御西岳、飯豊本山、種蒔山、三国岳へと、取り囲むように稜線が続いていた。巻岩山、疣岩山を経て三国岳へと続く尾根が誘うようであった。ビール片手に、眺めを楽しんだ。
 山頂での展望を充分楽しんでから、雪原歩きを楽しみながら下った。下りの途中でも数組の登山者と出会ったが、静かな山であった。
 今回は、林道歩きに時間もかかり、残雪のトラバースに苦労したが、車が奥まで入れれば、鏡山は比較的容易に登れる山である。それにもかかわらず、一般登山ガイドで取り上げられることは少なく、知名度は高いとはいえない。飯豊の展望を楽しみに、晴の日に登りに出かけよう。

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