米山

米山


【日時】 2006年5月20日(土) 日帰り
【メンバー】  単独行
【天候】 雨

【山域】 米山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
米山・よねやま・992.6m・一等三角点本点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/柿崎/柿崎
【コース】 水野新道
【ガイド】 越後の山旅(富士波出版)

【時間記録】 8:30 新潟=(北陸自動車道、米山IC、R.8、柿崎、米山寺、水野 経由)=10:40 水野林道終点〜10:47 発―11:20 下牧分岐―11:26 避難小屋―1:55 米山〜12:24 発―12:50 避難小屋―12:54 下牧分岐―13:20 水野林道終点=(水野、米山寺、R.8、R.116 経由)=17:00 新潟

 米山は、越後の北陸道沿いにあって、日本海にその裾野を洗う独立峰である。街道あるいは海上よりその姿を良く眺めることができることから、古来、旅人や地元民の心に刻まれ、名山として親しまれてきた。民謡「三階節」の「米山さんから雲が出た」という文句でも知られている。地元の信仰厚き山で、山頂には米山薬師のお堂が置かれ、上越、中越の各町村では米山講が組織されていたという。

 台風一号が発生し、それによって前線が活発化して、西日本から雨が広がってきた。幸い、新潟では、雨はそれ程強くはならないですみそうなため、山に出かけることにした。インターネットの知り合いが米山に登った記録を見て、米山の名前が頭に浮かんだ。米山の各登山道は全て登ろうと思ってはいるが、まだ大平コースと下牧コースしか歩いていない。水野林道終点からのコースならば、歩く時間も比較的少なく、雨の日に歩くにも良さそうであった。
 北陸自動車道を西に向かい、米山ICが近づいたところで、雨が強くなったため、時間調整のために、高速を下りて下道を走ることにした。本来は、柿崎で高速を下りた方が早い。昼には雨は止むという天気予報も出ていたため、歩き出しを少し遅らせる必要がある。
 米山寺の脇を通り抜けていく道は、先回歩いた下牧コースのアプローチと同じである。水野の集落に到着すると、米山登山道(水野林道)と書かれた大きな標識が立てられていた。大型バスはこの先通行不能と書かれていた。すぐに未舗装の林道に変わったが、車の走行には問題の無い道であった。林道は、ジグザグを繰り返しながら、高度を上げていった。雨は止んでいたが、代わりに霧が出てきた。
 左手に登山者用の駐車場が現れると、林道は、すぐ先で終点になった。10台ほどは停められそうな駐車場であったが、他に車はなかった。歩き出す支度をしていると、ブヨも寄ってきて、防虫スプレーの今年最初の出番になった。
 トラバース道を進むと、すぐに階段登りが始まった。たちまち息が上がった。登山道の脇には、ナガハシスミレの群落が目立った。日本海に臨み、標高も低いにもかかわらず、残雪も現れた。ブナ林が、霧につつまれ、静かに広がっていた。緑濃い登山道を歩いていくと、下牧からのコースに飛び出した。
 この分岐までは35分であったが、下牧からでは1時間5分かかったので、ずいぶんと楽なコースである。
 ここからは、以前にも歩いたコースである。すぐ先で、しらば避難小屋に出る。ここは、女人結界の女人堂跡で、「しらば」は、「尸羅場」と書き、霊に出会う場所=薬師如来に礼拝出来る場所という意味を持っている。この小ピークを僅かに下った鞍部から先は、岩場になっているが、良く整備されており、歩くのには支障はない。この痩せ尾根が、女人結界の印になっていたのかもしれない。
 登山道脇には、オオイワカガミの花が目立つようになった。窪地状になった登山道が残雪に覆われて、足を踏み抜くところも現れた。
 傾斜が緩むと、霧の中から、山頂の避難小屋が現れた。まずは、薬師堂と、一等三角点、それに原三角点標識にお参りした。雨は止んでいたが、霧に覆われて展望は無かった。
 避難小屋に入って、ひと休みした。山頂にこのような小屋があることは、雨の日には有り難い。中には、誰もいなかった。備え付けのノートを見ると、大平コースから登ってきた二人がいたようだが、すでに下山してしまったようである。大きな小屋に一人だけだと、かえって落ち着かなかった。
 下りは、足任せにぐんぐんと下って、あっというまに登山口に戻ることができた。水野新道は、簡単に登れるが、少し味わいに欠ける感じがした。次は、また別な登山道を登ることにしよう。

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