多宝山

多宝山


【日時】 2006年3月21日(火) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り時々雨

【山域】 弥彦・角田山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 多宝山・たほうざん・633.8m・一等三角点本点・新潟県
【コース】 登り:銅山道 下り:宝川右岸尾根
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/弥彦
【ガイド】 なし

【時間記録】7:50 新潟発=(新新バイパス、新潟西バイパス、R.116、県道新潟・寺泊線、R.402、田の浦 経由)=8:45 銅山道登山口〜9:00 発―10:14 弥彦スカイライン―10:47 多宝山〜11:00 発―11:17 佐渡見台―11:53 三角点ピーク―12:16 林道―12:37 銅山道登山口=(西生寺、往路を戻る)=17:30 新潟

 弥彦山は、越後平野の日本海際に、角田山や国上山と共にひとつの山塊を作る山である。山頂は、越後一宮として名高い弥彦神社の奥の院の置かれた弥彦山と、一等三角点の置かれた多宝山のふたつのピークに分かれている。
 弥彦山の山頂部には、弥彦スカイラインが通じているが、この道路の開削によって、日本海から通じていた山道は、寸断されたり、工事用土砂による土石流のために、荒廃してしまったという。地図にも記載されている田ノ浦からの道は、かつて銅山があったことから間瀬銅山道と呼ばれるが、最近歩く者が多くなって、道もしっかりしてきている。

 雪山が続いているが、弥彦や角田山からの雪割草の便りが届いている。花を見に行かなければと思っても、晴天の天気予報が出れば、雪山に行きたくなってしまう。春分の日であったが、曇りになりそうなので、花を見に出かけることにした。弥彦・角田山のどのコースが良いか考えたが、田の浦からの周遊コースを歩くことにした。
 田の浦から林道開ノ木平線に進むと、登山口の駐車スペースに出る。以前は、林道に鎖が掛けられてその先への進入禁止になっていたが、解放されていた。一台の車が置かれているだけであった。曇り空のために、登山者も出遅れているようである。林道脇の側溝に蓋がかぶされており、車を置きやすくなったのは助かる。
 今年初めての土道の歩きになった。林道のカーブ地点から、登山道に進む。カタクリの花も咲きはじめていたが、曇り空のために花は閉じていた。カタクリはまだ良い方で、キクザキイチゲとなると、閉じた花が垂れ下がっているだけで、写真にならない。しばらくは、砂防ダムのための作業道であったと思われる幅広の道が続く。沢を渡って左岸に移ると、砂防ダムの下に出る。右手から登って乗り越し、河原に下りる。そのまま左岸沿いに登っていく踏み跡が続いているので注意が必要である。
 河原を渡って右岸に移ると、再び登山道に乗ることができる。沢の二俣は、右に進む。この付近から雪割草が現れたが、曇り空のために、閉じているのが残念であった。それでもなんとか開いている花を見つけては、写真を撮った。今日は、歩きよりも、写真が目的である。昼になって、花が開くのを期待した。
 再び二俣に出ると、右手に滝が落ちている。滝の左手の岩場の登りになる。鎖が掛かっており、難しい登りではない。ただ、以前のコースに崩壊が生じているようで、ひと登りしたところで、滝の落ち口へと移ることになる。
 踏み跡がはっきりしない滝の上の河原を進むと、右手斜面に続く道が現れる。つづら折りの道で、沢から離れていく。この付近は雪割草も多いのだが、時期が早いようで、花はほとんど見られなかった。沢を巻きながらの歩きになった。見上げる山頂も近づいてくると、登山道周囲にも残雪が現れた。残雪に埋まった沢をしばらく直上してから、左手の尾根に乗るところもあり、コースを良く見定める必要があった。このコースは、自然度が高いが、それだけにコースを注意深く辿る必要がある。最後は、地図とは違って、尾根沿いの登りになる。標高120mの登りで、息も上がる。
 冬季通行止めの弥彦スカイラインに出て、多宝山に向かう。静かな登山道を辿ってきたため、賑わっているであろう弥彦山よりは、多宝山の方に心がひかれる。
 多宝山への登りは、残雪で覆われ、風も強く、冬景色のままであった。山頂には、三名の登山者が休んでいたので、少し戻った所で腰を下ろしてひと休みした。
 下山は、宝川右岸尾根を下ることにした。佐渡見台のカーブ地点で、ガードレールを跨いで尾根へと進む。正規な登山道ではないが、刈り払い道が続いている。多宝山の山頂で休んでいる時も遠くで雷が鳴っていたのだが、急に暗くなってみぞれが降り出した。雪割草の花が開くのも期待できなくなった。
 点名「弥彦」の四等三角点が置かれているピークで、踏み跡は左右に分かれる。以前は左の踏み跡に進んでいたが、最後はヤブコギで斜面を下ることになった。最近の情報によれば、林道を辿った先に道が続いているようであった。となると、道の踏み跡に進めば良いということになる。歩いたことのない右の踏み跡に進んだ。ここまでと同じような刈り払い道が続いた。
 尾根沿いに下っていくと、最後は、両脇が林道の法面となって落ち込んだ細尾根になり、その末端で林道に下り立った。250mピーク手前の切り通し部である。後は林道歩きになったが、意外に距離があった。
 雪割草見物としては、少し物足りない結果に終わった。雨も小降りになっており、止みそうであった。田の浦の駐車場で、晴待ちをすることにした。WBCの日本・キューバ戦の最中で、その結果も気になっていた。車の中でテレビを見ると、途中ではあるが、日本がリードしていた。
 雨が止んで薄日もさすようになったので、西生寺の裏山で雪割草見物をすることにした。雨のために登山者も引き上げてしまったのか、登山者用駐車場にも車が三台あるだけであった。
 雨乞山から延びてくる尾根に出たところで戻った。結局、雪割草は閉じたままであった。ただ、コシノカンアオイの花を幾つも見つけることができ、訪れた甲斐はあった。

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