ねずみ薬師

ねずみ薬師


【日時】 2006年2月26日(日)
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 加茂丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 ねずみ薬師・ねずみやくし・285m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町
【ガイド】 新潟県ふるさとの散歩道(新潟県観光協会)

【時間記録】 7:30 新潟発=(北陸自動車道、三条燕IC、R.289 経由)=9:10 三叉路―9:38 スキー場上部ピーク―9:52 ねずみ薬師〜9:58 発―10:06 スキー場上部ピーク―10:24 三叉路=(往路を戻る)=11:45 新潟着

 ねずみ薬師は、下田村の代表的景勝地の八木鼻に向かい合う五十嵐川左岸の山である。昔は庭月集落の祭神が奉られ、信仰の山として、近郷近在の参詣者が多く訪れたという。現在ではお堂や祠といった物は失われ、山頂の杉木立が僅かに昔を偲ばせるだけである。ねずみ薬師へは、かつて下越しスキー大会が開かれたこともあるというスキー場を経由するコースと、庭月からの登山道が整備されている。雪の時期にも短時間で登ることができるが、雪原の登りや短いが急斜面も現れ、展望も楽しめる、スノーシュー向きのコースである。

 昨日の晴天がうそであったかのように、雨の予報の日曜日になった。とはいっても、土曜日に日白山であれほどの展望を楽しんだとあっては、それに匹敵する感動を覚える山行は期待できず、簡単な山で充分ということになる。起きてみると、どんよりと雲が立ちこめていたが、雨は降り始めていなかったため、短時間で登り終えることのできるねずみ薬師へ向かった。高速の途中で本降りの雨になったが、下田に向かう途中で、雨は止んでくれた。
 ねずみ薬師は、2000年12月9日に登っているが、スノーシューコースの一つに加えたかった。インターネットの仲間もスノーシューで登ったという話を聞いている。ねずみ薬師で問題になるのは、登り口である。八木鼻前のバス停の脇から、スキー場跡に向かう林道が始まっている。しかし、冬季は、用水堀をまたぐ橋が雪を被っており、道路脇の壁をよじ登るのも難しいし、橋の幅よりも雪の厚みの方が大きいとあっては、渡るのに危険が伴う。先回も車を停めた、八木鼻の対岸を通る新しい道路と長野方面への県道との三叉路の広場は、冬にも除雪されて、車を置くことができる。地図を見ると、ここから歩き出せば、林道の途中に出ることができるはずであった。
 雨がいつ降り出すかもしれないので、急いで歩き出した。今回は、スパイク長靴でスノーシューを履いてみた。MSRのスノーシューは、スノーボードのソフトブーツならぬ、長靴でも履くことができる。駐車場脇の短いが急な斜面に取り付いた。下山後に判ったことだが、長野方面に少し進んでから取り付いた方が少し楽なようである。杉木立の間を登ると、田圃のような雪原に出た。雪原を横断すると、少し下に電柱が見えた。林道なのかはっきりしなかったが、高みに向かう窪地が続いていたので、ここを登ると、スキー場の下に出た。
 スキー場には、消えかかっていたが、赤や青のラインが引かれており、雪上運動会のようなものが開かれていたようである。雪はグズグズになっていたが、古いトレースの上を歩くと、あまり潜らないですんだ。背後を振り返ると、八木鼻の岩壁と並んだ袴腰山や粟ヶ岳の眺めが広がっていた。雨雲がたれ込めていたものの、意外に良い展望展望が広がっていた。少し登っては振り返るので、登りもはかどらなっかたが、斜面も急なので、休む良い口実になっている。スキー場上部の小ピークからは、下田の奥の川内山塊の眺めも広がっていた。
 一旦僅かに下った後は、ねずみ薬師に向かっての急登になる。ザクザクの雪にステップを刻みながら登り続けた。ステップが切れなければ、スノーシューを脱いだ方が良い急斜面であるが、標高も低いので、凍結することはめったにないであろう。傾斜が緩むと、杉木立に囲まれたねずみ薬師に到着した。山頂のベンチや山頂標識は雪に隠されていた。川内山塊方面の眺めが広がっており、眺めを楽しんだ。ただ、川内山塊のを代表する青里岳と矢筈岳が烏帽子岳に隠されているのは残念である。守門岳が火口壁を見せていた。
 庭月方面の尾根に進むことも考えられたが、来た道を戻ることにした。下りに移ると、長靴でのスノーシューは、やはり足元が不安定で、急斜面の下りで、横向きになって下りるのに少し苦労した。といっても、これからの季節、朝方は雪も締まってスパイク長靴で歩けても、昼になると潜ってしまうということもあるので、長靴とスノーシューの組み合わせは役に立つ。
 谷間にグループがおり、スキー場に下ってみると、ここにも二グループがいて、なんだろうと思うと、鉄砲を背負っていた。発砲音も聞こえていたが、集落の裏手で鉄砲打ちが可能なのだろうか。登山の途中に鉄砲打ちに出会うのは、あまり気持ちの良いものではない。
 なんとか雨に遭わないうちに下山でき、欲張らずに登山は終わりにした。

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